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荒々しくも力強く、ドゥラメンテがまずは1冠 皐月賞制覇!!
2015/4/21(火)
![皐月賞](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/topics/201504/150419_satsukisyo.jpg?1457762492)
15年4月19日(日)3回中山8日目11R 第75回皐月賞(G1)(芝2000m)
ドゥラメンテ
(牡3、美浦・堀厩舎)
父:キングカメハメハ
母:アドマイヤグルーヴ
母父:サンデーサイレンス
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普通なら、福永Jのリアルスティールの勝利だったはずだ。好位の5頭目で流れに乗って4角で前を交して先頭となり、直線へ入ってきた。ラスト1ハロンで先頭に立って1馬身ぐらいは抜けた時点で、普段なら勝負ありだろう。それを上廻ったのがドゥラメンテだった。
4角で内から外へ出す時に、後ろの馬達を横切る様に出てきたドゥラメンテ。それでも前まではまだかなりの差があった。ところが、M.デムーロJの左ステッキが飛ぶと一気にリアルスティールに迫り、そして抜き去る。ゴールまでラスト50mを残す処で、鞍上は4勝目のサインを出す。それ程に、最後は余裕のある勝利であった…。
NHKのテレビで上原調教師の解説を訊いたり、関西テレビで安藤勝元騎手や坂口大元調教師の解説を訊いたりと忙しい。そう、自宅で観る皐月賞である。
残念ながら直前の回避で騎乗馬がなくなった皐月賞、さすがに中山遠征は遠慮してTV観戦とする。だがやはり現場にいる方がいい、自宅ではどのレースも観なければと忙し過ぎる。でも皐月賞だけはパドックからジックリと観させていただく。やはり今年最初の牡馬の1冠目。
レースは意外な展開となった。スピリッツミノルが懸念どおりのダッシュで、いきなり役目が終わる。それを見越していたのか最初から行く気だったのか、横山典Jのクラリティスカイがスルスルと先手を取って行く。数字を後で見ると、決してスローではない。そこそこに流れていっている。しかしそれも現場にいた音無師は火曜の朝、《意外とスローだった》と言う。
リアルスティールは、当然の様に好位でレースをする。キタサンブラックが2番手。ダノンプラチナが真ん中あたりの外目。サトノクラウンは意外や意外、後ろから4頭目ぐらいだ。その内にドゥラメンテがいる。内ラチ沿いだ。最後方に青帽の2頭、ベルーフにダノンリバティだ。音無師が《この位置まで下げるとは思いもしなかった》だ。
どの馬も掛かる事もなく淡々と流れていく。12秒台前半と、そこそこ流れている。1000m通過のペースがTV画面に表示される。《59.2》だ。ベルラップが少し順位を上げて行く。その前後にいたダノンプラチナが、何か変な動き。蛯名Jの姿勢が、まるで上へと踊り出るのではないかとした仕草。少し掛かり気味となったのだろうか。ベルーフは、そのままリアルスティールの外まで上がっていく。
馬群はギュッと凝縮されて4角まで来た。ドゥラメンテは内であり余る手応えが見える。少しだけ外に出して来ていた様だがその外へタガノエスプレッソ、さらにサトノクラウンと並んで最後のカーブへと入ってきた。
クラリティスカイがまだ先頭、外にキタサンブラックだが、リアルスティールの脚色がいい。キタサンブラックを抜いて、さらに前のクラリティスカイを交して先頭となったラスト1ハロン。その時、やっと後ろにドゥラメンテの姿が見えだした。まだ4、5馬身の差がリアルスティールとの間にあった。
しかし姿が見えだしたドゥラメンテはまるで勢いが1頭だけ違う。グイグイと差を詰めていく。M.デムーロJが内のリアルスティールをチラっと見た後に思わず自分の頭を振る。おそらく《何と言う馬なんだ!!まるで飛んでいるよ》と彼が心の中で叫んでいるのが聞こえる感じであった。そこからまだ左手で4本のサインを出す余裕の時間まであるぐらい。3着はキタサンブラックがあがっていた。
4角でのアクシデントを何度もPVやら実際の映像で見直すが、真横に動く映像が手に入らないので、何とも判らないのが実感だ。まるで道があった様に出て行った感じに見えるのだが、後ろで三浦Jが立ち上がったりしているから、かなりひどかったのだろう。しかしサトノクラウンは、その前にタガノエスプレッソと接触して弾かれていると言うか、タガノエスプレッソがその内のダノンプラチナに弾かれていた。その後で内から急に来たドゥラメンテの勢いに外へ流れされた感じに見受けた。いろんな事が4角で起きていた様子だ。でもあれがなければ、勝ち負けしていたかとは言えまい。
ただ1頭、ドゥラメンテだけが脚を使って伸びて来ているだけ。ほとんどが前で内でレ-スを進めた馬の決着である。ドゥラメンテだけが規格外の脚を使ったレースなのであった。
アドマイヤグルーヴが残した子供。共同通信杯が終った時に《本番は屋根が変わるな~》と思う程に掛かっての敗戦となったが、それでもリアルスティールに半馬身差、まともだったらの答えが出たのかも知れない。もしかして、ダービーもこのまま行けるのではなかろう…か。そんな強烈な印象の、皐月賞の破壊力ある勝ち方であった。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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