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【エ女王杯】ショウナンパンドラ 高野友和調教師一問一答
2014/11/12(水)
11月16日(日)に行われるエリザベス女王杯(G1)の最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。追い切り後、ショウナンパンドラ(牝3、栗東・高野厩舎)を管理する高野友和調教師の一問一答は以下の通り。
●秋華賞以降、「むしろ状態は上がった」
-:ショウナンパンドラ号に関しまして、高野調教師にお話を伺います。ちょっと時間が経ちましたが、G1の味というのはいかがですか?
高:この世界で仕事をしていまして、G1ホースという存在は凄いことなのだな、とは本当に実感しましたから、自分の厩舎からそういう馬を出すことが出来て、今後、G1ホースとしての価値を高めることだとか、繁殖としての価値とかも考えれば、戦績に傷を付ける訳にはいかないという責任というものを、ズシッと感じながら管理させて頂いております。
-:表彰式の時にオーナーは喜んでいたんですけれども、高野さんは凄く冷静だな、という感じがしましたが。
高:僕も内心はすごく喜んでいるんですけれど、本当に自分が勝ったという感触というよりは、結果を出すのが責任である仕事をしているので、そういう意味ではこんな血統の馬を預けて頂いて、一つの責任を果たすことが出来たのかなという、どちらかと言えば、ホッとした感触でしたね。
-:今度はGⅠホースという肩書きを持ってのエリザベス女王杯ということになりますが、前走後というのはどのような調整をこなしてきましたか?
高:やっぱりGⅠを勝つほどの走りをしてきましたので、いつもの、これまでのパンドラのレース直後よりは走ってきたなという感触で馬が過ごしていましたので、慎重に次に走るかどうかも含めて、判断しようと思っていました。本当の疲れがどの程度残っているのかというのを慎重に見極めようと思っていましたけれども、いつもよりは乗り出すまでゆっくりしたのですが、乗り出してゆっくりゆっくり一歩ずつ進めていったら、馬が大丈夫だと応えてくれていたので、競馬に向けていけるなという感触でしたね。
1本目(写真上)は75秒8、本追い切りの2本目は53秒1で坂路を駆け上がったショウナンパンドラ
-:そして、追い切りを積んで、今日はこれはいつものメニューなのでしょうか?坂路を2本上がりました。2本目で強めということですが。
高:そうですね。先週の段階で使うなら先週きっちりやれたらいいな、という感じだったのですが、馬が大丈夫と言っていてくれていたので、先週はけっこう調教の動く馬と併せて、負荷をかけました。そこで負荷をかける作業というのは完了したと思いましたので、今日は本当に調整程度でいいかなと思ったんですけども、乗り手に時計云々というよりリズム良く一歩ずつ、しっかりハミ感じながらリズム良くいきなさいという指示を出したんです。僕が思っていたよりは多少速くなりましたが、本当に無理もしていないし、リズム良く来られたので、良い動きだったと思います。
-:となると、十分納得できる追い切りで今回臨むことが出来ると。
高:本当に現状維持でいいかなと思っていたのですが、むしろ、状態は上がったな、という実感はありますので、本当に自信を持って競馬に臨める態勢は整ったかなと思います。
-:秋華賞よりも上の出来と。
高:僕は今日、思いました。以前に松田国英先生のところで、働かせて頂いたのですが、先生のところで管理されていた凄い馬たちは、やっぱり使うごとにどんどん吸収して強くなっていったのです。この馬にも同様な事は感じるので、より良い状況になっている感触はありますね。
●馬が餌を求め、それを吸収出来る態勢
-:さて、今度は同世代ではなく、古馬との挑戦ということにもなります。力関係、どのように計るか難しいとは思いますが。
高:古馬は色々な修羅場を潜り抜けて、ここに辿り着いているので、もう様々な経験をしていますし、やっぱり強いと思いますしね。その経験豊富な皆様にぶつかっていければ、と思いますけども、斤量の関係もありますし、調子はおかげさまで絶好になったので、良い勝負は出来るんじゃないかと思います。
-:前走、秋華賞では抜群の切れ味を見せてくれました。今度は直線も長くなりますし、坂越えもあります。その辺りはどのようにご覧になっていますか。
高:この馬は基本的な能力が高いというか、坂だったり、直線の長さだったり、外回りだったり、仮にこれが小回りであっても、不問だと思います。馬場が渋ってもね。スタートだけは課題だったんですけれども、それを出ることによって、馬群の中でも我慢できますし、ジョッキーの意のままに動ける馬だと思うので、与えられた条件でどこでもきっちり走り切れると思います。あとは他の相手との力関係かなという段階にあるかなと思います。
-:デビュー直後から当然注目もされました。血統の面もそうですし。やっぱり開花したのは夏以降、いわゆる本格化が近づいてきたのかなと思うのですが。
高:見た目で何が変わったかというと、やっぱり食に対する意欲ですよね。春の段階ではまだそこまでの、今に比べるとそこまでの意欲を見せていなかったんですけど、今は食に関してはとにかく食べますので、そうすると、食べてトレーニングをしっかりしてというのがスポーツ選手の基本ですから、それが出来るので食に関しては助かっています。
-:具体的に教えて頂きたいのですが、食というのは量が増えたのですか?
高:いや、与えている 量は変わらないんですけど、馬が食べたいという要求が凄いですよね。今までは時間をかけてゆっくり食べていたんですけども、今は鳴いて待つぐらいですし、与えてしばらくして待つとほとんど(餌が)ないぐらいですしね。とにかく身体が餌を求めているので、それを吸収出来る態勢にあるのかなと思いますけどね。
-:じゃあ本当に成長段階、一番良い時期を迎えていると。
高:そうですね。本当に順調に行くのが難しい世界なのですが、順調に且つ、そういう意味でも状態は上がっていますし、本当におかげさまで良い感じに来れているなという感触ですね。
-:それでは、ファンの皆様に最後一言お願いします。
高:今日の追い切りまでは順調に来られました。後は僕らの仕事としてはゲートでジョッキーに渡すまでしっかり管理することなんですけども、そこさえクリアできれば、またファンの皆様の期待に応えられる態勢にあるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
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