【菊花賞】自らの競馬に徹するリアファル「ライバルは挙げません」

10月25日(日)に行われる菊花賞(G1)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。
追い切り後、リアファル(牡3、栗東・音無厩舎)を管理する音無秀孝調教師の一問一答は以下の通り。

●芝に転向後、連勝で重賞制覇

-:まずは今日の調教の指示と、動きについて教えて下さい。

音無秀孝調教師:指示は先週と同じような感じでしたが、先週はちょっと入りが速すぎたのでね。12秒台(最初の1ハロンを)で入っているのですよ。だから今日は「14秒台ぐらいで入ってくれないか」、と指示しました。今日のほうがうまく行きましたね。馬場差はありますが、半マイルの時計も速かったですね(51秒6)。最後の1ハロンも12秒台で収まったので良かったと思います。

-:納得の動きという感じでしょうか?

音:先週は馬なり程度ということだったのと、皆さん知っているのでしょうが、馬場が重かったです。そのせいで最後は14秒台になっていますけど、全然気にしていないです。

-:距離が3000mに延びますが、3000m仕様という形に馬を作り上げた部分というのはありますか?

音:それはレースでそのようにして行っています。稽古で3000m仕様にするというのは難しいですからね。いつものように、稽古は2000m、2400mの時と同じようにしています。

-:前走の神戸新聞杯(1着)を振り返って頂きたいのですが、先生の目にはどう映りましたか?

音:前走と言うより、芝へ転向した1走目のマレーシアCの時、馬場が悪かったので、「行かないでね」と言ったのに、ハナへ行ってそのまま逃げ切ってしまったのでね。これはもう、「道悪は巧いな」と思いました。神戸新聞杯は逆に良馬場でね。同じようにスローペースに落として逃げ切ったので、またうまく行ったな、という感じでした(笑)。周りの人の中には「あれは強い馬だよ」と言う人もいましたし、僕もそう思っています。

リアファル

▲G1制覇に期待がかかるリアファルを送り出す音無師


-:芝に転向してから2戦とも逃げて勝っていますが、控える競馬というのも出来るのでしょうか?

音:ダートを使っていた頃は好位差しもしていましたからね。別に出来ないことはないと思うのですが、この2走は何もしないでハナへ行ってしまっているのでね。追っ付けてもハナへ行きたい訳ではないので、他に行きたい馬がいれば、行かせてもいいと思います。その時に、行った馬を追いかけたりしなければいいな、と思っています。ただ、3000mなのでリアファルより先に行こうとすると、けっこうペースが速くなりますよね。そういう場合は放っておくしかないですね。

-:デビューから6戦、ダートに使われましたが、どういう思惑があったのでしょうか?

音:デビュー前の調教を見ていると、どうも緩さがありましてね。特にトモ、後躯のほうにね。なので、芝よりダートのほうが良いかなと思いました。お兄ちゃんもダートのクリソライトですからね。ただ、だんだんトモがシッカリしてきたので、これは芝にも行こう、ということで、2勝したあとに芝の若葉Sに使おうというオーナーサイドとの話もありました。
そのつもりでいましたら、管骨骨膜炎(かんこつこつまくえん)に、要するにソエですけど、それが痛くなって使えなくなりました。ソエが出たら芝は避けたほうがいいので、その後もダートを続けて使いました。最終的にはダートでも負けましたし、芝へ転向しようと決意しました。その時は放牧中だったのですが、マレーシアCに使うことに決めまして、今に至っているということです。


-:芝でのパフォーマンスというのは、先生の想像を遥かに超えるような感じだったのでしょうか?

音:それはもう、超えていますよね。芝に使いたかったのに使えなかったという理由もありましたが、こんなに芝の適性があるのなら、ダービーを目指せた可能性もあったのですけれどね。ただ、多分ソエで断念していると思いますね(笑)。

-:この馬のポテンシャルというのはどれぐらいあると思われますか?

音:この2戦が先ほども言ったように、「うまく行った」というだけなら、またうまく行くのかな、というのはありますね(笑)。2400mなら前走も勝っているので、自信はありますが、3000mになることで色々な不安が出てきますよね。特に京都競馬場は1周目の坂の上り下りがあって、そこで折り合いを欠いたらもう終わりなのでね。そういう不安もありますし、行く馬がいれば控えなければなりません。その場合は先ほども言いましたが、追いかけたりしないかという不安もあります。まあ、やってみなければ分からないですね。

●ライバルは特になし、自分との戦い

-:この馬の強み、長所というのはどのようなところなのでしょうか。

音:まず、スタートしてハナに行こうとして行ってはいないのでね。2走とも追っ付けて行くのではなく、馬なりでたまたま行ったと。ハナに行ったのに、それでも瞬発力が残っている、というのがこの馬の強みですね。直線へ向いて「ヨーイドン!」の瞬発力勝負なら強いよ、というのは皆さんも分かっていると思います。問題は消耗戦になった時にどうなのか、まだやっていないので分からないですね。

-:先生は7年前もオウケンブルースリで菊花賞を制しています。上がり馬で菊花賞というと、今回も通じる部分はあるのでしょうか?

音:その時とはまた違う馬ですからね。オウケンブルースリは完璧に追い込み馬なのでね。例えば、先行争いはしなくて良いのです。脚質が全然違いますからね。更に、オウケンブルースリは神戸新聞杯を勝っていないので、その辺りもあの時とはちょっと違うと思います。

-:今回のライバル関係はどう見ていますか?

音:ライバルは特に挙げません。どの馬も3000mは初めてですからね。自分との競馬というか、前半に折り合えればどこにいてもチャンスはあると思います。なので、折り合いを欠いたらダメじゃないかと思います。瞬発力を持っているので、前半は折り合いに専念して、最後の直線に賭けるというのが良いかなと思っています。

-:最後に期待しているファンの皆様にひとことお願いします。

音:芝は2戦しかしていませんが、これからは古馬になっても活躍できる馬だと思っています。今回に限らず、ずっと応援してください。よろしくお願いします。