ドバイワールドカップデー、日本馬4頭が参戦

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30日、UAEドバイのメイダン競馬場で行なわれる2013年のドバイワールドカップデーの出走登録馬が25日発表されました。日本馬の参戦は4頭、3歳牡馬のケイアイレオーネは総賞金200万米ドルのG2UAEダービー、6歳牡馬のトレイルブレイザーと4歳牝馬の年度代表馬ジェンティルドンナは総賞金500万米ドルのG1ドバイシーマクラシック、6歳牡馬のタイセイレジェンドは総賞金200万米ドルのG1ゴールデンシャヒーンに出走します。

UAEダービーは12頭立て。ケイアイレオーネは10番枠からのスタートになります。カーニバルを戦って来た中では、UAE2000ギニー勝馬で6戦無敗のソフトフォーリングレインが距離を嫌って使って来ませんでした。本番と同じ1900mの距離で行なわれたUAE三冠の第2レッグの準重賞アルバスタキアを2馬身差で勝ったシークレットナンバーは使って来ます。

しかし、その勝ちタイムは2分01秒35と、G3UAEオークスを勝ったシュルクの1分58秒72と比べても大きな開きがあります。どちらもゴドルフィン馬ですが、55キロのシークレットナンバーよりも53キロのシュルクの方が上と考えています。ゴドルフィンはもう1頭、準重賞のマイル戦メイダンクラシックを勝ったナウスパンも加えた3頭出しです。

英リチャード・ハノン厩舎のローエンフォースメントは、初戦2着の後、エプソム競馬場でメイドンを勝ち上がってから4連勝で伊サンシーロ競馬場のG1グランクリテリウムを勝ちました。前々からの競馬が身上です。愛エイダン・オブライエン厩舎のラインズオブバトルはダンドルク競馬場のポリトラックで準重賞を勝っています。

米ダグ・オニール厩舎のヒーズハドイナフは、ダート初挑戦のBCジュヴェナイルで2着して驚かせた馬です。しかし、今季はダートで苦戦続き、3戦1勝のオールウェザー成績を信じて矛先を変えて来ました。もう1頭の米パトリック・ギャラハー厩舎のダイスフレーヴァーは、ゴールデンゲートフィールズ競馬場のタペタ馬場でG3エルカミノレアルダービーを追い込み勝ちしています。

これらのメンバーとの対戦になるケイアイレオーネですが、兵庫ジュニアグランプリだけの勲章では足りないような気がしてなりません。

ドバイシーマクラシックは11頭立てになりました。トレイルブレイザーは7番枠、ジェンティルドンナは8番枠です。まず、メンバーを見渡して、どの馬が先行するのか予想が付きません。一応、メイダン競馬場で先行したことのあるG1愛セントレジャー馬のロイヤルダイアモンドとゴドルフィンのG2コンセイユドパリ賞勝馬のプリンスビショップと見ました。

ペースは超スローになるでしょう。最初の800mは53秒から58秒の間、そうかと言って痺れを切らしてペースを上げると追い込み勢の餌食になってしまいます。ジェンティルドンナにはその辺りを十分考慮した上で動いて貰いたいものです。またトレイルブレイザーにはスローペースですから積極的に2番手で競馬するくらいの気構えが欲しいものです。

G1・2勝馬シャリタにはスローペースですから前に行ける強みがあります。レーティングトップのG1・4勝馬セントニコラスアビーは昨年の2着馬、欧州で鍛え抜かれたレース感はペースに左右されません。G1・3勝馬のドゥナデン、香港ヴァーズ5着の時は馬に疲れが見えていただけに、中110日空いたここはどこまで回復しているかに注目です。

カタールで5連勝、目下G1連勝中のヴェリーナイスネーム、フランス時代は無名の存在でしたが、前走はオリビエ・ペリエ騎手で後方からの追い込み勝ちを決めました。時計も2分26秒97と速かったので頭の隅にでも留めて置きましょう。独ダービー3着馬でG1オイロパ賞を勝ったジローラモならば、マイク・デ・コック厩舎に移籍したG2勝馬アウェイトザドーンの方に魅かれます。

総賞金1000万米ドル、1着賞金600万米ドルの世界最高賞金額を誇るG1ドバイシーマクラシックは13頭立てです。ゴドルフィンは、ディフェンディングチャンピオンのモンテロッソ、重賞3連勝でG1・2勝のハンターズライト、マイル以上の距離が初めてになる昨年のG2ゴドルフィンマイル勝馬アフリカンストーリーをロイヤルブルーの勝負服で送り出します。

ゴドルフィンは他に、昨年2着のカポーニとカーニバルを5戦3勝、2着2回の成績でまとめた上がり馬カジアーノの2頭を個人の勝負服で送り出して来ます。カーニバルの動きを見ると、ゴドルフィンの主役は完全に代わっているように思えるのは私だけでしょうか。

米国は、2011年のケンタッキーダービー馬アニマルキングダム、G1・3勝をポリトラック馬場で挙げたドゥラハン、エクリプス賞最優秀古牝馬でG1・4勝のロイヤルデルタの3頭の出走です。アニマルキングダムにとっては昨年出走出来なかった鬱憤を是非最高の舞台で発揮して貰いたいものです。

昨年3着のプラントゥールは、英マルコ・ボッティ厩舎に移籍、前走リングフィールド競馬場のポリトラック馬場を逃げ切ってここに臨んでいます。英エド・ダンロップ厩舎のレッドカドーは香港ヴァーズのG1タイトルを掲げて乗り込んで来ました。オールウェザーの戦績は7戦2勝、2着3回です。英アンドリュー・ボールディング厩舎のG3・2勝馬サイドグランスは前走のG1ラウンド3が4着でした。

仏アンドレ・ファーブル厩舎のG1・3勝馬ミアンドレは、前走シャンティイ競馬場のオールウェザー馬場で行なわれたコンディション競走が4着でした。デ・コック厩舎に移籍したG1・2勝馬トレジャービーチは、前走のG1ラウンド3で6着に終わっています。メイダン競馬場に代わった最初の年は日本のワンツー、昨年はゴドルフィンのワンツーでした。さて今年はどんなDWCになるのでしょうか。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。