【天皇賞(春)】負けられないキズナ 武豊「本当に大きな一戦」

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提供：重賞トレンドジャッジ
29日、天皇賞(春)(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。キズナ(牡5、栗東・佐々晶厩舎)は武豊騎手を背に坂路での最終調整。終いだけ気合を付けられると余力十分の動きを示し、単走で4F53.5－39.1－25.6－13.0秒をマークしている。

この内容に鞍上が「凄くいい感じで、気持ちよさそうに走っていましたね」と語れば、佐々木晶三調教師も「馬場が悪いので55秒くらいかなと思っていましたけど、53秒5と時計が出ましたからね」と口調は実に滑らか。状態面には微塵の不安も感じさせない。

昨年の天皇賞(春)4着後に骨折が判明し、長期休養を余儀なくされたキズナ。多くのファンが待ち望んだ戦線復帰こそ果たしたものの、この2走は3、2着と惜敗続き。特に前走・大阪杯の結果については主戦も「キッチリと勝って天皇賞に挑みたかった」と本音を覗かせる。

昨年のリベンジ、そして一昨年のダービー以来となるG1制覇がかかる今回は、完全復活を誇示するにはうってつけの舞台。春盾通算6勝を誇る名手は会見の最後を「キズナが勝つところをお見せしたいという気持ちは誰よりも持っているつもりです」と締めくくった。いよいよ正念場を迎えたキズナの走りから目が離せない。

キズナ


武豊騎手

5月3日(日)に行われる天皇賞(春)(G1)の共同記者会見が、栗東トレセンにて行われた。
キズナに騎乗する武豊騎手の一問一答は以下の通り。

●大阪杯は「勝たなきゃいけなかったレース」

－：今回は坂路での最終追い切りとなりました。感触はいかがでしたか？

武豊騎手：凄くいい感じで、気持ちよさそうに走っていましたね。

－：武さんは毎週のように、キズナに追い切りで跨がられています。故障明け3走目となりますが、状態の変化についてはどうですか？

武豊：復帰戦にしても前走にしても、状態そのものは良く臨めていたと思います。今回は2回使われたということで、馬の方が過去2回よりは動ける態勢にあると思いますよ。

－：さらにシェイプアップされたようなイメージがありますね。

武豊：見た目は大きく変わっていないと思いますが、使われたことで馬体は軽くなっているかもしれませんね。

－：ずっとコンビを組んでこられて、レースを重ねるごとに変化してきた面はありますか？

武豊：それほど大きくは変わっていませんが、初めて乗った頃と比べるとずいぶん力がつきましたし、成長が感じられますね。

キズナ

キズナ

－：精神面については、「楽しそうに走っている」と仰っていました。大人になってきたということでしょうか。

武豊：もともと頭の良い馬で、何をするべきかをすぐに理解してくれます。年齢を重ねて馬もたくましくなってきましたね。

－：復帰戦が3着で、前走が2着でした。ここまで「ホップ、ステップ」というような流れですが、キズナは結果を求められる馬でもありますよね。

武豊：そうですね。3着→2着と確かに着順は上がってきていますが、前走は勝たなきゃいけなかったレースだったと思っていますし、キッチリと勝って天皇賞に挑みたかったというのが正直な気持ちです。ただ、走りとしては悪くなかったですし、前回よりは動けると思っています。

●レーススタイルは変えず 強いキズナの姿を

－：淀の3200mの長丁場を、武豊さんは過去に6度勝利しています。良いイメージを持って臨めそうですか？

武豊：キズナは昨年もこのレースに出ていますし、距離もコースも特に問題はないと思っています。かなり高速の芝になっている点が、決してキズナのレーススタイルに合っているとは思いませんが、今さらスタイルを変えるつもりもありません。思い切って乗りたいですね。

－：今回はライバルと目される馬もたくさんいます。レースとしての注目度も上がっていますね。

武豊：そういうレースだと思っていますし、キズナにとって本当に大きな一戦ですね。

－：キズナの大目標として、秋の凱旋門賞という声がよく挙がります。それを踏まえますと、やはりG1タイトルを一つでも多く積み上げたいところですね。

武豊：当然、そういう気持ちです。秋にフランスに向かうときには、日本最強馬として胸を張って行きたい馬なので、この天皇賞は結果を出さなければいけないと思っています。

－：レースとしては長丁場ですが、もしポイントとして挙げられる部分があるとすればどうでしょうか？

武豊：折り合いに関しては問題無いと思いますが、頭数が多いですからね。タイムが速いコースでもありますので、前の馬をいかにパスしていくかが大きなポイントになりますね。

－：強いキズナを楽しみしているファンの皆さんが大勢いらっしゃると思います。最後にメッセージをお願いします。

武豊：本当にファンの多い馬ということは実感していますし、皆さんのためにも、キズナが勝つところをお見せしたいという気持ちは誰よりも持っているつもりです。自分にとっても大きなレースですし、何とか勝てるように全力で挑みたいですね。

キズナ