【5回京都】マーシフルレイン…小平奈由木の注目新馬レポート

マーシフルレイン
(牝2、栗東・宮厩舎)
父:キングカメハメハ
母:レインダンス
母父:ダンスインザダーク

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、ラブリーデイ(宝塚記念)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にもホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞2回、JBCクラシック、東京大賞典2回、川崎記念2回、チャンピオンズC)など、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。

イタリアの2歳牝馬チャンピオンに輝いた祖母レン2に連なる優秀なファミリー。母レインダンス(その父ダンスインザダーク、3勝)は秋華賞や京都牝馬Sを2着したほか、重賞での3着が3回ある。その半姉にあたるレンドフェリーチェ(5勝、リフトザウイングスの母)とともに宮徹厩舎で活躍。同馬の半兄に現1勝のレーゲンヴァルトがいる。社台サラブレッドクラブにて総額2800万円で募集された。

社台ファームで入念に体力強化が図られ、9月4日、トレセン近郊のグリーンウッド・トレーニングへ。16日には栗東へ移動した。10月8日のゲート試験をクリアすると、順調にペースアップされた。母よりコンパクトなスタイルで、軽さが持ち味。先週は芝コースで6ハロンから追われたが、余力を残しながら上々の伸び脚を見せた。

11月7日(土)、京都の牝馬限定・芝1600mで新馬勝ちを狙う。鞍上は藤岡康太騎手



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。