【安田記念】主戦・福永はヴァンセンヌに「まだまだ成長段階」

6月7日(日)に行われる安田記念(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。京王杯SC2着のヴァンセンヌ(牡6、栗東・松永幹厩舎)は助手を背に力の要る坂路を単走で登坂。4F53.6-39.0-25.2-12.4秒をマークした。

父・ディープインパクト、母は最優秀短距離馬にも輝いたフラワーパークという極めつけの良血。もちろんデビュー時から期待の大きかった馬だが、3歳春に骨折で7カ月、4歳春には屈腱炎を発症して1年7カ月もの長期休養を強いられ、ここまで辿り着く道のりは非常に険しいものだった。6歳春となって待ちに待ったG1初挑戦。その成長には4走前から手綱をとる福永祐一騎手の手腕も大きく、松永幹夫調教師も全幅の信頼を置いている。

東京のマイルは4走前のエクセレントJTと東京新聞杯をともに勝って2戦2勝。すでに12日間の開催を終え、多少なりともタフな馬場になってきたのは、この馬にとって好材料で、舞台設定は申し分ない。先週のダービーに続いて母子2代G1制覇となるか。その可能性は大いにある。



6月7日(日)に行われる安田記念(G1)の最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。
ヴァンセンヌに騎乗する福永祐一騎手の一問一答は以下の通り。

●「一戦一戦、成長を感じています」

-:ヴァンセンヌにつきまして、福永騎手に伺います。宜しくお願い致します。まず、前走の京王杯SCですが、猛追しての2着。評価としては如何ですか?

福永祐一騎手:スローペースで前残りの中、よく後ろの方の位置から追い込んでくれたと思います。馬が前回乗った時より凄くシッカリしてきて、道中の走りなども良くなっていましたし、最後は速い上がりを使ってくれました。そんな若い馬ではないですが、まだまだ成長段階にあるのだな、という印象は受けました。

-:初めての騎乗から4戦騎乗されてるわけですが、その間の成長振りは一戦一戦どのように感じられてますか?

福:若い馬じゃないですが、一戦一戦、成長を感じています。前回は1400mという初めての距離だったので、ペースについていけないところはありましたけども、その分、最後はいい脚を使ってくれましたし、これなら次はもっと楽しみだな、という感じのレースでした。

-:1400mから実際に重賞を獲っている1600mに戻ります。このあたりの上積みはどうですか?

福:スタートがあまり上手な馬ではないので。それでも前回は出てくれたほうでしたが、やっぱりちょっと置かれてしまいました。そういう面では1400mより1600mの方が流れには乗りやすいと思いますし、もう少しいいポジションで競馬できるんじゃないかなと思っています。

ヴァンセンヌ

▲自身の手綱で4戦3勝 完全に手の内に入れた福永祐一騎手


-:松永調教師は良馬場での持ち時計のことを常に気にされているようですが、そのあたり福永騎手乗っていて如何ですか?

福:持ち時計が無いのは無いので、そうなった時はどうなるか分からないです。ただ、前回パンパンの良馬場ではなかったのですが、速い上がりを使ってくれましたし、大丈夫だと思いいます。そんなに丈夫な馬ではないので、やっぱり馬へのダメージは心配ですが、なんとか一生懸命頑張ってくれたら、とは思っています。

-:週間予報では雨マークなども入ってます。どちらかと言うと、晴れが続くよりも降ってくれる事を願っているという感じはありますか?

福:持ち時計の実績がないだけで、そんなに心配はしてないので、それはどちらでもいいです。

-:東京の1600mも実際勝っています。ポイントはどんなところですか?

福:切れ味があるのでね。前半の位置取りがやっぱり重要になってくるんじゃないかなと思います。

-:となると、枠順も相当影響はありますかね。

福:前回は大外だったのでね。中途半端な競馬をすると、ずっと外を回されてしまうというリスクもありましたので、少し下げましたが、東京のマイルは枠の有利不利はそんなにないんで。

-:それではファンの皆さんにメッセージをお願いします。

福:なかなか色々な弱いところがあって、ここまで出世が遅れた馬ですが、関係者の懸命な治療と立て直しによって、G1の舞台で有力馬の一頭として出走する事ができるのは、馬の頑張りと関係者の努力の成果だと思います。そういう人達の期待と馬の頑張りに応えるためにも、イイ結果を出したいと思いますので、たくさんの人たちに応援して頂けたらと思ってます。

ヴァンセンヌ

▲今回と同じ舞台の東京新聞杯で重賞初制覇