平林雅芳の目

トピックス

日曜京都10R
アンタレスS(GⅢ)
ダ1800m
勝ちタイム1.47.8

勝ち馬:ウォータクティクス(牡4、栗東・池江寿厩舎)

ウォータクティクス、レコードで6連勝目を飾る!

前日の大雨で、かなり速い決着となっていた京都競馬。
土曜には3歳馬で50秒割れのタイム。
日曜も降ったり止んだりの空模様だが、走りやすい馬場コンディション。
かなりの好タイムでの決着になるとは想像出来てはいたが、まさかこれほど速いものになるとは思わなかった。
ウォータクティクスは、これでデビュー戦の芝で負けた以外は負けるところなしの、ダート戦での6連勝目を重賞初勝利、しかもレコードタイムで飾った。

内枠の馬は、ほとんど五分のスタートを切った。
ウォータクティクスもそんなに速くはなかったが、最初の1コーナーを廻るあたりでは、少しずつ後続に差をつけていくスピードの加速状態であった。
2コーナーを廻るあたりでは、後続に3馬身の差はあったのではないだろうか。
2番手グループは4、5頭が固まって形成していた。
マコトスパルピエロに、内ラチ沿いにダイショウジェット、馬の中に1番人気のワンダースピード。そしてボランタスと、先行グループもいい感じで追走していた。
後ろのグループは、メイショウトウコンアドマイヤダンクなど、脚質的に前に行きづらい馬が形成していた。
アロンダイトサトノコクオーあたりは、その馬達たちより少し前と行った並びであった。

向う正面から3角あたりで、先頭を行くウォータクティクスと後続グループの差があまりなくなり、後続グループが1馬身ぐらいでの追走する形をなった。
離し逃げから貯め逃げとペースダウンしたわけでもない感じなのに、急接近しだしていた。

そのままの差で4角まで流れて行った。
後方グループからはアロンダイトが少し上がっていったが、前の馬の勢いを上回る感じとまでは行かないようだった。
その後ろのメイショウトウコンも、同じように前の馬との差は変わらないままに直線へと向いた。
逃げるウォータクティクスは、内ラチ沿いをスルッと廻って、直線ではむしろその差が2馬身ぐらいに開いた感じだった。
2番手グループも直線に入り、並んでの追い比べとなった。
内からダイショウジェット、その外へマコトスパルビエロ、そしてその外へワンダースピードと、3頭が追うが前との差は縮まらなかった。

そのグループの後ろを走っていたボランタスが、4角で内から少し外目に出して前のグループに迫る勢いであった。
前を行く3頭では、最内のダイショウジェットが少しずつ隊列から離れ出したが、ワンダーマコトはまだ切磋琢磨していた。
その2頭の外へ、ボランタスが並んで届いたかどうかの処がゴールであった。

ウォータクティクスは、結局最初の1コーナーから他の馬に並ばれずにゴールイン。
直線1Fから、鞍上川田Jがステッキを廻して追ったが、馬も呼応してグイグイとストライドを伸ばして行った。
最後は2馬身差のゴールで、電光掲示板にはレコードの赤い印が出ていた。

ゲートを出ての最初の1Fが12.4、道中4F目が12.3。ここは後続を一番離した時に一息入れられた処なのかも知れない。
最後⑧の標識から11.7-11.8-12.0-12.5と、ゴール前が一番かかって12.5の数字であった。
千通過が59.8だが、この馬場だが暴ペースといった速いものではなかった。
平均に速い流れであったが、前々で決まっているように十分に息の入る流れでもあったはず。
ダートで全て逃げ切り。
さすがにオープンに入って離して勝つことはないが、それでも時計が物語るように完勝であった。
これからどこへ歩んで行くのか、興味津々のダート巧者であろう。


日曜東京11R
フローラS(JpnⅡ)
芝2000m
勝ちタイム2.02.2

勝ち馬:ディアジーナ(牝3、美浦・田村厩舎)

オークスへとディアジーナがマイペース路線で進む。

桜花賞をパスしてフローラSからオークスへと、まるで昨年の覇者のレッドアゲートと同じ道を歩む田村厩舎のディアジーナ
しかして結果も同じく危なげない勝利で、オークスへ打倒ブエナビスタの対抗馬としての資格を持って臨むこととなった。

若武者三浦Jの騎乗するベイビーローズが先手を主張。
2番手にも関西馬マイファーストラヴが続くが、ペースはゆったり。
前半の千メートルを1.00.6と、かなり遅い流れを演出。
それでいて、3角過ぎから直線入り口までは、少し後続を離しての一人旅だった。
しかし後続グループもゆっくりと付いていけていた。
後方で、スタートが今ひとつで位置取りが後ろになってしまったミクロコスモスだけが、3角手前と過ぎてからの二度ほど、前の馬との間隔がなくなり、鞍上が手綱を引っ張るほどの動きを見せた。
遅い流れで馬自身が掛ってしまったようだ。
注目のディアジーナはと観ると、好位の外目ながらまったくの馬なりでの追走。
余裕を持っての競馬っぷりに見えた。

実際に直線に向いてもディアジーナの手応えは十分で、後2F過ぎぐらいで横一線になった時も、まだ追い出しが目一杯でないぐらいの余裕ぶり。
後1Fあたりからは、シュンと脚を伸ばしての楽勝劇であった。
着差以上の完勝だった。
距離の延びるオークスでは、まだまだ力が発揮出来るだろうと思えるパフォーマンスだった。
2着争いは熾烈で、外からディアジーナを見る形で前々の競馬をしたハシッテホシーノと、そのすぐ後ろに位置していたワイドサファイアとの並んでの追い比べが、ゴールまでビッシリと続いた。
わずかに外のワイドサファイアがハナ差先着。
でもハシッテホシーノも3着惜敗で、オークスへの出走権を確保した。
4着にはアイアムネオが前へ行って粘った。
それを追いかける様に、最後方を進んでいたエオリアンハープがメンバー中最速の上がりを駆使して5着となった。

ミクロコスモスはスタートは五分だったが、直後に狭くなった様子で位置どりが思っていた以上に悪くなった。
内々をロスなく追走していくのが当然で、スローな流れで前の集団がビッシリと密集。
3角あたりで二度ほど前の馬に乗っかりそうになるほどだった。
鞍上が手綱を引いて、馬首が上へとなるぐらいのロスがあった。
我慢して我慢して、直線で大外へ出しての伸びが一瞬だけあったかと思ったが、そこから外へ逃避するような仕草を見せていたように見えた。
こんなミクロコスモスは見た事がなく、今回の残念な結果となってしまった。
デビュー戦からキャリアを積んで行って成長していくのが普通だが、むしろデビュー戦が一番だったとは正直ガッカリであった。
これから少女から大人のオンナへとの成長が待たれる日々となりそうだ・・・。