初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『盆と正月が一緒に来た!』
2022/5/5(木)
まず福島7Rの未勝利戦。芝2000mの牝馬限定戦。ジャスコが出走しましたが、ポジションを取りに行った結果なのか、前走のような末脚は繰り出すことができずに6着。次走の巻き返しに期待とのことでした。
そして阪神10R、芦屋川ステークス。阪神芝1200mの3勝クラス。カリボールが吉田隼人騎手で出走、見事一着でゴール。念願だったOP入りを果たしております。
レースはまあまあのスタートをきった後、ポジションをとりにいこうと仕掛けていましたが、ポジションは取れず、内枠2番でしたので中段の内から追走。思った以上にレースが流れていたようで、中段から4コーナーの手ごたえは抜群。向こう正面で不利があったようにも見えたのもなんのその、直線、包まれそうになったところを、2着馬が抜け出した後で進路を確保し追い出すと、鋭く伸びてゴール寸前は勝ったかのように2着馬を差し切り、2年半ぶりのひさびさの勝利ということになりました。
菊花賞以来、調子を崩し、骨折なんかもありました。距離短縮しはじめてから真面目に走る様になってくれたように見えていましたが、さらなる距離短縮の1200mで才能開花。4コーナーの手ごたえから見ても完勝といっていい内容かと思われます。ペースもポジション取りも展開も、うまくいったように見えますが、勝つときはこんなものなのでしょう。さっきも言いましたが4コーナーの手ごたえが抜群、ポジション取りにいきたかったけど、結果中段で待機というのも、包まれ追い出しが遅れたことも吉と出たようにも見えます。これで待望のオープン入り。これからの活躍がとても楽しみなレースだったと思います。適距離は1200mだったということでしょうか?須貝先生も1400mなんかだと途中で気を抜くんで1200mが良かったとコメントしてくれていました。
そして3レース目、福島最終12R。牝馬限定の芝2000mの1勝クラス。マジカルステージが西村騎手で出走。最初から最後まで本当に危なげない内容で一年ぶりの復帰戦を完勝。
期待通りに100点満点のレースをしてくれました。このレースっぷりならば上のクラスにいっても楽しみですね。こんなレースを見せられたら秋には大きいところを狙えるようになっていたらと妄想してしまうではないですか。新馬戦の時のお母さん(オツウ)くらい安心して観ていられたレースだったような気もします。とにもかくにも完勝でした。勝ってくれるとは思っていましたが、ここまで完勝だと先にも言いましたが色んな妄想が脳内を駆け巡ります。秋にエリザベス女王杯とか走っていてくれないかなぁ?
とまあ現地応援はできませんでしたが久しぶりの勝利!しかもいっきに2勝という上々の結果にふわふわしたGWを過ごしています。カリボールは状態がよほど大丈夫だったら続戦するかもしれないですが、とりあえずお休みをあげたいです。休みなく年明けから使ってきていたのでまずはゆっくり充電していただきましょう。そしてマジカルステージは馬の状態次第ではありますが続戦を予定しています。あのレースっぷりならば昇級戦でも楽しみですね。ここも通過点というレースを期待したいです。楽しみ楽しみ!
いやあ、本当に久しぶりの勝利の美酒でした。ここ数日美味しいお酒を飲み続けています。なんともかんとも幸せな感じです。カリボールもマジカルステージも次走がとても楽しみな感じですね。そして今回は残念だったジャスコ、そして現在休養中のキングロコマイカイも巻き返しに期待したいと思います。
そしてもう一つめでたいニュースが舞い込んでまいりました。先日、無事、オツウの仔、男の子が生まれました。オツウも元気そうな感じでめでたい続きとなりました。今回はまったくといって特徴がないことが特徴です。きゅう舎で会っても絶対にわからない自信があったりします。写真がこちら。
とまあそんな感じで一年近く勝利がなくて、今年ようやく初勝利の弱小馬主が一日二勝という自分でも驚愕の快挙を成し遂げてしまいました。はっきり言いましてこれは須貝先生をはじめとした厩舎スタッフ、上手に乗ってくださった吉田隼人騎手、西村淳也騎手、そして各ノーザンファームスタッフの皆さんのおかげでございます。関係各所の皆さま、本当にありがとうございました。
カリボールがOP入りできるとは菊花賞ののちのレースを見たら誰も思わなかったと思います。長いトンネルではありましたし、その間に骨折も経験したカリボール、その後、復帰し、その後堅実に頑張ってくれていただけでも正直満足している自分がおりました。
マジカルステージも骨折を経験し、復帰しなんとか一勝をあげてくれて、是非もう一勝してオークスへとか言っていましたが、詰めて使いすぎたのか腰に疲れが出て、その結果復帰するのに一年もの月日を費やしました。一時は復帰できるのかとすら思った彼女、長期休養明けの不安も軽々払拭してくれた上に楽勝してくれました。本当にありがたい次第でございます。関係各所の皆さま、本当にありがとうございました。
というわけでなんとも夢が広がる結果となりました。2頭の今後のレースが楽しみなのは勿論、秋が楽しみ、G1戦線に参加できるかもと思うと妄想がどんどんと膨らんできます。3歳の2頭にも夏前になんとかひとつ勝っていただいて僕を安心させて欲しい。そして二歳馬、デビューが早そうな仔もいればまだ名前もついていない仔もいますが皆頑張ってほしいですね。欲を言えばきりがないですが、馬主は皆そんなもんでございます。ライターのGWなんてものは宿題を沢山ふられて遊んでる場合じゃなくなることが常ですが、今年のGWはずっとご機嫌で過ごさせていただきました。この勢いとこの調子でご機嫌な夏休み、ご機嫌な食欲の秋を迎えたいと思っているのでした。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。