初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『すごい馬がデビューするかもしれない』
2018/10/23(火)
皆さんこんにちはライター大和屋です。久しぶりに競馬ネタを更新しようかと思います。
今週末。突然馬体が減ったり除外がなければ、ジャスタウェイ産駒であり浅見秀一厩舎所属のサンデーレーシングの募集馬、スキッピングロックが京都の新馬戦(1600m)でデビューします。何をそんなに鼻息を荒くしているのかというと、この前の日曜日に行われた調教がモノ凄かったのです。
調教相手はあのサングレーザー、今週末の天皇賞(秋)の有力馬です。そのサングレーザーと坂路であわせたのですが、タイムが51.4―37.4-24.3-12.1秒、しかも0.2秒の追走同入です。調教の専門家ではありませんので個人の感想なのですが、2歳でこんな時計出す馬なかなかいないと思います。ていうか52秒でもすごいと思うのに、2歳で51秒前半のタイムとか出るんですか?ていうかG2・3勝、天皇賞で勝ち負けするかもしれない馬と互角の調教を2歳馬がしてたら期待しないわけにはいかないでしょう。
スキッピングロックの母はアイルビーバウンド、兄弟には日経新春杯(G2)勝ち馬のパフォーマプロミスがいる血統。募集の時もかなり人気になっていた馬だと記憶しております。牧場にいたころは馬房内で暴れて外傷を負ったことはありましたが、全般的には順調で、小柄ではありますが前向きで真面目、そして素質を感じさせる馬だった模様です。入厩してゲート試験に合格した後、飼い葉食いが落ちたので放牧に出されました。
態勢を整えて再入厩、来月くらいのデビューかと思われましたが、調教があまりのド迫力だったため、今週末の出走を決断したようです。小柄な馬体と言われていましたが460キロくらいなら小柄というほどではないでしょう。飼い葉食いが細いとのことなので、これからは図太い精神と旺盛な食欲をもった仔に育ってほしいですね。
スキッピングロック、かなりひいき目ではありますが、かなり期待できるのではないでしょうか?週末のみならず先々本当に楽しみになってきました。勿論調教だけで勝負が決まるわけではありません。だがしかし、かなり楽しみなことには変わりありません。スキッピングロック、意味は水切り。この名前、憶えておいて損はないかもしれませんよ。週末の京都の1600mの新馬戦、藤岡康騎手でデビュー予定でございます。
他にも週末にはアルテミスステークス(G3)が行われます。こちらは新馬戦でかなり強い競馬をした池江泰寿厩舎所属、ジャスタウェイ産駒のトスアップがどんな競馬をしてくれるのかかなり楽しみ。さらには来週、京王杯2歳ステークスにはアウィルアウェイがスタンバイしております。こちらも18日に坂路で52.2の好タイムで走っています。こちらの調整も順調といってよいでしょう。
というわけでジャスタウェイ産駒の期待馬がぞくぞくと出走してくる週末や来週やその先々、皆が良い結果を出してくれることを期待しますし、レースが今から楽しみで仕方がありません。まずは今週末、ジャスタウェイ産駒の重賞初制覇がなるかを、そして日曜日には未来のスター候補の走りを見守ろうかと思います。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。