ステファノス古馬撃破で重賞初VもマイルCS参戦は否定的

●10月25日(土) 4回東京6日目11R 第17回 富士ステークス(GⅢ)(芝1600m)

セントライト記念で4着から一転。菊花賞を回避し、6戦ぶりにマイルへ矛先を向けた3歳馬ステファノス(牡3、栗東・藤原英厩舎)が、実をとるべく挑んだ一戦をモノにした。
前半3Fは35秒6のゆったりとした流れ。1番人気のダノンシャークらが好位をキープする中、動じることなく、すかさず中団に待機。4角通過は10番手だったが、徐々にスパートを掛けると、エンジンが点火。上がり32秒9の末脚で先行勢を外から一気に飲み込み、ゴール前でシャイニープリンスをとらえた。

一週前に追い切りに騎乗し、その感触を確かめていたたテン乗りの戸崎圭太騎手は「追い切りも良い感触でしたが、レースではもっと良い動きをしてくれました。スタートも良く、すぐに好位につけられましたし、手応えは終始良かったですね。乗りやすさもあるし、良い脚を持っていますよ」と納得の表情。栗東遠征の本来の目的は、次週の天皇賞を予定しているジェンティルドンナの追い切りに騎乗するためのものだったが、そこはリーディングジョッキー。経験をフイにすることになく、しっかりと結果へつなげた。

また、古馬を退け、一躍、その動向に注目が高まったステファノス自身は、これでマイルCSへの権利を獲得。しかし、藤原英昭調教師は「騎手も馬も満点のレースでしたね。久しぶりのマイルですから、それに対応できるような造りにはしてきました。しかし、ゆったり構えられる東京だから、このレースを選択したことですし、他の競馬場だったら使っていないでしょう。中距離で走れる可能性もある馬でしょうし、ココとは決めずに今後は考えたいです」と分析。権利を行使してのG1参戦は否定した。

祖母には南部杯勝ちのゴールドティアラがおり、春には皐月賞で5着にも入ったように、額面からはあらゆる素質を感じさせる。「さらに上でも期待出来ると思います」と鞍上は賛辞を送ったが、タイトル奪取で今後の可能性が膨らむばかり。類まれなるポテンシャルは開花の時を迎えている。

ステファノス

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