初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『戸崎マジック!』
2024/3/13(水)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。やりました!今年2勝目です。今年の2勝目はパッカパッカブーがあげてくれました。しかも鞍上はあの戸崎ジョッキーです。競馬ラボの私の担当である人物と個人的にも親交のある戸崎ジョッキーが我が愛馬で勝ってくれました!なかなか感慨深い感じです。しかもとても味のある勝ち方でした。ではさっそくレースを振り返ります。
レースは3月10日の中京4Rの未勝利戦、ダート1800mの11頭立てです。我が愛馬パッカパッカブーは鞍上に戸崎騎手を迎え、8枠10番、4番人気でレースを迎えます。ゲートがあくと無理することなく好位へ取りついて3番手。毎回思うのですが今までポジション取りに苦労していた仔がリーディング上位の騎手に乗り替わると難なく好位に取りついてくれることがよくあります。今回もそんな感じで3番手、中京の直線が長かったのもあるのかもとか思いながらもやはり上手だったと思います。
激戦を制したパッカパッカブー(奥)
川田ジョッキーのGOサインに応え凄い勢いで差をつめてくるケンジョー、脚色は相手のほうに勢いがあり、すぐに並ばれ、そして交わされてしまいます。万事休すかと思われましたが、それでもパッカブーは諦めません。
負けたか、それとも同着か?こんな接戦、ジャスタウェイのエプソムカップ以来の微妙な写真判定です。ちなみにあの時は負けてましたけど……。判定の結果を待ちながら友人と勝ったか?微妙か?などとラインでやり取りしていると、須貝先生から電話がかかってきました。電話に出ると「大和屋さんおめでとー!」と言ってくれたのでそこでようやく勝ったことを知りました。
見ごたえのあるゴール前、いつの間にか外に出して凄い末脚で伸びてきた川田騎手の4コーナーのライン取りもすごかったですし、追い出しを待って迎え撃った戸崎騎手も物凄かった。直線の追い比べは圧巻の一言です。戸崎ジョッキー本当にありがとうございました。また是非うちの馬に乗ってくださいませ。久しぶりに大声が出ました。
というわけで今年の2勝目もオツウの仔であるパッカブーであげることになりました。そして今年の一勝目を挙げてくれたオツウの仔でありパッカブーのお姉さんであるオシゲも近いうちにレースに使ってくるかと思われます。前走はムルザバエフ騎手で惜しい2着でしたので次回も必勝態勢で使ってくることかと思われます。今年の3勝目を決めてくれるとありがたいですね。
オツウの子供達は本当によく頑張ってくれております。これで産駒は4頭全てが勝ち上がり。素晴らしい繁殖牝馬と言ってよいでしょう。自家生産で毎年馬が勝ちあがってくれるなんて自分で言うのもなんですが凄いことかと思います。
そんな春の忙しい季節は、出産や種付けのシーズンでもありますね。すでにオツウの二番仔であるマジカルステージは受胎済みです。お相手はルーラーシップ、初子は小柄な馬が出やすいので大柄なお相手を選んだとのことです。無事ならばもっと上のステージでの活躍が見込まれたマジカルちゃんの子供です。今からどんな仔が生まれてきてくれるのかがとても楽しみです。
他の繁殖の皆さんも元気にしておりますのでまた報告させていただきます。お相手はなんとなく決まっているようで、今回はちょっとだけ私もお相手を一緒に考え、選ばせていただきました。出産、そして種付けが一段落したらまたどこかで書きたいと思っております。
やはり競馬は愛馬が勝ってくれることが一番嬉しいですね。請求書や種付け料、怪我やなんかの嫌なニュースも一つの勝利でふっとびます。この調子で3勝目、4勝目と勝利を積み上げていってくれることを願います。今日は良いお酒が飲めそうです。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。