初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『菊花賞にカリボールが出走します』
2019/10/18(金)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。カリボール(牡3、栗東・須貝尚厩舎)の菊花賞(G1)出走が確定しました。久しぶりのG1出走で周囲がざわざわしております。
まずは先週の振り返り、日曜日にエオスモン(牝2、栗東・須貝尚厩舎)が出走の予定でしたが、来週月曜日に出走投票のやり直しとなりました。先週の予定通り、岩田康誠騎手が乗ってくださることになりました!ダートに替わっての変わり身に期待です。きっとやってくれるはず!と願って祈っております。調教の動きやなんかから、ここで変わり身を示してくれると思うのですがねえ。岩田さん、お願いしますね!
そして今週のハイライト。菊花賞の話をしたいと思います。カリボールは前走の清滝特別に勝利し菊花賞出走を決めました。中一週の出走となりますが、馬の状態を見た上での判断なのだと思います。本当は野分特別で決めていてくれていればよかったのですが、勝負事ですので仕方ありません。状態は良いようですので強行軍の心配はしないで良いかと思います。
それにしても久しぶりのG1出走、ていうか重賞すら出走できていませんでしたので良かったと思います。カリボールが未勝利戦を勝ってくれるまでは数年間勝利から見放されていたのを思えば、なんという境遇の変化でしょう。先々週のカリボールの勝利、そして、この前の月曜には共有馬主のアウィルアウェイがOP特別を鮮やかに勝ち上がってくれましたし、なんというか『来ている』のをひしひしと感じます。この勢いのままに京都へと乗り込めるのがうれしいです。
▲大和屋さんも出資しているアウィルアウェイ
こんなイケイケな状態は一体、何時以来だろうというくらい。人気云々でいえばあまり人気はないでしょう。とはいえ京都での成績は抜群に良いですし、今まで一度も連対を外していないなど、細かくセールスポイントはありますし、ギャロップの誌上パドックでも大変よく見えますと馬体を誉められておりました。メディアに出ている須貝先生と北村君のコメントの通り、せっかく内枠引いたことですし、ゆったりいって直線勝負をしてくれれば一発あるのではないかと思っております。
勿論ヴェロックス(牡3、栗東・中内田厩舎)は強いです。強いことはわかってはいるのですが、自分の馬はやはり可愛い。ここはなんとしてもジャスタウェイ産駒の優勝を期待したいし、チャンスなのではと思います。産駒がデビューして一年が過ぎているにも関わらず重賞未勝利という状況に、早く終止符を打ってほしい。それが自分の馬で成し遂げることができるチャンスを得たこの状況はとてもありがたいですし、そのチャンスが重賞な上にG1であることもとても感慨深いです。
▲同じジャスタウェイ産駒のヴェロックス
ヴェロックスがとても強いということは重々承知ではありますが、うちのカリボール君だって、ただ回ってくるだけでは終わらないはず。鞍上の藤井勘一郎騎手も勝つためにはどうすればいいのかと、今頃作戦を練っていることでしょう。
王道横綱相撲をしてくると思われるヴェロックス相手に、ただ回ってくるだけでは恐らく勝てません。勝利をつかみ取るために、フジカンさんはなんかやってくれるに違いない。ルーキーイヤーの今年のフジカンさん、G1初挑戦初勝利なんてことになれば、騎乗依頼も殺到するに違いない。全世界を股にかけ騎乗してきた彼ならば、緊張も良い意味で力に変えてくれるはず。すっごく期待していますよフジカンさん。よろしくお願いします。
▲カリボールの追い切りに騎乗する藤井騎手
とまあそんなわけでいろいろと書いてみましたが、久しぶりのG1出走なので楽しんでこようかと思ってます。月曜日のエオスモンのほうもきっと頑張ってくれるかと思います。一口の馬も入れるとこの三日間が結構な出走ラッシュなので、良い結果が出てくれること祈りつつ。週末から月曜日にかけて頑張って応援しようと思います。どちらもあまり人気はなさそうなのではありますが、世の中をびっくりさせる結果になることを願ってやまない今日この頃なのであった。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。