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アウォーディーがここも軽く突破 ダートはレースぶりが違う!
2015/10/6(火)
15年10月3日(土)4回阪神8日目11R 第19回シリウスS(G3)(ダ2400m)
アウォーディー
(牡5、栗東・松永厩舎)
父:Jungle Pocket
母:Heavenly Romance
母父:Sunday Silence
シリウスS(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒
1番人気のダノンリバティがトウケヘイローを捕えた直線1ハロンあたり。しかし追い上げてきたアウォーディーの脚色が違い過ぎていた。あっさりと抜き去って、3馬身の差をつけて快勝。これでダートは2戦2勝と負け知らず。むしろ3コーナーからの上がって行く脚色が芝の時よりも力強い程に思える。もしかしてもしかする予感をさせる馬でもある。
ゲート入りでかなり手こずったナムラビクターが後方からいい脚を使って、ダノンリバティを脅かす3着。これもまた新しい面を開拓したかの様なレースぶりとなった…。
木曜の坂路追いでナムラビクターを見た。以前なら坂路でも手こずって大変だった馬が、普通に坂路で追い切れている。馬が大人になったのかと思いきや、ここでやるかと。ゲート入りにかなりゴネて、5分近くは出走が遅れたのではなかろうか。そのあげくに、スタートの出方も良くなかった。《ああ、これではダメだな~》と思えたもの。
まずはアウォーディーの位置を確認する。枠なりに中団をジワっと乗られている。やはりトウケイヘイローの単騎逃げとなった。ゲートセンスのいい松若Jを抜擢するあたりが憎いなの想いもあった。ニホンピロアワーズが2馬身ぐらい前と開く。キクノソルと続き、アメリカンウィナー、ダノンリバティで、その後ろの内にアウォーディーがいる。外にランウェイワルツ。ナムラビクターは最後方で、縦長の隊列で2コーナーへと入って行った。向こう正面に入ってペースを落とした松若Jとトウケイヘイロー。そこで動きが出る。
グランドシチーが1000mにかかる前に一気に動き出し、ニホンピロアワーズの前まで上げる。その動きに少し遅れてランウェイワルツも上がって行き3番手につけ、3コーナーに入って行く。今度はダノンリバティが前へと進む。ランウェイワルツの後ろに迫って行った。アウォーディーはと見ると、武豊Jが後ろの動きをチラっと見て外へ出した様だが、まだ進撃開始とは行かない。トウケイヘイローが先頭でラスト600mを通過。まだ1馬身のリードを保って4コーナーへと入って行く。しかし外を、ダノンリバティがそれこそ持ったままで来ていた。さらにアウォーディーが忍び寄ってきていた。
直線に入ってきてトウケイヘイローにステッキが入る。ダノンリバティが追い出して並ぼうとするラスト300mあたり。外からすでにアウォーディーが来ていた。ラスト200でトウケイヘイローを交してダノンリバティが先頭に立とうかと思えた時には、アウォーディーがその外から前に出ていた。アウォーディーも早めに先頭に立ってしまったせいか遊びだしたのか、武豊Jが左ステッキで促す。ダノンリバティが脚が止りだしたかの様に、ナムラビクターが迫ってきてゴールした。最後の1ハロンが13.1と、ややかかった。ここはやはりアウォーディーがソラを使っての分であろうか。着差以上に差がある勝ち方であった。ダノンリバティには少し距離が長いかも知れないとも。
武豊JのJRA300勝達成となったアウォーディー。前人未到の大記録に華を添えたが、むしろこれからの活躍が見えてくる様なダート適性ぶりだ。姉のアムールドブリエが、先週は負けたが地方重賞を4連勝するなどダート巧者ぶり。偉大な母ヘヴンリーロマンスの走る気持ちを受け継いでくれている様である。
火曜朝に松永幹師と話が出来た。『ヘヴンリーロマンスの初勝利もダートでした。その後は使いませんでしたが、ダートでもやれたと思いますね。でも大きい処(天皇賞)を獲ってくれましたからね…』と懐かしむ。
この後は放牧に出してこれからに備える様である。まずは感謝でした。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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