シルクロードS/平林雅芳の目

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日曜京都11R
シルクロードS(GⅢ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.1
勝ち馬:
アルティマトゥーレ(牝6 栗東・奥平雅厩舎)

■またまた横山典Jが重賞制覇。勢いは止まらない!!

このレースの前に馬上の横山典Jに声を思わずかけてしまった。それもヤジである。『エコ・ジョッキー』とである。
この日の淀では10Rと11Rの2頭だけの騎乗。それを冷やかしての行動であるが、彼はニヤッと笑って馬場へと去って行った。

そしてメインの表彰式から引き上げてきた彼とガッチリと握手。そしてもう一度『エコ・ジョッキー』に『えらい遅い流れになったね』と聞くと、『あの位置で抑えたからそうなるよね』と明快な答え。すべては計算づめの騎乗なのだ。
ショウナンカザンの逃げを2番手の自分が抑えればペースは遅くなり、後方馬の追撃が苦しくなる前残りとなる。
ここらに読み勝ちがあったし、それが出来うる馬の体調とそれを信じている鞍上の乗り方。
実際に武豊Jも『4コーナーで前がシンジにノリちゃんで、こちらの手応えも良く、“戴いた”と思った』と感じたそうだ。
それ程に先行馬有利な流れ。このクラスで34.4の前半は犯罪である。

パトロールビデオを何度も見ると、直線入り口ではむしろ逃げたショウナンカザンよりも、2番手のアルティマトゥーレの横山典Jの方が先に追い出している。
相手が仕掛ける前に仕掛けているのが判る。ここらにポイントもあるものだと思う。
上がり3Fは、プレミアムボックスが一番速いものをマークしているが、この馬は最後方からの追走。
上がり2番目に速いアルティマトゥーレで、33.5の強烈な数字である。
後続馬がこの馬を負かすには、33.4以上の切れを出さねばならない。
百戦錬磨の日本一ジョッキーが繰り出す機械の様なペース配分。とても適う訳がない。もちろん前走であったスタートでの後手もなかった。
当たり前の話だが、スタートからゴールまで緻密な計算ずくめのレース内容。
去り際に一言、『簡単さ』とつぶやいたノリちゃん。まぶしくて仕方がありませんでした・・・。
しかし上位3着までが関東馬で、3着もシンボリグランがシャウトラインをインから交わしてのゴール。
強いて言えば、ラインブラッド、シャウトラインの関西馬が、勢い的に少し光明があったかなと思える程度。
この後の高松宮記念は、やはりローレルゲレイロの真打の登場を待つしかなさそうな関西短距離の手駒の薄さを感じました・・・。

これで横山典Jは4週連続の重賞制覇。今年は1月に続いて2月も絶好調。
今週からはリーディングジョッキー・ウチパクJも復活する予定。
関東圏は実に熱いし、厚い層であります。
でも関西もジワジワと気運を持ち上げて行くつもりです。
待っとれよ~!・・・・。