平林雅芳の目

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お客様は神様です!!…。

前売りが開始されて速い時間に1番人気になったディープスカイ
時間の経過と前売りがドンドンと進むごとに、1番人気馬がめまぐるしく替わっていく。
「戦国のNHKマイルCの様相をあらわしているな」と肌寒さの中でパドックの前の電光掲示板を見ると、ディープスカイがまた1番人気に押されている。
ファリダットとそう差はないが、ゆるぎない人気を受けている。

前日、京都競馬場で四位Jと立ち話をした時に、「この凄い支持されかたは前走でアドマイヤコマンドを破った競馬が支持されているのだろう」という結論で納得していたが、終わってみれば多くのファンが支持した通りの結果だった。
四位Jがその現実と自信を持って、最大のポイントである4角を外を廻らない競馬で力を出し切れたことが、大きな勝因だったか。
それにしても、本当に多くのファン、お客の眼は肥えているのをまたまた痛感させられた競馬であった。

それでは振り返ってみたい。
まずポーンと出たのはエイムアットビップだったが、押して押してゴスホークケンが先手を取りに行った。
外枠を引いたダンツキッスイはそんなに出が速くなく、先手を取りに行くだけのダッシュがない。
2F過ぎぐらいに2番手に上がった。
前を行くゴスホークケンのペースは、3F34.6に4F通過が46.7と、この馬場だけに遅くはないが、ガンガン飛ばしているわけではない。
一番後ろがダノンゴーゴーで、その前にディープスカイ
そのちょっと前の外目にファリダット、内目にブラックシェル
サダムイダテンの姿も見えている。

そして直線入り口である。
内から4頭分ぐらいを開けて、内田博Jのゴスホークケンが4角を廻る。
ちょっと扇型になった格好であり、外目に進路を取った組が廻り切った瞬間に、外へ開いてしまった感じに見えた。
一番内へ入ったのがダノンゴーゴーの藤岡佑J。
その前の外目に後藤Jのブラックシェルが早くも追い出して行く。
やはり4角で進路を内目にとった四位Jのディープスカイが、前を凄い勢いで追いかけていき、ブラックシェルを内から抜いて前に出た。
外へ進路を取った組では、馬場の真ん中を内にもたれながらも、ドリームシグナルの伸びが目立つ。
ファリダットはさらに外目だが、見た目にジリジリとしか伸びてないように見える。
いずれにしろ前の3頭が、内目を縦一列のように等間隔に伸びているのに、外の馬の伸びが鈍く見えるゴール前であった。

かなりの降雨があったが、発表はやや重。
しかしタイムは1.34.2。
ディープスカイの使った末脚は、33.9と桁違いの数字。
いかに4角を鋭角に廻ってきて、距離のロスを避ける格好になったかが判る。
この馬場状態を見抜いた四位Jの冷静な判断と、ドンドンと力をつけているディープスカイの見事な勝利であったといえようか。
ファリダットは、本当にパドックで観ていても見事な馬体の持ち主。
ひと夏越しての大きな成長に期待したいと思う。