【1回東京】スプリングアース…小平奈由木の注目新馬レポート

スプリングアース
(牡3、美浦・堀厩舎)
父:キンシャサノキセキ
母:スプリングドリュー
母父:ミシル

フジキセキの後継であり、高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキの産駒。豊富な速力を見込まれ、初年度から多数の繁殖を集めた。南半球産にもかかわらず、2歳12月に新馬を勝ち、続くオープン(ジュニアC)も連勝した一方、8歳の引退レースで過去最高の強さを示した。仕上りが早いうえ、奥深さも見込める。折り合いの難しさからスプリントで才能が花開いたものの、NHKマイルCを3着するなど、1600mまでは守備範囲だった。

母スプリングドリュー(その父ミシル、7勝)も堀宣行厩舎で走り、タフに48戦を消化。一気の末脚を武器に、7歳にして福島牝馬Sに優勝した。グローバルダイナ(宝塚記念3着、エリザベス女王杯3着)などを送り出しているファミリーである。

KSトレセン内のリバティホースナヴィゲイトにてしっかり基礎固めされ、11月14日、美浦に入厩。翌週にはゲート試験をパスし、いったん放牧を挟んで心身を整え直す。12月26日の帰厩後は順調にペースが上げられてきた。先週のウッドコースではフランシス・ベリー騎手が騎乗し、6ハロンより時計をマーク。バクシンテイオー(古馬オープン)、ドゥラメンテ(3歳500万下)と併せて遅れたものの、最後までパワフルに動けた。仕上がりは良好。確かな素質も伝わってくる。

1月31日(土)、東京の芝1800mに向かう。実戦でもベリー騎手が手綱を取る。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。