今回も楽逃げでスマートレイアーが重賞を連勝!!

スマートレイアー

16年4月9日(土)2回阪神5日目11R 第59回阪神牝馬S(G2)(芝外1600m)

スマートレイアー
(牝6、栗東・大久保厩舎)
父:ディープインパクト
母:スノースタイル
母父:ホワイトマズル

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スタートを躓いて出たが、その後はしっかりと行けたスマートレイアー。ダンツキャンサーが先に前に出たが、行く気のないのを察して先手を主張する。結局、前半3Fが35.2の入りで、後は十分に息を入れての先行馬ペース。最後に馬群を割って出てきたミッキークイーンがクビ差まで迫ったが、完勝と言える内容だった。
一方、負けはしたがミッキークイーンもこの流れでキッチリと答えを出すなど、やはり持てるものが違うと感じる2頭であった…。


実はパドックでいい馬、良く見える馬をメモっておいた。何度も目の前を周回していっても目につくのがストレイトガール。◎を進呈した。特に後脚の張りが素晴らしい。そしてウインプリメーラレッドリヴェールに○である。逆にスマートレイアーはお尻の感じが尖っていて、あまりいいとは思えない。《?》のマークをつけておいた。
だがストレイトガールは香港から帰っての初陣である。それと1200が続いた後のマイル戦。見た目ほどに走ってくれるかは何とも思えないな~と、ひとりごとである。

レースを終えて我がメモを見て、馬を見る目のなさを嘆く。そして何よりもスマートレイアーの強さであった。
スタートでは躓いた様である。それでいてすぐに前へとすっと出ていく。ダンツキャンサーとは馬の左右の間隔を離していた。で、相手が行かないと感じた1ハロン過ぎから先手を取っていく。前半3Fが35.2と、ユッタリとしたマイペースを確保していった。完全に相手を読み切っての流れを演出していた。

ミッキークイーンとの着差がクビではあったが、スマートレイアーの勝ち方は余裕があった。ラスト1ハロン手前あたりから、馬場を少しでもいい方へと導くほどの余裕。そして手綱は絞って追うの繰り返しで、ステッキは最初から使う気持ちがないほど。ラスト50mではチラリと左後を見て、少し行ってからは馬場内のオーロラビジョンを見て後ろを確認するほど。ゴール手前ではもう腰を少し浮かせてのフィニッシュと、クビ差とはとっても思えないほどの大楽勝劇に見えるものだった。

しかしミッキークイーンもさすがである。相手は今年すでに1回使っている古馬牝馬。自身は昨年のJC以来である。4コーナーでも馬群の大外へ出すことはせずで、馬群の中から最後は少しの隙間から外へ出しての追撃。短い間にもの凄い脚を使っていた。レース展開では完全にスマートレイアーのもの。だが終わっての印象では、ミッキークイーンの凄さがまたまた再確認できた、そんな想いであった。

この後は、5月15日の東京競馬場でヴィクトリアマイルがある。その時にはミッキークイーンの方がスマートレイアーを上廻るものだろうと思える。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。