レッドアリオンが好位から伸びて快勝!!

レッドアリオン

15年4月26日(日)3回京都2日目11R 第46回マイラーズカップ(G2)(芝外1600m)

レッドアリオン
(牡5、栗東・橋口厩舎)
父:アグネスタキオン
母:エリモピクシー
母父:ダンシングブレーヴ

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サンライズメジャーの逃げと、これまた意表の展開と思った。テイエムタイホーが前走2番手からのレースで勝利を覚えた事から控える考えがあった。そこをついた四位Jの機敏な反応だろう。そして緩い流れで進む。勝ったかと思えた瞬間にグイと伸びてきたのがレッドアリオン。橋口師の18年連続重賞勝利という見事な勝利を演出した川須J。1番人気のフィエロは内ラチ沿いを伸びてきたが、3着まで。3頭出しの角居勢は、4着以下にひしめいていた…。


実は私の注目馬はテイエムタイホーだった。メキメキと力をつけていて、距離もレース内容も充実してきた感があった。トウカイテイオーフラワーパーク等の名馬を手掛けてきた東厩務員が、2年前の夏前ぐらいから担当となって5勝を挙げてきた。開幕週の内枠、ポンと出て先手を取るかジワっと控えてもいい、どんどんとイメージが勝手に膨らむのであった。しかし現実はそんなに甘くない。と、言うかそんな事を勝手に考える当方に厳しさを教えてくれている感じがする。競馬ってそんな簡単なものではないぞよと。
四位Jが迷いなくスルスルと先手を取っていく。テイエムタイホーは2番手、いや3番手に下がる。シャイニープリンスの方が前だった。《エライゆっくりやな~》と、東京競馬場のオーロラビジョンで見るレースの流れだ。

PVをジックリと観ると、3番手に下げる形となったテイエムタイホーに、そのすぐ後ろのマイネルメリエンダは窮屈な位置のせいなのか掛かっていて、顔を横に向けてイヤイヤをしている形であった。ここらが誤算であったのだろうか。何せ、逃げたサンライズメジャーの前半3Fの入りが35.7と、これまたこのクラスでは信じられないぐらいの流れである。さすがに1000mは59.4とそれらしき数字ではあるが、開幕週のこの絶好のコンディションでは、むしろ遅きの流れであろう。
レッドアリオンが好位4,5番手の外目。フィエロは同じ勝負服のフルーキーが前にいる中団のラチ沿いで坂を下って行く。内ラチ沿いでは前から4頭目だから、絶好の位置のはずである。しかし誤算は直線のラスト300あたりにあった。テイエムタイホーとフルーキーの間を狙うが、すぐには空かない。その開くのを待つ間に、サンライズメジャーとレッドアリオンがどんどんと前へ前へと行っていたのである。

サンライズメジャーが、後半3Fを11.1~10.8~11.3の切れ味勝負とした。最後の1Fの11.3はゴールに再先着はレッドアリオンだから実際には違うのかも知れないが、そんなに大きく変わる数字ではないはず。しかし直線ラスト1Fであった前の2頭との致命的な差を、良くぞクビ・クビまで迫ったフィエロの末脚は凄いと言えるものであった。ディアデラマドレが31.9なんて信じられない数字で上がって来てはいるが、勝ち馬に届きそうもない処での数字だけにあまりピンと来ないが、フィエロだけは気の毒になるラスト300でのあの間、時間であろう。
しかし何と言っても、このレースを造ったのは四位Jである。残念ながら勝利とはいかなかったが、見事な演出力であった。私の注目馬のテイエムタイホーは、まだまだ役者不足だったとしかいい様がなかった。

レッドアリオンは、これで川須Jで3勝目。8戦してのものだが、特に近走はスッカリと手の内に入れている。この馬の場合は、外枠がむしろいい方に出る様だ。
橋口師は18年連続の重賞勝利だそうだ。火曜朝に訊くと《確か1年だけ途切れたが、それまでも数年続いていたんだよ…》と。時間がないので調べられていないが、ジックリと検証しておこう。
ドバイで体調を崩された様だが、今回は久々に競馬場まで脚を運べたそうで、記念撮影もされたそうだ。まずは嬉しい報告でありました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。