重賞を手に再びG1へ シュンドルボン吉田豊「大きいところでも」

●3月13日(日) 2回中山6日目11R 第34回中山牝馬S(G3)(芝1800m)

人気は昨年のクラシック戦線を沸かせたルージュバックに集まったが、勝ち馬から最下位まで0.7秒差というハンデ戦らしい大混戦を制したのは、3度目の重賞挑戦となった5歳馬のシュンドルボン(牝5、美浦・矢野英厩舎)。ルージュバックとのデッドヒートをクビ差制して嬉しい初タイトルだ。

今回コンビを組んだのは、オープン入りを果たした昨年10月の甲斐路Sと同じ吉田豊騎手。前半は1000mの通過ラップが63.7秒というスローペースを後方でジックリと待機。フレイムコードが動いてペースが一気に速くなると、馬の意に任せて徐々に前へ進出。4コーナーではルージュバックの直後に付けて、あとは追い出しのタイミングを計るだけ。先に抜け出したライバル目掛けてゴーサインを出すと、最後は内で抵抗するルージュバックをねじ伏せるようにゴールした。

「前に人気馬がいたので、それをマークしながら運びました。直線では相手も強いのでどうかと思いましたが、よく差し切ってくれました。先生からは、脚を溜める競馬をしてほしいと言われていましたし、大外枠で外を回る形になるかもしれないと思いましたが、折り合いに専念して乗ろうと思っていました。道中では上手く人気馬の後ろで脚を溜められましたし、終いは良い脚を使ってくれました」と吉田豊騎手は会心の笑顔。

管理する矢野英一調教師も「折り合いには問題ないから、スムーズに乗ってくれればと思っていました。馬の状態は良かったし、外枠なので、1コーナーをうまく入って流れに乗って行くだけと思っていたが、ジョッキーがうまく乗ってくれました」と鞍上のファインプレーを大絶賛した。

「元々センスはあったが、馬体が去年から変わってきた。自信を持ったというか、安心した乗り心地といいますかね。まだ良くなると思うし、次はヴィクトリアマイルを目指します」と指揮官は2度目のG1チャレンジを示唆。鞍上も「乗りやすくて良い馬ですし、この先大きいところでも頑張ってもらいたいと思います」と春の大舞台を意識する。連勝時の輝きを取り戻した素質馬が、更に輝きを増して女王の座に挑む。

シュンドルボン

シュンドルボン