【ヴィクトリアM】待望の復帰!浜中「病み上がりで負けた、と言われないようなレースを」

11日、ヴィクトリアM(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。前走、阪神牝馬S2着のミッキークイーン (牝4、栗東・池江寿厩舎)は、CWで4Fから53.3-38.2-12.2秒をマーク。準OPエアカミュゼを0.3秒追走し、馬なりのまま0.3秒先着した。先週の追い切りで一杯に追われ好時計を出していることもあり、今週は反応を確かめる程度だったが、良い動きを見せ本番に向けてしっかり仕上げてきた印象だ。
追い切り後、ミッキークイーンに騎乗する浜中俊騎手の一問一答は以下の通り。

●落馬で骨折 3ヶ月ぶりに帰ってきた主戦ジョッキー

-:それでは浜中騎手にお伺いします。おかえりなさい。

浜中俊騎手:ありがとうございます。

-:2月7日の東京競馬で落馬して骨折されてから3ヵ月ぶりの競馬への騎乗になりますが、まず、その気持ちからお聞かせ下さい。

浜:3ヵ月ですか。自分にとって長い3ヵ月でしたし、また競馬に戻って来られたというのはすごく嬉しくて楽しみです。

浜中俊

-:馬に乗れなかった時の気持ちというのはどんなものでしたか?

浜:馬に乗っている時が一番楽しいので、いつも楽しくなかったです。

-:医師の診断よりも早く復帰されたようですが。

浜:4箇所骨折して、左の薬指がだいぶ悪かったので、ピンやプレートが入っていました。それが取れない限りは復帰のメドが立たないという事でしたので、骨がくっつく時期が医師の診断よりも早く治ってくれて、今週復帰出来ることになりました。

-:医師の診断よりどのくらい早かったのでしょうか。

浜:2ヵ月弱くらいは早かったと思います。

-:薬指は騎乗に非常に大事な場所ですよね。

浜:馬に乗る上で、薬指は一番大事だと思います。

-:調教に乗られて、その辺りはいかがでしょうか。

浜:先週から始めて、調教乗せてもらって、すごく楽しくて、馬も速かったのですが、ただ少し筋肉痛にはなりましたね。

-:そのくらいで済んだわけですね。ミッキークイーンの騎乗依頼が来たことが復帰のモチベーションになったというところはあるのでしょうか。

浜:そうですね。前走の阪神牝馬Sの時から、僕が回復する事が出来れば乗せてもらえるという話は頂いていましたので、それはモチベーションになりましたね。

-:ミッキークイーンのレースも観戦されたそうですね。

浜:はい。レースは見ました。

-:その時の阪神牝馬Sは2着でしたが、テレビで観戦されたと思いますが、その印象はいかがでしたでしょうか。

浜:ジャパンカップからの休み明けでしたから、馬体を見たりはしました。結果2着で、久しぶりのマイル戦でしたが、際立つ脚は使っていたので、改めて力は十分示してくれたのではと思います。無事に走ってくれましたし、ホッとした部分はありました。

-:浜中騎手以外ではミッキークイーンも初めてのレースだったわけですが、ルメール騎手とは何かお話されたのでしょうか。

浜:レース後にクリストフと会う時があって少しお話しました。彼も「すごくいい馬だし、次のヴィクトリアマイルは東京だから更にいいんじゃないか」と言っていました。

-:実際に自分以外のジョッキーがミッキークイーンに乗っている姿を見てどのような思いでしたか。

浜:馬に乗っている人ならわかると思うのですが、自分以外の感覚、違う人の感覚というのがどういうものなのか知りたいという意味では興味深いところはありました。レースなので、ずっと自分が乗り続けたいというか、自分だけのものにしたいという気持ちはありましたので、そういう複雑な部分も正直ありました。

-:今度はまたミッキークイーンに跨がれる事になりましたね。

浜:そうですね。またこういう機会を頂けるというのは本当にありがたい話です。

ミッキークイーン

●気分よく絶好の動きだった追い切り 鞍上の感触は?

-:調教でも先週、今週と乗りましたが、様子はいかがですか。

浜:厩舎サイドからも非常に順調に来ているという事だったので、追い切りの動きもよかったですし、馬も競馬の準備が出来ているなという気配は伝わっています。

-:先週、今週と1週間の違いですが、何かあれば教えて下さい。

浜:先週かなりビシッと追いましたので、今週は馬も気合が入っていましたので、そういうところを上手く競馬に持っていけるようにというのを重点的に乗りました。先週よりも、更に馬の雰囲気はよかったと思います。

-:調教の内容ですが、3コーナー手前から半マイルでしたが、どのような指示の内容だったのでしょうか。

浜:指示はマイルから時計を出して、最後の1ハロン馬体を併せてから、体を解そうという意味で、脚を伸ばしたのですが、非常に余裕もあって上がった後息遣いもよかったので、非常に順調だなと感じました。

-:直線は内に入れましたね。

浜:後ろを追走していたので、そこから内を突くというのはいつもの調教パターンです。

-:最後にコチラの時計ですが、12.2秒といつもと同じような時計が出ていますね。

浜:馬もすごく気分よさそうに走ってくれたのでよかったです。

-:G1獲りには万全の状態でしょうか。

浜:馬は前走1度使った上積みもありますし、距離も2度続けて同じ距離ですし、東京に替わるのもいいと思います。状態も上がっていて、G1を獲る態勢というのは厩舎スタッフが仕上げてくれています。僕がいきなり復帰週にG1で、やはり甘くはないと思いますが、一番強い馬に乗っていると思っていますので、病み上がりだから負けたという騎乗をしないように、もう一度いいレースがしたいです。

-:重複する部分があると思うですが、復帰を待たれていたファンの皆さんにメッセージをお願いします。

浜:ケガをして休んでいる間、いつ戻れるかメドが立っていない時は気分も落ちていましたし、リハビリも毎日痛かったので、気分が乗らない時期がありました。復帰を待っているという声を本当に多く頂いたので、何よりもそれが一番励みになって、もっと頑張らないといけないという気持ちにさせて頂き、背中を押して頂きました。東京新聞杯で落馬して、あの時も1番人気だったので、非常に多くの方が馬券を買っていらして、申し訳ない思いがずっとありました。その中で復帰を待っているという声を頂けたので、今週から競馬に戻って、一層いい騎乗をしてご迷惑をかけた分と背中を押してくれた気持ちに応えていきたいと思います。これから、もっと上手くなるので応援して欲しいです。