初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『イイナヅケ出走・結果』
2016/6/6(月)
皆さんこんにちは、ライター大和屋です。先日わが愛馬イイナヅケが紆余曲折をへて初出走を果たしました。結果は僕の予想を大きく裏切って3着、1,2着の馬からは離されてしまいましたが、追い込んできた脚はなかなかのもので、次走に期待を抱ける結果だったと思います。もう少し上手にスタートを決めていればとか、勝負所でもたつかなければとか、ダートコースに入る前の芝の上での走りを見るとやはり芝のほうがいいのかなど、いろいろと考えてはしまいますが、よく頑張ってくれました。
前回の更新の時に言いましたが、調教師の言葉を類推した結果、まったく勝負にならないかもしれないと思っていただけに喜び倍増です。一時は応援に行くのをやめようかとも思ったほどでした。一口の馬もようやく初勝利をあげてくれたのも相まって、本当に見にいってよかったと思います。見に行くべきだと背中を押してくださった友人の皆さんに感謝です。
というわけで5着以内に入り優先出走権を得た今、なんとか足元も無事であってくれることを祈りつつ、無事であるならば優先出走権があるうちに出走、そして勝利してくれることを願います。
待望のデビュー戦を迎えたイイナヅケ 12番人気3着と健闘!
大和屋オーナーも出資のハーツクライ産駒・ファンタサイズは初勝利!
というわけで先日のレースの振り返りは終了です。今回は先日いってきたノーザンホースパークマラソンやセレクトセールの下見にいってきた時の様子を、何回かにわけて報告しようかと思います。報告といってもまあ毎年マラソンに参加している友人、馬主の丸山さんにくっついていっただけですし、マラソンは僕の友人らはがんばって走っていましたが僕自身はマラソンが嫌いなうえに足元に不安があったのでエントリーさえしませんでした。
ノーザンホースパークマラソンは毎年ヴィクトリアマイルの日にノーザンホースパークで行われるマラソン大会のことです。エントリーはハーフ、トレイル、ペアランと三種類。マラソン経験のある丸山さんはハーフに、僕の悪友ソウヘイ君はトレイルの参加になります。そして僕は応援です。
そもそも何故このようなマラソン大会に運動とは無縁の僕が競馬を差し置いて向かったかというと、悪友ソウヘイ君が賞金目当てで走ると表明したことから始まりました。さらにもう一人の友人森川さんも一緒になって盛り上がったのがきっかけです。
競馬ファンのみなさんがどれくらい知っているかはわかりませんが、このマラソン大会さすがノーザンホースパークで行われるだけあって賞品がキャロットの一口馬主の権利なのです。しかも会費も入会金も必要なしでプレゼントみたいな感じなのでした(維持費のみ必要だそうです)。その賞品は優勝しなくてもゲットできるチャンスがある上に、更には過去の実績を見るとかなり走った馬たちの名前がずらりと並ぶという事実に気付いたことから始まります。
大和屋オーナー提供・ノーザンホースパークマラソンの様子
一口の権利が欲しいソウヘイとマラソン大会で目立ちたいというだけのモチベーションでかなりの実績を残すまでにトレーニングを重ねたマラソンの達人森川さんが面白そうなので参加しようということになり、ならば前々から丸山さんにセレクトセールの下見に行こうと誘われていた(丸山さんがマラソンに参加し次の日に下見を行うと聞いていました)僕が、その二つを一緒にしてしまえば一石二鳥だということでついていくことになったのです。
その後、森川さんが友人の結婚式で不参加となりました。さらにはイベント前日の宿がまったくないということで当日の朝いちばんの飛行機で北海道へと移動することになった僕は眠い目をこすりながら北海道へと乗り込みました。
朝方の千歳空港に降り立った僕はいつもの空港とは異なる空気を感じます。そうです。なんというかランナーっぽい人たちがたくさんいるのです。更にはノーザンホースパークへのシャトルバスが間髪入れずに行き来しています。そのバスに乗り込んでくるのは馬好きというよりはマラソン好きの人々ばかり。バスでの移動を終えノーザンホースパークに降り立つとそこには数え切れないほどのランナーたちがいるではありませんか!
その数に圧倒されるまもなくペアランが終了しトレイルが始まります。このトレイルというのは走る距離は7キロ、なのですが、他では絶対にありえないのはノーザンファーム空港の敷地内を疾走しさらにはあの坂路を駆け上がるというコース設定なのです。競馬好きにはたまらない。そして競馬好きならば一度はウッドチップの坂路を駆け上がってみたいという夢を叶えてくれるコース設定、皆さん来年はぜひ参加を検討してみてください。僕は応援ですけどね!
そんなこんなでG1のファンファーレが流れた後にランナーのみなさんはスタートしていきました。友人らを見送った僕ははっきり言って待つだけです。なので酒を飲みつつぷらぷらと会場内の様子を見て回ります。見ればたくさんの椅子やテーブルが用意され、たくさんのスタッフの方々が万全の態勢で大会を運営しております。エントリーをしたみなさんはジンギスカンやラーメン、スープカレーなど全てが食べ放題でございます。うらやましい。
トレイルにエントリーした「悪友」ソウヘイさん
そんな感じで当日はかなり肌寒い感じでしたが、僕の周囲の友人たちは皆完走でした。ハーフマラソンを平気な顔をし駆け抜けていった丸山さんは素直にすごいと思いましたし、予定の時間より大幅に遅れてゴールしたソウヘイ君には大いに心配させられました。ほぼ未経験なのに無謀にもハーフマラソンに挑戦したOさんは10キロ過ぎで股関節をいため歩くようにゴールへとたどり着いた姿は痛々しくもありました。
ハーフマラソンを完走した丸山担オーナー
マラソンが終了した後も抽選会やチャリティーイベントやヴィクトリアマイルを中継したりとイベントは盛りだくさん。着替えもシャワーも完備されていて近くの温泉へのシャトルバスもひっきりなしに行き来しておりました。
一見、競馬とは無縁に思えたマラソンもノーザンホースパークで行われるとこんなに競馬と近いものだと感じることができました。僕にはその気持ちはわかりませんがマラソンを終えた後の一杯は最高らしいです。皆さんも来年は参加してみたらいかがでしょうか?
というわけで次回はセレクトセールの下見に行ったときのことを報告したいと思います。お楽しみに。
了
※競馬ラボからのお知らせです!先日、大和屋オーナーらとPOG会議を行いました!その内容は、近日サイト内で公開いたします!ぜひお楽しみに!プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。