『まだまだ』でこれだけやれる、ドレッドノータスの初陣!

ドレッドノータス

15年10/25(日)4回京都7日目5R 2歳新馬(芝2000m)

ドレッドノータス
(牡2、栗東・矢作厩舎)
父:ハービンジャー
母:ディアデラノビア
母父:サンデーサイレンス

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栗毛のせいか、日光を浴びると毛艶が輝いて良く見えるドレッドノータス。単勝1番人気に驚く。と、言うのも稽古に乗った武豊Jからはいきなりやってくれそうなニュアンスの言葉は出なかったからである、それなのに《人気は1番人気か~》と正直、期待が先行しているなという気持ちでレースを見つめていた。かと言ってパドックと返し馬をひと通り観ても、この馬には敵わないと思える馬は見当たらないのも事実ではあった。


レースは2000だけに、よりユッタリの競馬。ドレッドノータスが少しだけ飛びあがる様な出をする。そのまま先手かと思えるほどに行きたがるドレッドノータス。内のファスナハトがいいスタートを切って前に出てきて、この2頭で並んで行く。結局この2頭の併せ馬で向こう正面、3角過ぎまでほとんど並んでの先行となる。おそらく内外もそう離れずに行っていたはず。1000mが1.02.5とまずまずの流れで通過。3角を過ぎてラスト800mのハロン棒を過ぎるあたりでドレッドノータスの鞍上、武豊Jが後ろをチラっと見たのが映像で確認できた。後続の動きを観たのかも知れない。ここらでは、もうペースは11秒台へと速くなってきている時だ。徐々に体半分程のリードとして最後の4角へと入って行く。

後続がだいぶ差を詰めてきており、それまでの2馬身差から一気に1馬身もない程に迫っていく。そんな中で、クロークスとさらにその後ろからナムラシングンの脚が目立つ程にいい。
直線に入ってきて、ドレッドノータスは完全に1馬身ぐらい抜けだしている。後続が横一列になってきた。ドレッドノータスが抜け出して2馬身から3馬身の差も一時はあっただろう。しかしゴールが近づくと、その差がみるみる縮まり出す。大外のナムラシングンの脚色がなかなか豪快でいい。内ではもう一度ファスナハトが盛り返し気味に伸びている。

何とかクビ差凌いで勝ったドレッドノータス。馬から下りた武豊Jが《あの稽古でこれだけ走るんだから、悪くないよ》と告げて検量室へと入って行った。面白かったのは、ルメールJが《馬が若いから外からカバーしてくれて、ちょうど良かった》と言っているのに、馬係の人が『外からのプレッシャーがあったでしょう』と最初からその結論に結びつけたい質問の仕方をしていたことであろう…か。ジョッキーがちゃんと言っているのに、それを汲もうとしない関係者。チグハグさがおかしかった。

母のディアデラノビアは、武豊Jと初重賞のフローラSを勝利。最後の勝ち鞍の愛知杯はルメールJでの勝利と、まるで今日のこのレースを演じた二人の騎手で残した成績でもあった。
馬名の由来を観て、「知らなかった…」と驚く。世界最大の恐竜名だそうだ。孫の影響で福井の恐竜館にも行った事がある。だがこの恐竜の名前は知らなかった。今度、孫に訊いて見よう。「きっと知っているわい」と言われるのかも…。

火曜の朝の坂路監視小屋にて、矢作師に話が訊けた。《エエ、稽古が2本足りないぐらいですかね。でもそれであの勝ち方をしてくれるんですからね~。今後についてはまだ未定ですが、関西で使う方向になるかと思いますよ》と。さしずめ『京都2歳S』ぐらいに照準を合わしてくる事になるのかも知れない。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。