【宝塚記念】角居厩舎が送り込む第二・第三の刺客牝馬2騎

24日、宝塚記念(G1)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。前走、天皇賞(春)10着のデニムアンドルビー(牝5、栗東・角居厩舎)は同じくこのレースに出走する前走ヴィクトリアM7着ディアデラマドレ(牝5、栗東・角居厩舎)とCWコースで豪華な併せ馬。ともに馬なりの手応えでデニムアンドルビーは浜中俊騎手を背に5F69.2-53.0-37.9-11.5秒、ディアデラマドレは助手を背に5F69.4-53.2-38.3-11.5秒をマーク。わずかにディアデラマドレが先着を果たした。

3歳時からフローラSやローズSを制するなどクラシック戦線で活躍し、ジャパンCでもジェンティルドンナにハナ差まで詰めよったデニムアンドルビー。一方のディアデラマドレも母ディアデラノビア譲りの末脚で重賞3勝。2走前のマイラーズCではマイル戦の歴代最高上がりタイムとなる31秒9の末脚を叩き出すなど、どちらもG1タイトルには手が届いていないながら、その力がG1級のものであることは関係者もファンも認めるところだろう。

「ディアデラの方は切れるタイプですし、デニムは長くいい脚を使うタイプなので、ちょっとデニムに刺激を与えるというような感じでした」とトレーナーは追い切りの意図を示唆したが、今回は僚馬ラキシスの影に隠れた形も、熱の入った最終追い切りの動き。そして、デニムアンドルビーは5戦2勝、2着2回、ディアデラマドレは3戦3勝という阪神コースとの相性の良さはラキシスに全くヒケを取らないもの。まさに第二・第三の刺客といって過言ではない。牡馬の大将格・エピファネイアを欠いてもこの層の厚さ。何とも不気味な存在だ。



6月28日(日)に行われる宝塚記念(G1)の最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。
デニムアンドルビーディアデラマドレを管理する角居勝彦調教師の一問一答は以下の通り。

●忘れてはならないJC2着の実績

-:デニムアンドルビーについてうかがいます。こちらはディアデラマドレと併せていましたけれども、指示内容、調教の感触はいかがでしたでしょうか?

角居勝彦調教師:ディアデラの方は切れるタイプですし、デニムは長くいい脚を使うタイプなので、ちょっとデニムに刺激を与えるというような感じでした。

デニムアンドルビー

▲阪神大賞典で新たな一面を見せたデニムアンドルビー


-:デニムアンドルビーはこの春、阪神大賞典で新たな一面というのも見せてくれましたけれども、この春の戦いぶりというのはいかがでしょうか?

角:いい競馬を見せてくれつつあるのですが、なかなか結果は出ていないので、そこは少し歯がゆいところがありますね。

-:前々走が阪神大賞典、前走は天皇賞(春)でしたけれども、今回は宝塚記念で距離もかなり短くなりますが、そのあたりというのはどうでしょうか?

角:スタートからちょっと付いて回れないところがありますので。まぁ、感触的には浜中くんもいいという感じは言っていましたので、大丈夫かなとは思うのですが。

-:去年はドバイなどを経ての宝塚記念参戦でしたけれども、ローテーション的に見ても去年よりいい状態と見てよろしいでしょうか?

角:体調面に関しては昨年から比べると、明らかにいい状態で来ているとは思います。

●息の長い末脚で悲願のG1タイトルを

-:今回は相性のいい阪神コースとなりますが、そのあたりの相性の良さというのは感じていらっしゃったりはしますか?

角:少し成績がいいというだけで、もうちょっとキッチリ答えが出てくれていればと思います。

-:この時季、雨も予想され、緩い馬場ということもあるかもしれませんが、そのあたり道悪の得手、不得手というのはいかがでしょうか?

角:後ろから脚を使うので、内側が荒れれば外めを。ずっと長い脚を使えるタイプの馬ですからね。ひょっとしたら向くのかなという気もします。

-:それではデニムアンドルビーのファンの皆様にメッセージをお願いします。

角:もうワンパンチという感じのところはありますが、状態は良くなってきていますし、ここでいい競馬をしたいと思っています。

デニムアンドルビー

▲熱の入った併せ馬。外のディアデラマドレがわずかに先着


●現役屈指の決め手の持ち主

-:最後にディアデラマドレについてうかがいます。こちらはデニムアンドルビーとの併せ馬。感触はいかがでしたか?

角:切れ味のある子ですので、この2頭で併せ馬をすると手応え的にはこちらの方が見栄えがするのかなと思います。

-:ここ2戦はマイルで上がり最速を使いながら7着という結果が出ていますが、そのあたりはどうご覧になっていますか?

角:いい武器を持っていますが、展開などに左右される脚質ですので、うまく展開がハマらないかなというところはありますね。

ディアデラマドレ

▲決め手勝負になれば怖いディアデラマドレ


-:そこから今回はディアデラマドレにとって距離延長となりますが、そのあたりは?

角:以前、長いところを使ってみた時には「我慢できます」と藤岡くんも言ってくれていましたので、終いの脚を生かせる競馬になってくれれば、距離や道中のペースはさほど問題ないのかなと思います。

-:位置取りとしましても、ディアデラマドレにとって後ろでも問題ないという感じでしょうか?

角:そこは流れに任せて、ジョッキーに任せたいと思います。

●阪神コースでは負けなしの3勝!

-:デニムアンドルビー同様、このディアデラマドレも阪神コース3戦3勝ですが、相性の良さはあるのでしょうか?

角:どうでしょうかね。たまたまじゃないですか(笑)。

-:向いているというような感触というのはあまり感じたりはしないですか?

角:どこでも結果を出さなければいけないと思っています。

-:今回、ディアデラマドレにとっても牡馬の一線級との相手になりますが、そのあたりの相手関係はどうでしょうか?

角:相手は春の一番強い馬が集まったと思っていますので、大変だとは思います。

-:それではディアデラマドレのファンにメッセージをお願いします。

角:いい状態になっています。女の子3人で頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。

ディアデラマドレ

▲牝馬3頭を春のグランプリへ送り込む角居勝彦調教師