初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『こんなん貰っちゃっていいんですか?』
2024/1/31(水)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。先日ジャスタウェイの繋養先のサラブレッドブリーダーズスタリオンから連絡がありまして、留守電に「折り入って相談があります」とコメントが残されていたので、とうとう廃用か!それとも移動か⁉何か怪我でもしたか!正月早々コレペティトールやヤマニンウルスなどの活躍で良いスタートダッシュを決めたはずなのに何故⁉と思ってみましたが、今年の値段も決まっていたのでさすがに廃用ではないだろうと思い直してみました。
とはいえ牧場から連絡が来るときは馬が怪我したとかもう無理なんで引退させましょうとか、そういうあまり良ろしくない内容がほとんどですので、悪い予感がぶりぶりしながら折り返して連絡をしてみると、絵を寄贈したいので送っても良いかという内容でした。
寄贈してくださったのは画家の加瀬谷真理(かせがい まり)さん。元々は学校の先生をしていた方だそうで、乗馬をしていたことがきっかけで馬がとっても好きになって、馬の絵を書くようになったとのことです。
調べてみるとジャスタウェイだけでなく色んな馬の絵を描いてらっしゃる方でして、社台スタリオンにもドゥラメンテの絵が飾ってあるとのことでした。後日、ノーザンファームの方にお願いして写真を送っていただいたのがこちらです。
銀座で個展を開いたりもしているのでした。そんな加瀬谷さんがジャスタウェイの肖像画をくださるというので、勿論いただきますと二つ返事の僕でした。すると数日後、まずは加瀬谷さんの絵が特集された『UMAライフ』という雑誌が送られてきました。
他のお馬さんではこうはなりませんが、ひと目見た瞬間から「あ、ジャス君だ」となりました。その肖像画ははとても格好良く見ていてずっと飽きない姿でありました。
そんな加瀬谷さんの絵の特集とは別に、僕の目を引いたのはUMAライフという雑誌です。その名の通り馬のことを主題とした雑誌で、競馬ではなく乗馬や馬の文化などを紹介している雑誌で、恥ずかしながら私は知りませんでした。乗馬大会の結果や相馬野馬追の特集など、本当に馬に関してのことを真摯に掲載している雑誌です。興味のある方は是非一度読んでみてください。
競走馬だったお馬さんのセカンドキャリアとか、興味深い内容の記事がいろいろとありましたし、こんな雑誌特有の馬具の広告など、とても面白かったと言っておきます。アイリコメンドです!
とまあそういうわけで引っ張ってすみません。こちらが雑誌の次の日に届いたジャス君の肖像画の写真となります。どうぞご覧くださいませ。
表情を中心にしたジャス君の肖像画のような絵もとても美しいですし、社台スタリオンに飾ってある立ち絵もとてもリアルで迫力があります。ここにリンク張っておきますので、是非加瀬谷さんの作品をチェックしてみてくださいませ。
加瀬谷真理の作品一覧 | Art Scenes アートシーンズ | お気に入りのアートが探せる、見つかる
本当に馬主をしていると沢山の人の親切を身に染みて感じることが多いです。ジャス君が現役の時は見知らぬファンの方に写真をいただいたり、手作りキーホルダーをいただいたり、嬉しいサプライズが多々ありました。今回のこともジャスタウェイの馬主だったからこそ経験できた嬉しいサプライズと言ってよいでしょう。
絵に添えてあったお手紙にはジャス君の大ファンの画家からの寄贈作品です!と書いてくださっていて、なんともありがたいやらもうしわけないやらな気分です。家に飾ってくださいとも書いてありました。絶対に飾ります!ありがとうございました!すごい嬉しいです!
そんなこんなで今年良いことありましたな更新でした。今年の初戦はオシゲちゃんの2着、今週中1週で1勝クラスの同条件へと挑みます。ここはなんとか勝っていただけると嬉しいです。後ろから行く感じになりそうなのでバリバリの1番人気だとちょい不安も感じますが、きっとやってくれることかと思います。前走に引き続き今とっても旬な佐々木ジョッキー。きっとばっちり決めてくれると思います。
……と書いておいて当日を迎えてしまいましたが、その結果は見事に1着。強い競馬でした。
展開も予想していた通り後方待機の直線勝負。思っていたより後ろからだったのでひやひやしましたが、滞在競馬、一度使って状態が上向いていたのもあったのか、見事にゴール前差し切ってくれました。佐々木騎手の迫力ある追いっぷりに痺れました。これなら上のクラスでも上位争いができそうなので、今後もとても楽しみにしていたいと思います。
他、カリボールは北九州短距離Sへ。前走モリス騎手の好騎乗で復活の兆しを見せてくれていたので、今回もきっとやってくれるでしょう。勝てば重賞、その先にはG1も待っていたりすればいいのに!と妄想しております。パッカパッカブーもすでに入厩していますので待望の2戦目はそう遠くないと思われます。大幅馬体増で未勝利脱出が期待できるかと思われます。外厩のレポートでも動きは良くなっていると書いてありました。
去年は年間で3勝でしたので、今年はなんとかそれ以上を目指したいと思っております。オシゲちゃんの2着に始まり、今年は良い年になりそうな気がしています。僕がほとんど本業の仕事をしていない状況ですので是非愛馬達には頑張っていただきたいと思っております。皆よろしく頼みますよ!そして最後にもう一度触れておかねばなりません。加瀬谷様、素晴らしい絵を本当にありがとうございました。大切にしたいと思います。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。