【京都大賞典】秋始動のキタサンブラック「このひと追いでガラッと」

キタサンブラック

9月29日、栗東トレセンで京都大賞典(G2)の1週前追い切りが行われた。

秋初戦を迎えるG1・2勝馬キタサンブラック(牡4、栗東・清水久厩舎)は調教パートナーの黒岩悠騎手(レースでは武豊騎手)を背にCWコースで長めに追われる。7F97.0-80.7-65.9-51.9-38.3-12.7秒を馬なりでマーク。最後はリード役を務めた僚馬と同入してみせた。

「いつもと同じで1週前は併せ馬で。前に目標を置いて、最後は並んだ形でしっかりとやりました。馬体もいい感じにふっくらと見せている。レースが近づくと、自分で体をつくるタイプだし、このひと追いでガラッと変わってくると思いますよ」と清水久詞調教師も合格点を与えた。

昨秋は菊花賞を制し、有馬記念でも3着に好走。そして、この春は産経大阪杯でクビ差2着、天皇賞(春)をハナ差制し、宝塚記念でも3着。常に着差は僅かなものの、その実績たるや、古馬中長距離界のトップホースといえるものだ。

「大目標のレース(ジャパンC、有馬記念)はまだ先ですが、結果を求められる馬ですからね」と師も語るように、たたき台とはいえ、ぶざまな競馬は見せられない一戦。2戦2勝の京都芝で躍動するキタサンブラックに注目だ。

一昨年のこのレースで2着したタマモベストプレイ(牡6、栗東・南井厩舎)は坂路で助手が騎乗。4F53.7-39.0-25.0-12.5秒をマーク。古馬1000万下と併せて、大きく先着した。

「この前は直線で交わされるかと思ったけど、よく踏ん張ってくれた。年齢的なズブさは出てきてるけど、衰えたって感じはないね。追い切りも良かったし、デキは前走よりもいいと思う。相手は強いけど、今回もヤマカツが引っ張ってくれるならレースはやりやすいね」と南井調教助手

陣営の話題にも出たように、前走は同じく京都大賞典へ向かうヤマカツライデンと相対し、2着に敗退。しかし、3kgの斤量差を思えば悲観するものではない。理想とする流れになれば、まだまだ活路を見いだせそうだ。

3年前の覇者ヒットザターゲット(牡8、栗東・加藤敬厩舎)は従来通り、助手が手綱をとって、坂路での追い切り。一杯に追われ4F54.3-39.6-25.6-13.0秒をマークした。

「札幌記念はホント、いい状態だったんですけど、この馬には馬場が緩すぎた。良馬場ならもう少しやれてたと思います。レース後に少し楽をさせていたし、ちょっと重たい感じもあったけど、来週のひと追いで仕上がってくると思います。開幕週の綺麗な馬場だろうし、乾いた芝で走らせたいです」と清生調教助手

ここ2戦はフタ桁着順に沈んでいるが、馬場が敗因。3走前の目黒記念では休み明けながら3着に好走しており、8歳ながら衰え知らず。そして、鞍上の小牧太騎手も幾度となく口にしているように、内枠が当たればアッと言わせる走りをみせてくれそうだ。