やっぱりG1馬だ!ストレイトガールが鋭く伸びる!!

ストレイトガール

15年10月4日(日)4回中山9日目11R 第49回スプリンターズS(G1)(芝1200m)

ストレイトガール
(牝6、栗東・藤原厩舎)
父:フジキセキ
母:ネヴァーピリオド
母父:タイキシャトル

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ベルカントと1番人気を競っていたストレイトガール。やっぱり目の肥えた大勢のファンは見逃さずに、最後は堂々の1番人気支持で勝利した。セントウルSでの直線入り口で、内からの馬に外へ振られて4着と苦汁を飲んだが、今日は逆にコパノリチャードを弾いて進路を確保する勢い。それほどに際立つ伸びで、短距離の頂点に立った。2,3着が3頭しか出走していない関東馬。持ち味を生かせた結果でこそであるが逆にベルカント、ミッキーアイルなどは行きたがる面を見せてしまっていた。晴れ舞台は力を出せてこそ。
この大一番でこそ、しっかりと能力を発揮するストレイトガール。円熟の秋なのであります…。


パドックを周回している時から、今日のベルカントはいつもよりうるささが激しいなと感じる。スタート地点へ集合合図がかかって向かう時でも、突進するぐらいの勢い。嫌な予感が続く。ウキヨノカゼは、あまり無理をしないゲートの出なんだろう。別段、出遅れたわけには見えなかった。それでも位置はいつもよりは前目だ。それはサクラゴスペルにも感じた。こんなところにいるのと思えるベルカントのすぐ後ろに位置していた。そもそもハクサンムーンが、出ムチを入れて今日は何が何でもハナを奪うつもり。ベルカントがゲートを真っ先に出て先頭、それをアクティブミノルが前に出て、さらにその間をハクサンムーンが出て行く。何やらめまぐるしいスタート直後だった。ミッキーアイルが掛かり気味で外から続く。
最初の勢いに比べると、その後は意外と落ち着く。ひとつ前のレースの前半3ハロンの入りより遅いぐらい。ベルカントの外にレッドオーヴァルで2列目。その組の後ろの内にサクラゴスペル、真後ろに外国馬リッチタペストリー。外にはコパノリチャードがいて、後ろにストレイトガール、ウリウリと続く。ウキヨノカゼが後ろから4頭目。最後方にティーハーフらが並ぶ。

どの馬もまだまだ手が動かない、4コーナーへと入って行くがまだハクサンムーン先頭で、アクティブミノルが並ぶ。ウリウリが押して前へと進めているのが見える。
直線へ入ってきた。ミッキーアイルが前の2頭に並びだすのがラスト200のあたり。しかし後ろのサクラゴスペルの勢いがいい。ウリウリの内へ、いつの間にかストレイトガールが並んでいる。
坂を昇るあたりで、ミッキーアイルにサクラゴスペルが並びそう。内からリッチタペストリーも脚を伸ばしてきている。大外を赤い帽子のウキヨノカゼが伸びてきている。しかし真ん中のストレイトガールの伸びがいい。戸崎Jの左ステッキが1発入ってさらに伸びる。ゴールに入る寸前には、流し気味と言えるものであった。

勝ち時計を見て唖然とする。10Rのキャレモンショコラが逃げ切ったタイムよりコンマ1秒遅い1.08.1である。それも前半の3ハロンでさえも見劣るものである。決してハイペースではなかったはず。それでいて前に行った馬は、アクティブミノルが9着。ハクサンムーンはベルカントのひとつ前の着順と、失速気味である。流れではない様である。
ストレイトガールは、パドックで鞍下から汗が時にしたたり落ちるぐらいであるが、入れ込んではいない。この辺が国際舞台を経験している違いなのであろうか。自分の持てる力を出し切れる馬とそうでない馬との差。ここらにテーマがある様な気がしてならない。これは競馬のいつもの事なのであろうが。
そこを推理して読み切れない。まだまだ未熟と感じた今年のG1、スプリンターズSでありました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。