【天皇賞(秋)】春は連敗もデニム「今回の方が間違いなく良い」

29日、天皇賞・秋(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。宝塚記念5着以来となるデニムアンドルビー(牝4、栗東・角居厩舎)は浜中俊騎手が騎乗してCWコースでエアハリファと併せ馬。前半ゆったりとした入りから5F72.0-55.1-39.0-11.7秒を馬なりでマーク。順調な仕上がりを見せている。

先週ビッシリを追われていることもあって、今週は馬まかせで終い気合を付ける程度だったが、直線では鋭い伸びを見せて好調をアピール。鞍上も「“最後の反応を見てほしい”との指示でした。先週は反応が重かったですが、今週は良かったですよ。春は体が萎んで宝塚記念でもギリギリ。今回の方が間違いなく良い」と相当な感触を掴んでいる。

東京コースでは今回と同じ2000mのフローラSで、3コーナーから一気に進出して他馬を一飲み。ジャパンカップではジェンティルドンナにハナ差の2着と非常に高いパフォーマンスを見せている。デキひと息だった宝塚記念より数段いい仕上がりを見せているとなれば、当然期待は膨らむばかりだ。



デニムアンドルビー(牝4、栗東・角居厩舎)を管理する角居勝彦調教師の一問一答は以下の通り。

●休養後は調整も順調に

-:引き続きデニムアンドルビーについて、お話を伺ってまいります。春の年明け初戦はドバイへ遠征。その後、ヴィクトリアマイル、それから宝塚と、3戦されましたが、こちらを振り返っていただけますでしょうか?

角居勝彦調教師:年明けから強いメンバーとの競馬をやっていきたかったですね。普段、厩舎の中にいること自体は、精神的に安定しているというか、おとなしい子で、調整自体はしやすい子なのですが、少し飼い食いが細いということで、胃潰瘍予防の薬をあげながら調整していたのです。それでも、牧場に返して(放牧へ出して)、胃の検査をしたら、やっぱり潰瘍が大きく出てたということで、その状態で競馬をしていたことが、わかりました。本当に大人しくて、表に苦しさを出さない我慢強い子ではあるのですが、それでもしっかりと競馬をしてくれたので、結果が出ないのはなぜなのかな、と思いつつ、作っていった感じでした。

-:それが休養を取ることで、だいぶ馬の状態も良くなってきたという感じですか。

角:そうですね。ずいぶん馬も膨らんで、牧場では500キロ近いところまで体が膨らみましたので、本当に、体の内面的なところはずいぶん良くなってきています。あとは馬を仕上げていく状態で、どこの体重が影響して、この体重なのか、幾らか読めていないところが少しあります。

-:そして、調教に話を移しますと、先週、今週と、浜中騎手騎乗で調教をされました。まずは先週の方から、指示、手応え、感触を教えて下さい。

角:ずっとコンスタントに3頭合わせでやっていますが、実戦から夏を超えて、間が空いていましたので、ジョッキーが乗って、感覚を確かめてもらいました。秋初戦で、あと二戦、三戦はあると思うので、その分お釣り残しながら、という感じではないですが、ゆっくり手応えを、飼葉の具合を確かめながらの調整でした。「先週よりも今週の方が更に動き良くなってます」と話していたので、順調に調整は出来ているかとは思います。

●脚質も瞬発力も東京向き

-:去年のジャパンカップがジェンティルドンナに鼻差2着という、素晴らしい脚を見せてました。去年の秋の状態が、今までの中ではベストという見方ですか。

角:あの時もエリザベス女王杯から短い間隔での競馬でしたので、こんな使い方をしていいのかな、と思いながらでした(笑)。それがうまくハマった競馬ではあったと思いますが、実力はやっぱりあるんだろうな、という印象です。

-:その秋の絶好時に、雰囲気としては近づいてきたという、そんな印象ですか。

角:どうですかね。ちょっとボリュームも上がってるんで、あの時のようなこうキリキリしてる感じとは、ちょっと違う意味ではありますが、成長分もあると思うのでね。あそこと比較はしていないし、出来ないと思うんですけど。

-:舞台は東京の2000mという広いコースになります。この辺りはいかがですか。

角:東京向きの脚質だとは思ってますし、本当に軽い瞬発力のある走りをしてくれるので、東京はあってるとは思います。

-:昨年の秋は、本当に惜しい、G1まであと一歩、というところまで進みました。この天皇賞でまた快走を期待してるファンが沢山います。メッセージをお願いします。

角:本当に可愛い可愛い女の子なのですが、あの実力を備えてはいるのに、もう一つ花を咲かせてあげられていないので、なんとかこの秋、みんなに喜んでもらえるような競馬をしたいと思っています。