向こう正面から動いたタイセイアプローズが勝利!!

タイセイアプローズ

14年10月26日(日)4回京都7日目5R サラ2才新馬(芝2000m)

タイセイアプローズ
(牡2、栗東・宮本厩舎)
父:ハーツクライ
母:スターフェスタ
母父:エリシオ

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いつからか《伝説の新馬戦》と言われる出世レースである。厩舎期待の馬が、ここを意識してのデビュー戦となっている。セレクトセールで高額で購買された馬が出てきて人気を集めた。
しかし勝ったのは、2角では最後方に近い位置から向こう正面で進撃を開始して3角では先行集団の後ろに取り付いたタイセイアプローズ。直線半ばから先頭に立って、逃げ切りをしてみせた。
1番人気のオールマンリバーは、いい脚を使ったが、逃げたウインガニオンをハナ差捕えるのがやっとだった…。


返し馬を観ていてもどの馬も良く見えるし、そう悪い立ち居振る舞いの馬は、少ない。
稽古だけなら、オールマンリバーで仕方ないと思える動きであり、タイムである。あとは実戦でちゃんとそれを出し切れるかであろう。
逆にディープインパクトの子供だけに人気になるトーセンゲイルだが、稽古の動きがパッとしない。最終追い切りが芝でのものだっただけに、実戦でプラスとする考えが出来ない。でも正直ここまで走らないとは思えなかった。いわゆるまだまだ子供過ぎたのだろうの結論であった。

ヒルノデンハーグが行く気で出て行ったが、最内枠のウインガニオンが好枠を生かして先手を取っていく。それでも行く気のヒルノデンハーグ。この馬も返し馬の雰囲気も良かった馬だ。前2頭が後続を離して逃げていく。人気のオールマンリバーを、必ず視野の中に入れてレースを観ていた。少し位置が悪くて大丈夫なのか?と思える道中であった。そんな人気馬を後目に、タイセイアプローズが新馬戦としてはあんまり見られない外マクリで、向こう正面を一気に上がっていく。

3角から4角の間では、あまり先を急がないでひと息入れていたのだろうのタイセイアプローズ。それでも4角手前ではまだ前の2頭からは7、8馬身もあったはず。4角を廻る時も、ステッキを入れながらカーブを廻ってきた。追いっぱなしでの直線。
ラスト1Fを切り、やっと捕まえたのがラスト100m。それでも右ステッキを入れっぱなし。内ラチを逃げ粘るウインガニオン。直線入り口ではまだ7、8番手だったオールマンリバー。外へと出してやっと前にと進む。
最後の1Fはかなりの脚を使っただろうオールマンリバー。しかしゴールに入った時は、ラチ沿いで粘るウインガニオンを交したかどうかであった。

2番人気の支持を受けたトーセンゲイルは、4角を廻る時にはもう前の馬を追いかける脚も気力も出ていなかった。
もう1頭のディープインパクト産駒のレレオーネ。スタートも悪かったし、後方から少しだけ脚を使ったぐらいで9着のデビューだった。
今年に限って言えばどうだろう。これと言った大物がいた感じがしないこのレースである。これはと思える感じの馬は観ていない。

まだ1戦だけで将来を語るのは危険であろうし、使っていって変わる馬もたくさんいる。そこら辺に期待して、今後を見届けたいものである。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。