初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『夏休み特別寄稿 ポケモンGOイン横須賀』
2018/9/5(水)
まず最初に、毎年言っておりますが、僕はポケモン派ではなくデジモン派です。「あなた!ポケモンとデジモンどっちを取るの!」と聞かれたら迷うことなくデジモンを選ぶことでしょう。
そんなデジモン派の僕ですが、どういうわけかポケモンGOだけはやっていて、いまだにやめることなく続いております。こう見えてアニメも見たこともなければゲームもほぼほぼやったことがないのですが、おっさんの健康促進を大義名分としたこのアプリだけはどういうわけかやっているのです。
そんな大和屋、今年もイベントに突撃しました。申し込みの抽選に当たったので横須賀へ行ってまいります。横須賀といえばとても遠いようなイメージがありましたが、京浜急行品川駅から一時間かからずに到着することを知り、驚いてしまいました。本当は一泊旅行を予定していたのですが下手な通勤先より近いとわかった今、日帰りにすることにしてみました。
横須賀には過去に一度、大衆酒場ぎんじに行くためにわざわざ行ったことがあります。というわけで横須賀に行くならせっかくですので、ぎんじにもいかねばなるまい。横須賀名物海軍カレーなんかも食べたいし、ハンバーガーの名店なんかもありました。もろもろ楽しもうというわけでイベント初日の水曜日、朝9時ぐらいの電車に乗って出発しました。
今年のイベントは三か所の公園にて行われるとのこと。ヴェルニー公園、三笠公園、くりはま花の国の三か所、ヴェルニー公園と三笠公園は徒歩圏内にありますが、くりはま花の国はその名の通り久里浜まで移動しなければなりません。まずは横須賀中央の一つ前の駅、汐入で降りて、チェックインに指定されているヴェルニー公園へと向かいます。
無事汐入で下車した僕はヴェルニー公園へと向かいます。案内のおじさん達がポケモンおじさん、ポケモンおばさんを誘導してくれています。迷うことなく公園へとたどり着くと、そこにはたくさんの人達がたたずみ、スマホ歩きをしております。抽選になっていたのでそれほど混雑はしていないと思っていましたが違ったようです。
さっそくチェックインをしてみると、画面にはたくさんのトロピウスとラルトスとアンノウン、ナマケロが少々。海外限定ポケモンのトロピウスが今回の目玉で、他にも普段ではなかなかお目にかかることのないポケモン達が出迎えてくれました。さらにはイベント参加者用のスペシャルリサーチが用意されていました。
ラルトス、ダンバル、ナマケロをそれぞれ10匹、ポケストップを三回まわす。たまごを三個かえす。公園の向こう側には空母、そして潜水艦なんかが見えたりします。さすがは横須賀、アメリカ軍や自衛隊の街ですね。海の匂いや風景なんかをちらりと見た後、とりあえず公園にうじゃうじゃ出ているラルトスとナマケロを取りました。10匹とか言われてますが飴125個が最低ノルマです。
一時間ほど公園に居座りラルトスとナマケロを乱獲した後、ここでできることはほぼやったと判断し、今度は三笠公園へと移動することにしました。噂によると出ているポケモンの種類が違うということなのでつらつら徒歩で移動を開始します。
10年位前に街を歩いた記憶がうっすらとはあるのですが、ほとんど忘れてしまっています。昔はイオンなんかあったかなあなどと考えながら進んでいくと、ハニービー発見です。ハニービーとは横須賀にある有名な老舗のハンバーガーショップです。10年前にも食べたそのお店に是非もう一度と思っていたのですが、見れば大行列、この展開はうっすら予想しておりましたので仕方なし。またの機会に伺おうかと思います。
やはり世の中のポケモンおじさんポケモンおばさん達はせっかくポケモンゲットするなら、ついでに美味しいものも食べてこようということになるのでしょう。この調子だとカレーも厳しいかなぁと思いつつ。三笠公園へと向かいます。その途中、公園以外の場所でも珍しいポケモンが出ているようです。アチャモやミズゴロウやヒンバスなど。アチャモが足りなかったので一生懸命取りつつ移動です。
ポケモンをとりながら三笠公園へとたどり着くと、そこのはヴェルニー公園以上の沢山の人がいます。ここにはラルトスがいないかわりにダンバルが山ほどいます。一生懸命青いちくわのようなポケモンを取りました。ほぼほぼ一時間くらいで目標の数字を達成できました。
昼食をとろうと一度、横須賀中央駅のほうへと移動します。そろそろ足の裏が痛くなってきたので休みたい一心での移動です。横須賀海軍カレー本舗という店でソーセージカレーを食べたかったのですが予想通りに人で一杯。待ちの名簿に名前がずらーっと並んでいたので諦めます。
その近くのベンガルというカレー屋さんにも行列ができていたのでとにかく座れる店をと思った矢先、僕の視界に飛び込んできたのはヨコスカベーカリーというパン屋さん。見るからにおいしそうなパンが沢山並んでいる上に行列せずにすぐに買えそうでしたので思わずお店に吸い込まれてみました。テイクアウトして公園で食べたのですが、痛恨なのが写真を撮り忘れていたことなのです。どのパンもとても美味しかったと記載しておきます。
