エイシンヒカリ重賞連勝も ユタカ辛口「天皇賞は楽にはならない」

●10月11日(日) 4回東京2日目11R 第66回毎日王冠(G2)(芝1800m)

G1馬4頭含む全13頭が重賞ウィナーという並み居るメンバーを抑え、1番人気に支持されたエイシンヒカリが重賞連勝。11月1日(日)に行われる天皇賞(秋)への優先出走権を手にした。

重賞初制覇となったエプソムCから約4ヶ月。昨秋のアイルランドTでは大外に大逸走を見せた東京コースに、現役屈指の個性派エイシンヒカリが帰ってきた。しかし、逃げ馬にとっては厳しい大外枠。単騎逃げ濃厚なメンバー構成とはいえ、決して楽な条件ではなかったが、やはり人馬が選んだのは逃げの手。好スタートを決めると、労せずハナに立った。

「今までとは違うメンバーでどこまでやれるかと思ったけど、いい感じで馬が進んでくれた。楽に先手を取ることが出来て、道中も思ったより折り合いがつきましたね」と武豊騎手

前半5F通過が59秒9とG1級ともいえる、このメンバー構成からすれば楽なペースに持ち込むと、直線でも早目のスパートをかけるライバルたちを尻目に、残り300m付近から鞍上のステッキが入る。ゴール前ではイスラボニータ、ディサイファらも猛追をみせたが、最後まで粘り通し、またしても後続を封じてみせた。

しかし、主戦は「レースに関しては思ったほどムキにならなかったけど、レースに行くまでのイレ込みはいつもよりもキツかったし、気性面はまだまだだ。今日もゴールしてから、右に行っていましたからね。天皇賞は1F距離も延びますし、楽な戦いにはなりませんよ。もう一段強くならないといけないです」とジャッジ。期待の裏返しとも言うべきか、辛口の評価を下した。

それでも、これで9戦8勝。類まれなる実績を誇ってのG1初挑戦となる。「脚力は上がってきているし、春とは肉体面が変わってきましたからね。胸を張って(天皇賞へ)いける成績でしょう」と力強く締めくくった。奇しくも、武豊騎手が主戦を務め、天皇賞に出走が予定されていたキズナがターフを去ったばかりだが、父ディープインパクト、母父ストームキャットの同じ血統馬で盾獲へ挑むことになる。先日、JRA重賞通算300勝の金字塔を打ち立てたばかりの名手は、ゆかりある血統で新たな歴史を刻んでいくのか。興味は尽きない。

エイシンヒカリ
(牡4、栗東・坂口則厩舎)
父:ディープインパクト
母:キャタリナ
母父:Storm Cat
通算成績:9戦8勝
重賞勝利:
15年毎日王冠(G2)
15年エプソムC(G3)

毎日王冠

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