初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『カブトボーグが来てるのか?』
2021/11/11(木)
皆さんは『人造甲虫カブトボーグV×V』という番組を知っているだろうか?
15年前に僕らが作った、BSでしか放送されなかった幻のアニメーションで、一部のニコニコ動画ユーザーには非常に評価が高かった番組です。
監督は石踊宏さん。僕らの無茶苦茶を文句ひとつ言わずにすべて受け止めてくださった懐の深い素晴らしい監督です。
そして僕がシリーズ構成をつとめ、うちの師匠の浦沢さんや千葉さんなんかが競い合うように一年間の間アホなことを書き続けたギャグアニメで、そのあまりの内容にお客さん達は皆一様に脚本家たちをまるで生まれながらの狂人、もしくは麻薬常用者であるかのような言い方をしていたような気がします。
そんな強烈な番組でしたが、いかんせんBSのみの放送だったので大ヒットということにはなりませんでした。そんなカブトボーグが15年の時をへて、BDBOXを発売するとの発表がなされたのです。
今回のBOXの発売が決定したことでさらに盛り上がってきているとの話も聞こえてきたりこなかったり。とはいえ定価が四万円もしますので生半可な気持ちでは購入にはいたらないでしょう。
いったい誰が四万円も払ってこのサブスク全盛の時代にブルーレイボックスなんてものを買うのでしょうか?僕なんかボックスが発売されると知ったその瞬間に、自分で買うのは絶対に嫌だったのでソニーのホームページ経由で担当の方に連絡をとってサンプルを是非くださいとお願いした次第です。
ソニーの担当の方がこころよくOKしてくださったのでせめてサンプルをいただくぶんは役に立たねばと今この原稿を書いている次第であります。
ていうか、過去のこの番組のDVD、二度発売されているのですが、どちらも発売元がソニーさんではなかったんですね。それはつまり制作委員会にソニーさんが入っていたにも関わらず売れる算段がつかないので、今の今まで円盤を発売せずに15年たった今初めてようやくBDを発売するというわけのわからない現象が起きているのです。
OPを見返してみると確かにソニーさんのクレジットはありますし、プロデューサーのところにソニーの顔見知りの人の名前があるのですが打ち合わせでは一度として見かけなかったのを思い出しました。
そんな番組が4クールもの長期間の間放送しつづけられたのがなぜだったのか、僕にはよくわかりませんが、もう二度とこんな番組は作れないだろうなと思います。当時は自分たちが楽しければそれでいいだろう的な勢いでやっていましたが、冗談交じりに二十年後に時代は追いつくはずだとか言っていました。わずか15年で時代に追いつかれてしまったようです。
せっかく追いついてもらったのですから、BOXが売れに売れてくれることを願います。というわけで人造甲虫カブトボーグV×Vブルーレイボックス。2022年3月25日(金)に発売です。予約はこちらから!
カブトボーグ | ソニー・ピクチャーズ公式 (sonypictures.jp)(外部リンク)
では愛馬情報へまいります。まずは今週出走のカリボール。土曜日の準メイン、奥多摩ステークスに出走が確定しました。デムーロ騎手は阪神のメイン、デイリー杯に出走する同きゅう舎のプルパレイに騎乗のため乗り替わり、今回は今絶好調の横山武史ジョッキーへとバトンタッチとなりました。
ライバルとなるのは前走僅差の二着争いを繰り広げたヴィジュネルでしょうか?前走は本当に僅差でしたので逆転のチャンスは充分あるはずですので念願のOP入りを期待したいと思います。
須貝厩舎の二歳馬、キングロコマイカイですがゲート試験無事に合格しております。ただ、現状どうしていくかは未定とのことです。こちらは芝、ダートのどちらかとかそういうことも含めてまだまだ未定とのことです。ちなみに悪い意味でちょっと気性が女の子のようだとのコメントをいただいております。
そしてジャスコ。順調に調整が進んでいき、東京最終週に出走を予定しています。ダートでデビューかと思っていましたが、芝でのデビューを予定しているそうです。土曜の1600mか、日曜の1800m、どちらも田辺ジョッキーがスタンバイしてくれているとのこと。
てっきりダートで出走かと思っていたので大丈夫かしらと思ってみましたが、芝適性がないと決めつけるのは性急すぎるとのことなのでしょう。まずは無事出走、そして完走、できることなら好走、願わくば勝利を!というわけで今からとても出走が楽しみです。
こちらはキングロコマイカイとはうってかわって器量よしとの報告をいただいていますので、鞍上の言う事をよく聞いて上手な競馬をしてくれることを願っております。
そしてマジカルステージですが、ようやく復帰へ向けての調教が始まりました。疲れが抜けずにいたのがようやく調教を開始できる状態にまで回復したようです。まだキャンターにも移行していませんが、復帰に向けての第一歩を踏み出してくれたことに安堵しております。結局クラシックへの出走はかないませんでしたが、まずは無事にターフへ戻ってきてくれることをゆっくり待っていたいと思います。
というわけで週末はカリボールの出走です。一時はもうダメかと思われた彼ですが、すっかりやる気を取り戻してくれ前走は人気薄にも関わらず三着と好走。三走前にも三着がありましたのでこのクラスならやれるというメドは既にたっています。
今回は人気になりそうですが、ただいま絶好調の鞍上にうまくエスコートしていただけると信じて競馬場まで応援に行きたいと思っております。ちなみに競馬場、まだアルコールの提供は自粛しているようですね。早く競馬場で昼酒ができる世の中になってくれることを祈っております。というわけで頑張って!カリボール!
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。