さて、二か所目の三笠公園でのタスクもほぼほぼ完了しているので、残るはくりはま花の国……なのですが、ここで情報収集を行います。グーグル先生を利用し、くりはま花の国の出現ポケモンの情報や、移動時間などを調べたところ、出現するポケモンはほぼ同じであることが判明した上に、移動に片道一時間半もかかるとのこと。つまりはいかないでもいいという判断に至ります。
せっかくなので本当は行きたかったのですが、三か所の公園を制覇するよりも大切な用事が横須賀にはあったのです。そう、それは居酒屋、大衆酒場ぎんじです。横須賀の有名店はすべて行列になっている現状、ここだけはどうしても行きたかった。なので予約の電話をかけておきました。その際、お店のお母さんからは、その時間なら予約しないでも大丈夫ですよと言われましたが、そこをなんとかと予約を入れさせてもらいました。
ハニービーや横須賀海軍カレー本舗の状況を見れば、それは正しい選択だったかと思われます。開店と同時に飛び込む気満々でしたので、四時に予約を入れました。というわけで四時まで時間を潰すことになりました。急きょ横須賀観光をすることになりましたが、何を見ていいのかさっぱりなのでとりあえずどぶ板通りをぷらぷらしました。そんなぶらぶら中のどぶ板通りでイーブイに遭遇したので写真を載せておきます。暑い中頑張っておりました。
四時が近づいてきたので、汐入から電車に乗って横須賀中央へと戻りました。歩いて戻れと言われそうですが、一日中歩き続けていたのでもう汐入から歩いて横須賀中央へ戻る気力がありませんでした。駅から数分の場所の路地裏にその居酒屋の名店、大衆酒場ぎんじはあるのです。残念なのはこのお店写真撮影が禁止とのこと。かの太田和彦さんもお勧めしていた名居酒屋、今回は文章のみで想像していただきます。
というわけで開店前に並んでいたのは数名でしたが、10分以上前から待っていた僕が一番乗りとなりました。店内に入ると10年前とかわらぬ内装です。古いのですが、掃除がすみずみにまで行き届いた味のある内装。十年前は満席でしたが、今回は開店と同時ですのでまだ席には余裕がありました。
お通しにはキャベツの漬物?のような小皿(サービスだそうです)。まず最初に生ビール、炎天下の中一日中歩き続けた後の一杯は格別です。このために歩いたといっても過言ではないぐらい美味しかったです。痛風ぎりぎりの僕ですが、やはりこれだけ歩いた後では一杯目にはビールを飲んでしまいます。まだ発症していないからこそできる技ですね。
もう一度書きますが、すげえ美味かったです。最初の一口を飲んだ後は料理を頼むことになります。ここに来たら湯豆腐です。ひとり様にも安心の湯豆腐半丁。からしが塗ってあるその豆腐は夏に食べてもとてもおいしい。
そして、もう一つの名物は煮込み。ともすればシチューなのではと思うようなとろとろの煮込み。とても美味でした。そして横須賀は海が近いので言うまでもなく魚がうまい。いわしがなかったのであじを頼みましたがとても良かったです。さらにはなす焼き、イカフライなんかも頼みつつ、レモンサワーやホッピーなんかを補給しながら満腹になるまで食べました。
どれも安くて美味しく、おひとり様にもちょうどよいポーションでした。お店の方は全員が女性でチリ一つない店内をきびきびと行ったりきたりしておりました。本当に良い居酒屋だと思います。皆さんも横須賀に行く機会があるならば是非行ってみてください。ごちそうさまでした。お会計の時には大きなそろばんを使います。そろばんの使い方、皆さん覚えていますでしょうか?僕はもう覚えてません。
一日炎天下の中歩き回ったら焼けました。この年齢で日焼けするとか恥ずかしいのですがまあ仕方ありません。一日歩き回ってビールの美味しい良い一日でした。その後、僕は電車に揺られて帰りました。
馬の近況です。マダムジェニファー(牝3、栗東・須貝尚厩舎)は引退、名門辻牧場さんのところで引き受けていただけるということになりました。おかげ様でジェニファーは繁殖牝馬になることになりました。数年後にはジャス君の子供を産んでくれているはずです。レースでは結果が出ませんでしたが、母として成功して欲しいと願う今日この頃です。
そしてジャスタウェイ初年度産駒のカリボール(牡2、栗東・須貝尚厩舎)、現在栗東トレセンに入厩済み、ゲート試験に向けて絶賛調整中です。まずはゲート試験に合格してもらって、レースに向けて着実にステップアップしていってほしいものですね。
行きつけのお鮨屋さんから勝利の縁起物、ラッキーヱビスの小瓶をすでに頂いております。初出走のその時には、たとえ痛風が発症していようとも、ビールを飲んでレースに臨もうと思っております。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。