“連覇”成し遂げたサクラゴスペル 戸崎が導いた復活劇

●3月7日(土) 2回中山3日目11R 第10回オーシャンS(G3)(芝1200m)

サクラゴスペル(牡7、美浦・尾関厩舎)が味わう2年振りの勝利の美酒は格別だった。逃げるハクサンムーンをゴール前で図ったかのような差し切り勝ち。これまでの白星とは違った後方待機で掴んだ重賞制覇。競走馬としては晩年を迎えているが、ここにきて新たな一面を見せた一戦となった。

戦前の評価は決して高くなかった。前走のラピスラズリSで2着に入っていたが、連対したのは2013年8月以来と調子を崩していた。それでも尾関知人調教師はレース前「一昨年このレースを勝って、昨年は参戦していません。なので今回もディフェンディングチャンピオンのつもりでいます」と“連覇”への意欲を見せていた。そのカギとなるのは戸崎圭太騎手。「信頼してお任せします」と昨年のリーディングジョッキーに全てを託した。

ゲートが開き、鞍上が選択したのは後方からの競馬。「リズム良く走ってくれましたよ」と道中は絶好の手応えで4コーナーを駆け抜けていく。そして勝負の直線。鞍上の手が動くと、それに合わせてサクラゴスペルも一気に加速。進路を確保すれば、あとは前に行く馬を抜かしていくだけだった。「今までは先行していましたが、急がせずに行ったら最後はキレましたね」と鞍上は笑顔を見せた。

次なる目標はG1・高松宮記念だ。「楽しみになりましたね」とは戸崎騎手。今年のスプリント路線は混戦模様なだけに、どの馬にも大いにチャンスがある。復活を遂げ、円熟味を増したサクラゴスペルが更なる大舞台で飛躍する。