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研究員ヤマノの重賞回顧
2007/5/8(火)
5/5日(土)、新潟競馬場で行われた新潟大賞典(4歳上、G3・芝2000m)は、中団で流れに乗った木幡初広騎手騎乗の4番人気ブライトトゥモロー(牡5、栗東・石坂正厩舎)が、最後の直線での叩き合いを制し、馬場中央から堂々と差し切り初重賞制覇を成し遂げた。
大方の予想どおりに、レースはヨイチサウスが先導する展開となった。
最終コーナーを周ったところで、新潟の広いコースの内外に馬群は大きく拡がった。
ヨイチサウスを交わし、インを掬って逃げ込みを図ったのは1番人気サイレントプライド。最後まで粘りこむかと思われたところに馬場中央から飛んできたのは、ブライトトゥモローと11番人気ヴィータローザ。
ゴール前はハンデ戦らしい激戦となったが、ブライトトゥモローの末脚が勝り悲願の重賞をものにした。
2着にはサイレントプライドが、3着にはヴィータローザがそれぞれ入線した。
勝ったブライトトゥモローのここまでの道のりは決して楽なものではなかった。
中京2歳S(OP・芝1800m)をレコード勝ちした時点では将来を嘱望されたが、その後骨折にみまわれクラシック断念を余儀なくされた。
その後入念に乗り込まれ再起を果たした同馬だが、復帰後から今回の重賞奪取までには実に12戦を要したわけである。
かなり遠回りをした苦難の道のりだったかもしれないが、逆境を跳ね返して身につけた底力は生半可ではないはずだ。
獅子奮迅の活躍で、今後重賞戦線を大いに賑わして欲しいと思う。
同5/5日(土)、京都競馬場で行われた京都新聞杯(3歳、G2・芝2200m)は、中団からレースを進めていた岩田康誠騎手騎乗の2番人気タスカータソルテ(牡3、栗東・藤原英昭厩舎)が、最後の直線で大外からジリジリ伸びて待望の重賞勝ちをものにした。
レースは先頭争いを制したアグネスマクシマムが引っぱる縦長の展開となった。先頭から最後方まで2コーナー過ぎあたりでは20馬身ほどあっただろうか。
しかし最終コーナー付近では馬群がグッと詰まり、まず抜け出しを図ったのは1番人気のフェザーケープ。
それを目標に脚を溜めていた後続馬が一気に襲い掛かった。
直線では完全に差し比べの状態となり、大外に持ち出したタスカータソルテの手応えが最も良く、最後までジリジリ伸びて真っ先にゴールを駆け抜けた。
2着にはインに切れ込んだ8番人気のローズプレステージが、3着には9番人気のサンライズベガがそれぞれ入線した。
武豊騎手騎乗の1番人気フェザーケープは、粘りこめず5着に敗退した。
タスカータソルテはデビュー戦こそ若さを見せて10着に敗退していたが、続く2戦目ではレコード勝ち、3走目の福寿草特別(500万下、京都・芝2000m)でも4馬身差で圧勝し、早くから衆目を集めていた。
しかし、ここ2戦は弥生賞(G2)7着、毎日杯(G3)8着と重賞の壁に突き当たり、苦しんでいた。
このレースでは何としてでも上位に入線して、ダービーに向けて賞金を加算したいところだった。
これで念願は叶い、晴れてダービーへと駒を進めることになろう。
本番では強敵が待ち受けているが、ここ一番で勝負強さを発揮したタスカータソルテは、人気馬にとっても決して侮れない存在となるに違いない。
5/6日(日)、降りしきる雨の中、東京競馬場で行われたNHKマイルC(3歳牡牝、G1・芝1600m)は、後方からレースを進めていた内田博幸騎手騎乗の17番人気ピンクカメオ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)が、最後の直線で大外豪脚を繰り出し、ゴール前で1番人気ローレルゲレイロを交わして見事栄冠に輝いた。
3着にはやはり後方から伸びてきた最低人気のムラマサノヨートーが入線し、3連単は9,739,870円の超大波乱の結末となった。
レースはマイネルレーニアがハナを切るも、休み明けのオースミダイドウも譲らず、序盤から激しい先頭争いが繰り広げられた。
最終コーナーで馬場外目から満を持して伸びてきたのは、これまで重賞で4度2着の実績を持つローレルゲレイロだったが、レースはそれでは決まらなかった。長い府中の直線で、最後の最後に大外から飛んできたのは牝馬ピンクカメオだった。
毎年荒れるG1のNHKマイルカップだが、これには場内がどよめくのも無理もない。
しかし1番人気が単勝で5.5倍というオッズからも、大混戦は予想されていた。
混戦に拍車をかけたのは勿論、悪天候であったことは間違いないだろうが、波乱の要因は果たしてそれだけだっただろうか?
