さすがシーザリオ 愛する子供、リオンディーズが完勝だ!

リオンディーズ

15年11/22(日)5回京都6日目5R 2歳新馬(芝2000m)

リオンディーズ
(牡2、栗東・角居厩舎)
父:キングカメハメハ
母:シーザリオ
母父:スペシャルウィーク

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パドックがけっこうな人だった。やはりシーザリオの子供を見ようと、コアなファンが駆けつけているのだろう。まずは落ち着きがあり過ぎる。それが第一印象だった。ディープインパクト産駒が4頭。そことの対決となるのだろうか。
そんなレース前だったが終わってみれば、ちと次元が違う馬の様である。岩田Jが抑えに抑えての道中から直線では先頭立って、後ろを二度も振り返る大胆な仕草がそれを物語る。またまた大物誕生!母シーザリオから受け継ぐ上質なもの。“競馬は血だ!”と思える瞬間だった。


最近は返し馬を見て《いいな~》と思える馬で決まるケースが多いと感じる。ところが馬券をそう思って買うと来ない。買わないと思った通りに入る。ここもいわゆる《見》をしていたら、返し馬で◎をつけた馬が上位に入った。くやしい、だがいい競馬を見た。リオンディーズ。何でもシェイクスピアの《冬物語》に登場する王の名前らしいが、その方向の本は苦手だ。
道中、どれだけ引っ張るのかと思える程に、岩田Jは手綱をかなり引いて突っ立って乗っていた。外枠で前に壁を置きづらい場所。3列目の外を、苦労しながら4角まで廻ってきた。後はスパートするだけ。逃げたグッドスカイを交して先頭に立ったピースマインドを、難なく交して行くリオンディーズ。

あれほど露骨に後ろを二度も振り返っては、後ろのジョッキーが可愛そうと思えるほどに後ろを見る岩田J。そしてゴール過ぎたあたりでガッツポーズ。喜怒哀楽に富むジョッキーなんであろう。思わず表現してしまう性格だと思う岩田J。それ程に上質のものを感じる背中に手応えなんであろう。2着も3着もディープインパクトの子供だったが、ちょっと物が違うと思えるものだった。そして次のステージが大いに気になる良きライバル、いや強敵となりうる存在だろうと思える馬だ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。