チェリーソウマ、海を渡る

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「パドックに出たときに笑われましたからね(笑)。
馬を引いている時に『怖い』とか言う声も聞こえたし、お客さんの笑い声も聞こえましたよ」
と、美浦・嶋田功厩舎石井調教厩務員が振り返るチェリーソウマ(牡2、美浦・嶋田功厩舎)のデビュー戦パドック。

しかしレースでは2着に3馬身半差をつける圧勝。
石井調教厩務員は
「調教の時計が速かったから期待はしていたけど、まさか勝てるとは思わなかった。
4コーナーから先頭になって『まさかまさか』と思っているうちにゴール。ゴールの瞬間は『あれ?勝っちゃった』という感じでした」
と、あれほどの圧勝劇は意外といった様子。

「兄弟がうるさいタイプだったので、血統的にレースを使った後には気性のうるささが出てくるかと思っていましたけど、
想像していたより落ち着いています。この世界に入って10年くらい経ちますけど、
僕の担当馬が新馬勝ちしたのは初めてなんです。嶋田功厩舎自体も新馬勝ちは久しぶりじゃないですかね」
と、石井厩務員が語るように、チェリーソウマが厩舎に活気をもたらしている。

取材の最中も、
「目の青い部分が少なくなってきていないか?このまま黒目の部分が増えちゃダメだべ」(持舘助手)や
「わざと意地悪して『ニンジンはあげないぞ』って言うと、『ニンジン』ていう単語に反応して、
ブホホホホって言っておねだりしてくるんだよ。言葉が分かっているんだろうね」(五十嵐助手)など、
厩舎スタッフがチェリーソウマに声を掛け、和やかなムードが広がる。

気になる次走予定に関しては
「来週のどこかで函館に行って、ラベンダー賞(7/25・札幌芝1200m)に向かう予定のようです」と石井調教厩務員。
福島で強烈なインパクトを残した個性派が、海を渡り札幌の地を沸かせる。

チェリーソウマと石井調教厩務員

引き運動中のチェリーソウマ