冷静に振り返れば、上位人気の馬にはそれぞれ不安点があったことがわかる。
まず、2番人気オースミダイドウは骨折による5ヵ月の骨折明け、3番人気アサクサキングスは持ち時計がいかにも遅すぎる。戦前の予想走破タイムは1分33秒後半としているメディアが多いのに対して、アサクサキングスの持ち時計は1.38.6。つまり5秒ほど遅いのである。これはデビュー当時の記録であるから勿論短縮は見込めるが、一気に5秒短縮できるほどの上がり目が同馬にあっただろうか?4番人気ダイレクトキャッチにしても持ち時計は1.37.4。おまけに同馬は休み明けだ。
こうして考えていくと荒れる要素は元から十二分にあったと考えられる。
ピンクカメオは阪神コースは苦手としており、前走の桜花賞惨敗で人気を落としていたが、持ち時計は1.34.1。しかも差し馬有利の東京マイルはこの馬には打ってつけ。そして過去に桜花賞からの直行馬がいい結果を出していたレース傾向からも、今回激走する可能性は考えられたわけだ。 さすがに最低人気のムラマサノヨートーの激走までは想定外ではあったが…。
人気やネームに迷わされない、冷静な思考が大切だと痛感させたれた一戦となった。
大方の予想どおりに、レースはヨイチサウスが先導する展開となった。
最終コーナーを周ったところで、新潟の広いコースの内外に馬群は大きく拡がった。
ヨイチサウスを交わし、インを掬って逃げ込みを図ったのは1番人気サイレントプライド。最後まで粘りこむかと思われたところに馬場中央から飛んできたのは、ブライトトゥモローと11番人気ヴィータローザ。
ゴール前はハンデ戦らしい激戦となったが、ブライトトゥモローの末脚が勝り悲願の重賞をものにした。
2着にはサイレントプライドが、3着にはヴィータローザがそれぞれ入線した。
勝ったブライトトゥモローのここまでの道のりは決して楽なものではなかった。
中京2歳S(OP・芝1800m)をレコード勝ちした時点では将来を嘱望されたが、その後骨折にみまわれクラシック断念を余儀なくされた。
その後入念に乗り込まれ再起を果たした同馬だが、復帰後から今回の重賞奪取までには実に12戦を要したわけである。
かなり遠回りをした苦難の道のりだったかもしれないが、逆境を跳ね返して身につけた底力は生半可ではないはずだ。
獅子奮迅の活躍で、今後重賞戦線を大いに賑わして欲しいと思う。
同5/5日(土)、京都競馬場で行われた京都新聞杯(3歳、G2・芝2200m)は、中団からレースを進めていた岩田康誠騎手騎乗の2番人気タスカータソルテ(牡3、栗東・藤原英昭厩舎)が、最後の直線で大外からジリジリ伸びて待望の重賞勝ちをものにした。
レースは先頭争いを制したアグネスマクシマムが引っぱる縦長の展開となった。先頭から最後方まで2コーナー過ぎあたりでは20馬身ほどあっただろうか。
しかし最終コーナー付近では馬群がグッと詰まり、まず抜け出しを図ったのは1番人気のフェザーケープ。
それを目標に脚を溜めていた後続馬が一気に襲い掛かった。
直線では完全に差し比べの状態となり、大外に持ち出したタスカータソルテの手応えが最も良く、最後までジリジリ伸びて真っ先にゴールを駆け抜けた。
2着にはインに切れ込んだ8番人気のローズプレステージが、3着には9番人気のサンライズベガがそれぞれ入線した。
武豊騎手騎乗の1番人気フェザーケープは、粘りこめず5着に敗退した。
