初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『イイナヅケ近況』
2015/8/28(金)
皆さんこんにちは、ライター大和屋です。ネタがないのとあっても書けないようなことばかり。そんなこんなで一か月以上の時が更新しないまま経ってしまいました。さすがにこのままではまずいと思ったので、なんか書こうと思いましたがネタがない。どうしたものかとしばしの間考えていましたが、こういう時こそ少ない人脈を使う時だ!そう思いまして、北海道に電話をかけました。電話をかけた先はノーザンファーム空港です。我が愛馬イイナヅケちゃんの状態を聞いてみます。
「順調に来ています。現在ハロン16秒で坂路を駆けあがっています。このまま順調に行けば10月くらいに移動の声がかかるかもしれません」
とまあ教科書通りのいつもどおりのコメントです。それじゃあ記事にならんでしょ、と顔見知りのK君に食い下がります。
「それじゃ記事にならないよ。三行で終わりですよ。なんか面白いことないのー?なんとかしてー」
とかいいつつ、あったらそれはそれで問題です。頭を抱えたK君はしばり考え、
「ナヅナヅはキンタマーニと仲良しです」
キンタマーニとは厩舎のネズミ取り係のにゃんこです。それだ!となって、K君キンタマーニをナヅちゃんの背に載せて写真を撮ろうとしてくれましたが……
「キンタマーニが厩舎にいません」
旅に出ていたようです。
困った。これじゃあ記事になりませんよ。何かエピソードはないものか?なんかこう僕がセレクトで購入する前のやんちゃエピソードみたいなのはないものか?
ちなみに購入前のやんちゃエピソードとは、セリ会場のパドックのような所でナヅナヅ引っ張っていた牧場スタッフに蹴りをくれて怪我させてます。しかも蹴られたのが女の子、顎の絆創膏が痛々しかったなぁ。去年の10月くらいは隙あらば噛む!みたいな感じだったのが、今ではすっかり大人になって噛みついてもきません的なコメントを貰っておりました。
でも、気性が落ち着いたというコメントは貰ってないなぁ。気が強いというのがセールスポイントなので、うまいことその気性がレースのほうに向いてくれればいいですね的なことも言ってましたが、ケンカが強いとか脱走したとか、そういうバイオレンス的なのはまずいので、他になにかないだろうか?たとえば牧場時代からとても賢くてとか、他の馬ととても仲良しでとかほんわかするようなエピソードだとよいのだが……なんかない?と更に食い下がると、
「ナヅナヅは四本足でジャンプします」
なんだそりゃ?と考えます。絵を想像すると二本足ではなく四本足でジャンプする。真上?助走も何もなく、いきなり真上に飛びそうな感じをイメージしてみるが、果たしてそれであっているのだろうか?でも面白いので書いておこう。ナヅナヅは四本足でジャンプします!いきなり飛んだから驚くなきっと……
その後もいろいろと食い下がってみたのですが、ほんわか感動エピソードなどはありませんでした。順調に行けば10月に移動です!それまでは色々と妄想しながら楽しみたいと思います。元気な姿を競馬場で見せてくれると嬉しいです。それからナヅナヅと同じ育成厩舎の丸山さんの愛馬バンドワゴンの下になるハーツクライ産駒、エマノンはノーザンファームしがらきへ入厩しました。こちらも楽しみですね。
というわけでイイナヅケはまだしばらくかかりそうですが、いたって順調です。次はジャス君の近況を少し書かせていただきます。既に種付けシーズンは終了し、のんびり過ごしているようです。こちらもいたって順調、元気でやっているそうです。さらには種付けシーズンが終わったせいかどうかはわかりませんが、落ち着いておとなしくなったと評判です。6月に会ったときは何かあれば噛みつこうとしていましたが、現在はそんなそぶりも見せないそうです。落ち着いたってことでしょうかね?
そんなこんなで電話二本で取材終了、そこそこ書けるもんですね。いつもより分量は少な目ですが、あとはK君が撮ってくれたナヅナヅの写真でお楽しみください。
でわでわ。
「順調に来ています。現在ハロン16秒で坂路を駆けあがっています。このまま順調に行けば10月くらいに移動の声がかかるかもしれません」
とまあ教科書通りのいつもどおりのコメントです。それじゃあ記事にならんでしょ、と顔見知りのK君に食い下がります。
「それじゃ記事にならないよ。三行で終わりですよ。なんか面白いことないのー?なんとかしてー」
とかいいつつ、あったらそれはそれで問題です。頭を抱えたK君はしばり考え、
「ナヅナヅはキンタマーニと仲良しです」
キンタマーニとは厩舎のネズミ取り係のにゃんこです。それだ!となって、K君キンタマーニをナヅちゃんの背に載せて写真を撮ろうとしてくれましたが……
「キンタマーニが厩舎にいません」
旅に出ていたようです。
困った。これじゃあ記事になりませんよ。何かエピソードはないものか?なんかこう僕がセレクトで購入する前のやんちゃエピソードみたいなのはないものか?
セレクトセール当時のイイナヅケ
ちなみに購入前のやんちゃエピソードとは、セリ会場のパドックのような所でナヅナヅ引っ張っていた牧場スタッフに蹴りをくれて怪我させてます。しかも蹴られたのが女の子、顎の絆創膏が痛々しかったなぁ。去年の10月くらいは隙あらば噛む!みたいな感じだったのが、今ではすっかり大人になって噛みついてもきません的なコメントを貰っておりました。
でも、気性が落ち着いたというコメントは貰ってないなぁ。気が強いというのがセールスポイントなので、うまいことその気性がレースのほうに向いてくれればいいですね的なことも言ってましたが、ケンカが強いとか脱走したとか、そういうバイオレンス的なのはまずいので、他になにかないだろうか?たとえば牧場時代からとても賢くてとか、他の馬ととても仲良しでとかほんわかするようなエピソードだとよいのだが……なんかない?と更に食い下がると、
「ナヅナヅは四本足でジャンプします」
なんだそりゃ?と考えます。絵を想像すると二本足ではなく四本足でジャンプする。真上?助走も何もなく、いきなり真上に飛びそうな感じをイメージしてみるが、果たしてそれであっているのだろうか?でも面白いので書いておこう。ナヅナヅは四本足でジャンプします!いきなり飛んだから驚くなきっと……
その後もいろいろと食い下がってみたのですが、ほんわか感動エピソードなどはありませんでした。順調に行けば10月に移動です!それまでは色々と妄想しながら楽しみたいと思います。元気な姿を競馬場で見せてくれると嬉しいです。それからナヅナヅと同じ育成厩舎の丸山さんの愛馬バンドワゴンの下になるハーツクライ産駒、エマノンはノーザンファームしがらきへ入厩しました。こちらも楽しみですね。
というわけでイイナヅケはまだしばらくかかりそうですが、いたって順調です。次はジャス君の近況を少し書かせていただきます。既に種付けシーズンは終了し、のんびり過ごしているようです。こちらもいたって順調、元気でやっているそうです。さらには種付けシーズンが終わったせいかどうかはわかりませんが、落ち着いておとなしくなったと評判です。6月に会ったときは何かあれば噛みつこうとしていましたが、現在はそんなそぶりも見せないそうです。落ち着いたってことでしょうかね?
そんなこんなで電話二本で取材終了、そこそこ書けるもんですね。いつもより分量は少な目ですが、あとはK君が撮ってくれたナヅナヅの写真でお楽しみください。
でわでわ。
了
草を食べるナヅナヅ(イイナヅケ) 筆者提供
帽子を食べてしまうナヅナヅ
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。