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後ろをふり返り流して6馬身、レーヌミノルが小倉2歳女王に!
2016/9/6(火)
16年9/4(日)2回小倉12日目11R 第36回小倉2歳S(G3)(芝1200m)
- レーヌミノル
- (牝2、栗東・本田厩舎)
- 父:ダイワメジャー
- 母:ダイワエンジェル
- 母父:タイキシャトル
台風12号で中止もあるのかと思えた週末の天候だったが、意外にもスピードがユックリで、まったく影響のない馬場コンディション。そうなれば、何の心配もないレーヌミノル。デビュー戦で見せたスピードをたっぷりと発揮。33.3で飛ばすナムライアイドルの2番手をガッチリとマーク。4角手前で早くも先頭、直線では悪い内へと入りながらも、その速さは衰えず、オーロラビジョン、そして後ろをふり返って後続を見て、後は流すだけの所作の浜中J。圧倒的強さをみせつけて小倉2歳女王となったレーヌミノル。
イメージは、ドシャぶりの雨の中で行われる2歳Sかと思っていた。それほどに台風12号の進路に入っていた小倉競馬場。ところが今年の台風はユックリがはやりなのか、土曜を終えても進まない。終日良馬場で行われた芝コース。デビュー戦でステッキを1発だけ入れて楽勝のレーヌミノルの独壇場となるだろうと推測した。問題は相手、九州産のカシノマストは一般馬相手に楽勝、3戦目の先週、ひまわり賞を7馬身とぶっちぎり、ここでも十分にやれそうとは感じていた。後はキャリアを積んで変わってきている馬もいるので、やってみないと判らない2歳戦でもある。
スタート自体はレーヌミノルはそう早くはなかったが、二の脚ですぐに前へと出ていく。すでに先頭にはナムラアイドルが立ち、2番手にクインズサリナ。フェニックス賞の勝ち馬だ。内からカシノマストで外からオールポッシブル、ハルクンノテソーロが続く。1ハロンが過ぎて100mほど行った時に、レーヌミノルが少し外へ膨れ、外のクインズサリナが少し頭をあげるシーンがあった。PVで見ると、クインズサリナが弾かれていた。ま後ろのオールポッシブルの頭が横へと流れているから、けっこうなアクシデントなんだろう(浜中Jは50,000円の罰金を科されている)。ナムラアイドルの外へと進路を確保したレーヌミノル。前との差を縮めていく。3ハロン標では、ナムラアイドルの半馬身差まで迫る勢いだ。
前半3ハロンを33.3と、まずまずのペース。メイソンジュニアまでの10頭が前のグループ。そこから3馬身離れて、関東からの遠征馬ドゥモワゼルら2頭、その後ろでキョウヘイが並んだ内にいる。最後方が出の悪かったピーカーリーで、先頭から12馬身ぐらいか。ほとんどの馬が手が動きだしている鞍上なのに、先頭のレーヌミノルと4番手のインにいるカシノマストの手応えがいい。徐々に差を広げると言うか、《この馬のペースで行った》と思えるレーヌミノル。 カーブに入る前に、浜中Jが左手に持ったステッキで軽く肩ムチを入れている。おそらく、《行くぞ》のゴーサインだったに違いないと思える。躊躇なく内へ進路を取っていく。そこらでは手綱を押してはいる。馬に気を抜かせない、そして前へと促している。 コーナーでナムラアイドルを抜いたカシノマストが、ステッキを入れながらクインズサリナの内へと並んできて2番手に上がる。
浜中Jは、手綱で追って追ってラスト1ハロンを過ぎた。1800芝のゲートを置く場所の芝生がなくなって轍になっているところを過ぎて、まだ追う。やがて内のオーロラビジョンを見たが、そこからさらに少し行って、おもむろに左後ろを振り返り、肉眼で後続を確認。馬はもうトップスピードに入ってもいるが、浜中Jは手綱を押す所作をやめて、後は馬のなりでゴールへと向かった。最後の1ハロンが11.9だから、あとコンマ2は詰まったかも知れない。 2着のダイイチターミナルに6馬身の差をつけた。そのダイイチターミナルも道中の手応えは悪くなく、4コーナーで内から上がってきたが、そこで内へもたれだして、鞍上が思いっきり手綱を左へ引くこと2回ほどのシーンを見た。追わないタイムロスがあったから、ポカっと開いていた内へ最初から入っていたら、もっと楽な2着はあっただろう。この馬は東京のデビュー戦で2着の後、福島で2着の後に勝って、先週に美浦で追い切ってから早めに小倉入りしていたもの。
まずは天候が大丈夫だったこと。そして遺憾なく能力を発揮できたこと。レーヌミノルはデビュー戦で違うなと思えた勝ちっぷりのとおり、2歳Sをも勝った。時計も優秀であり、内容もいい。まだ馬は幼く、464キロもある様には見えない。まだまだ良くなってきそうであり、夏の女王だけではない馬だと思える。今年は小倉デビューの2歳馬が面白そう…だ。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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