タスカータソルテはデビュー戦こそ若さを見せて10着に敗退していたが、続く2戦目ではレコード勝ち、3走目の福寿草特別(500万下、京都・芝2000m)でも4馬身差で圧勝し、早くから衆目を集めていた。
しかし、ここ2戦は弥生賞(G2)7着、毎日杯(G3)8着と重賞の壁に突き当たり、苦しんでいた。
このレースでは何としてでも上位に入線して、ダービーに向けて賞金を加算したいところだった。
これで念願は叶い、晴れてダービーへと駒を進めることになろう。
本番では強敵が待ち受けているが、ここ一番で勝負強さを発揮したタスカータソルテは、人気馬にとっても決して侮れない存在となるに違いない。
5/6日(日)、降りしきる雨の中、東京競馬場で行われたNHKマイルC(3歳牡牝、G1・芝1600m)は、後方からレースを進めていた内田博幸騎手騎乗の17番人気ピンクカメオ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)が、最後の直線で大外豪脚を繰り出し、ゴール前で1番人気ローレルゲレイロを交わして見事栄冠に輝いた。
3着にはやはり後方から伸びてきた最低人気のムラマサノヨートーが入線し、3連単は9,739,870円の超大波乱の結末となった。
レースはマイネルレーニアがハナを切るも、休み明けのオースミダイドウも譲らず、序盤から激しい先頭争いが繰り広げられた。
最終コーナーで馬場外目から満を持して伸びてきたのは、これまで重賞で4度2着の実績を持つローレルゲレイロだったが、レースはそれでは決まらなかった。長い府中の直線で、最後の最後に大外から飛んできたのは牝馬ピンクカメオだった。
毎年荒れるG1のNHKマイルカップだが、これには場内がどよめくのも無理もない。
しかし1番人気が単勝で5.5倍というオッズからも、大混戦は予想されていた。
混戦に拍車をかけたのは勿論、悪天候であったことは間違いないだろうが、波乱の要因は果たしてそれだけだっただろうか?
冷静に振り返れば、上位人気の馬にはそれぞれ不安点があったことがわかる。
まず、2番人気オースミダイドウは骨折による5ヵ月の骨折明け、3番人気アサクサキングスは持ち時計がいかにも遅すぎる。戦前の予想走破タイムは1分33秒後半としているメディアが多いのに対して、アサクサキングスの持ち時計は1.38.6。つまり5秒ほど遅いのである。これはデビュー当時の記録であるから勿論短縮は見込めるが、一気に5秒短縮できるほどの上がり目が同馬にあっただろうか?4番人気ダイレクトキャッチにしても持ち時計は1.37.4。おまけに同馬は休み明けだ。
こうして考えていくと荒れる要素は元から十二分にあったと考えられる。
ピンクカメオは阪神コースは苦手としており、前走の桜花賞惨敗で人気を落としていたが、持ち時計は1.34.1。しかも差し馬有利の東京マイルはこの馬には打ってつけ。そして過去に桜花賞からの直行馬がいい結果を出していたレース傾向からも、今回激走する可能性は考えられたわけだ。 さすがに最低人気のムラマサノヨートーの激走までは想定外ではあったが…。
人気やネームに迷わされない、冷静な思考が大切だと痛感させたれた一戦となった。
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