米年度代表馬はカリフォルニアクローム[和田栄司コラム]

17日、米フロリダ州マイアミ、ハランデールビーチにあるガルフストリームパーク競馬場のディナー会場で第44回エクリプス賞の授賞式が行なわれ、ファイナリスト3頭(カリフォルニアクローム、バイヤン、メインシークエンス)の争いは、カリフォルニアクロームが過半数以上となる143票を獲得、2000年のティズナウ以来となるカリフォルニア産馬の年度代表馬に決った。

カリフォルニアクロームは最優秀3歳牡馬にも選ばれた。こちらは193票を獲得、サンタアニタダービー、ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、二冠を含む春の活躍とシーズン終了間際のハリウッドダービー、G1・4勝の成績が他を抑えて堂々の受賞となった。既に2015年の最初のレースを2月7日のG2サンアントニオSに置いているカリフォルニアクローム、古馬になった姿を早く見たいものである。

年度代表馬(カリフォルニアクローム)
最優秀2歳牡馬(アメリカンファラオ)
最優秀2歳牝馬(テイクチャージブランディ)
最優秀3歳牡馬(カリフォルニアクローム)
最優秀3歳牝馬(アンタバブル)
最優秀古馬(メインシークエンス)
最優秀古牝馬(クローズハッチェス)
最優秀スプリンター牡馬(ワークオールウィーク)
最優秀スプリンター牝馬(ジュディザビューティー)
最優秀ターフ牡馬(メインシークエンス)
最優秀ターフ牝馬(デイアットザスパ)
最優秀障害馬(ディモンストラティヴ)
最優秀騎手(ハヴィエル・カステリャーノ)
最優秀見習騎手(ドレイデン・ヴァン・ダイク)
最優秀調教師(トッド・プレッチャー)
最優秀馬主(ケネス&サラ・ラムジー夫妻)
最優秀生産者(ケネス&サラ・ラムジー夫妻)

2歳牡馬はアメリカンファラオとテキサスレッドの激しい戦いになった。アメリカンファラオは3戦2勝の成績で勝ったのがG1の2勝、しかしブリーダーズカップを前に故障した。幸い経過も良く3日からジョギングを始め、3月のG2サンフェリペSを目標にダービー路線に戻って来る予定である。BCジュヴェナイルフィリーズなどG1・2勝のテイクチャージブランディは今月31日のマーサワシントンSで今季のスタートを切る。

265の満票を得たG1・4勝のアンタバブルは、12月にフェアグラウンズ競馬場に戻り今季のスタートに備えている。G1を4連勝したメインシークエンスも既に今シーズンのスタートに向けて準備に入った。対照的にクローズハッチェスはBCの後引退を表明、またデイアットザスパはBCフィリー&メアターフを勝った二日後、キーンランド競馬場で行なわれた繁殖牝馬セールで売却され引退することが決まっている。

騎手ではハヴィエル・カステリャーノ騎手(37才)が、ステークス54勝を含む315勝を挙げて2年連続の受賞、見習騎手はドレイデン・ヴァン・ダイク騎手(20才)が192勝を挙げて他を寄せ付けなかった。また調教師部門ではトッド・プレッチャー調教師(47才)が夏にステークス1000勝をマーク、パレスマリスなどの活躍でG1・9勝を挙げ、2年連続、通算7回目の受賞となった。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。