初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『ルパパトスタッフと中山競馬場へ行ってきました』
2018/12/18(火)
皆さんこんにちはライター大和屋です。先日のことになりますが、戦隊スタッフの皆さんと競馬へ行きましたのでその時のことを少し書こうかと思います。知っている方は知っていると思いますが、今年の戦隊である「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」に僕も参加させていただいております。
きっかけは中澤監督が競馬に行きたいと言っていたのを耳にして、では行きましょうということから始まりました。中澤祥次郎監督は戦隊には欠かすことができない大監督でございます。僕が戦隊デビューをした時にはすでに監督をなさっていらっしゃり、トッキュウジャーのジャスタウェイ回を撮って下さったのも監督です。トッキュウジャーをやっていたころに一度スタッフの皆さんと競馬観戦をしたことがあり、その時に中澤監督が行けなくて悔しい!的な言葉をいただいたので、では是非行きましょうという流れで一度競馬場ツアーを組んだのですが、当の本人である中澤監督が、撮影が入ってしまっていけなくなってしまいました。
しかもその撮影は僕が書いた脚本の回だったのです。そんなことがあってはもう一度リスケしなければなりません。そんな流れで先週12月15日の土曜日、ターコイズSの日に中山競馬場へと突入することになりました。というわけで今回は中澤監督が参加でき、戦隊のヒットメーカー、シンケンやトッキュウを手掛けた敏腕プロデューサーの宇都宮さん(いつもお世話になってます)。ルパパトのメインライターである香村さん。星野源のそっくりさんでもあるプロデューサー補の川勝さんの五人のメンバーでツアー開始です。とはいいつつも、皆で競馬をして頑張って勝ちましょう。というだけの純粋な競馬です。僕も自分の馬の出走がないので純粋に馬券を楽しむことにします。普段打ち合わせではなかなかスーツ姿を見かけることがないので中澤監督のスーツ姿は貴重ですので写真を撮ってみまたりしました。
競馬を始めるとすぐにアルセーヌという馬を発見。皆ルパパトのスタッフですので全力応援です。結果は二着。単勝馬券を握り締めていた僕以外は全員当たったようでした。がっつり当てた宇都宮さんにお昼ご飯をごちそうになりました。というわけで昼ご飯は競馬場といえば定番であるカツカレーをいただきました。
午後に入っても淡々と競馬は続きます。はずれ馬券の山を築いていく僕ではありますが、ジャスタウェイ産駒の馬の複勝など、ちょいちょい当たったりしつつ。メインレースはパドックで非常によく見えた須貝厩舎のリナーテから流しましたが勝ったのは横山騎手のミスパンテールでした。僕個人としては最終レースの馬券を当てて、なんとかとんとんかちょい負けぐらいに持ち込めたのではないかという収支だったような気がします。
メインゲストである中澤監督はちょい勝ち。川勝さんも香村さんも負けなかったといっていなかったような気がします。宇都宮さんは前回よりはましだったと言っていましたが負けですね。とはいえ一日楽しめました。中澤監督も楽しかったと言って下さったので良かったです。そしてこの後どうしようという話題になります。そこで宇都宮さんが「有薫酒蔵が今月いっぱいで閉まってしまうのでいきませんか?」との提案をしてくれます。
有薫とは銀座の東映本社のすぐ近くにあるお店です。九州の郷土料理のお店で、戦隊スタッフの皆さんならばああ有薫というくらい馴染みがありお世話になっているお店なのです。はっきり言って戦隊スタッフ御用達、特に宇都宮さんの愛用のお店です。僕も戦隊の脚本を書き始めてから何度もこのお店に連れて行っていただきました。このお店では本当に沢山の監督やスタッフの皆さんとお酒を酌み交わし、沢山の貴重な話を聞かせていただきました。途中で寝てしまったことも数限りなくありますし、最後のうどんは必ずいただいていた記憶があります。そんな思いで深いお店が年内で終了となれば行かない訳にはいきません。西船橋から銀座へ移動です。
有薫へ到着すると名物おかみさんが出迎えてくださいます。いつもの感じで一通り、お店の名物をいただくことになりました。ここの名物で一番好きなのはゴマサバです。サバにゴマをかけ、ツマや薬味としっかり混ぜて、甘いタレを絡ませ食べるのですが、いつ食べてもとてもおいしい。出てくるといつもあっという間になくなります。何を食べても美味しいのですが、ここに来たら必ずゴマサバは食べていたような気がします。他の定番ではナス焼き、地鶏の塩焼き、ちくわと明太子、今日はとんこつおでんやタン塩焼きもオーダーです。お酒も会話も進みます。
そんなご歓談の中、中澤監督との新たな接点がこの日明らかになりました。正確に言うと競馬場で軽く話してはいたのですが、中澤監督、オグリキャップの有馬記念の日に中山競馬場にいたそうです。その日は僕も競馬場にいましたので当時の話題で盛り上がりました。あれほどの感動にはなかなか出会えないということや、馬券を買いにいったら元の場所に戻ってこられないトークや、あのころの競馬は役者がすごく揃っていたなあなどという話題に花を咲かせ、宮本輝の優駿は絶対に読むべきだなどということを川勝さんに皆で吹き込んだりと楽しい夜を過ごさせていただきました。おそらく今夜が最後の有薫、戦隊の打ち合わせの後は85%の確率でここに来て飲んでいたような気がします。これから宇都宮さんは打ち合わせの後にどこのお店に行けばいいのか少し心配になってしまいます。好きなお店がなくなってしまうのは悲しいことですが、最後にここにこれて良かったなあと思いました。最後は皆で定番のうどんのハーフを食べました。
というわけで突然ですが、今週末、中沢監督と僕からのプレゼントがあるのです。ルパパト#45「クリスマスを楽しみに」中澤監督の演出で僕の脚本となっています。三連休で視聴率が心配だと宇都宮さんが言っておりましたので、お子様は勿論大人の皆さんにも是非見てくださいませ。くしくも放送当日は有馬記念の日、馬券作戦のヒントになるような内容になっているかもしれませんしなっていないかもしれません。お見逃しなく!
最後に一言。「日本人ならシャケを喰え!」
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。