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研究員ヤマノの重賞回顧
2007/6/12(火)
6/9日(土)、東京競馬場で行われた東京ハイジャンプ(障害3歳上、JG2・芝3300m)は、後方からレースを進めた西谷誠騎手騎乗の1番人気メルシーエイタイム(牡5、栗東・武宏平厩舎)が、最終コーナーで先頭に並びかけると、最後の直線ではヨレながらも後続をどんどん引き離し、レコードタイムで重賞初勝利を成し遂げた。
7馬身差の2着には8番人気メジロベイシンガー、さらにアタマ差の3着には10番人気ベストグランチャが入線した。
スタートでダイワウインダムが二の脚を使って果敢にハナに立った。
序盤でワンダーシンゲキが落馬するアクシデントがあったが、その後はレースは淡々と流れて行った。
レースが動いたのは3コーナー手前。
ベストグランチャが仕掛けてハナを奪うも、後方2番手から徐々に押し上げて行ったメルシーエイタイムが最終コーナーで先頭に並びかけると、そこで勝負は決まった。
勝ち時計は3分35秒1(良)のレコード。
これは従来のレコードタイムを2秒1も更新する驚愕のタイムだ。
鞍上の西谷誠騎手とは今回初コンビだったが、馬がいくら好調だと言え、これは余程手が合うのだろう。
メルシーエイタイムはこのところメキメキ力をつけていて、いつ重賞を勝ってもおかしくなかったが、この鞍上との巡り会いをキッカケに一気にブレイクしたと言えよう。
人も馬も突然才能を開花させることがままあるが、それはほんのちょっとしたキッカケから始まるのかもしれない。
6/10日(日)、東京競馬場で行われたエプソムC(3歳上、G3・芝1800m)は、道中好位6番手からレースを進めた田中勝春騎手騎乗の5番人気エイシンデピュティ(牡5、栗東・野元昭厩舎)が、最後の直線でコースの真ん中から早めに仕掛けると、最後までよく伸びて大接戦を制し、3連勝で重賞初勝利に輝いた。
クビ差の2着には2番人気ブライトトゥモローが、さらにハナ差の3着には1番人気サイレントプライドが入線した。
レースはファイングレインが引っぱる淀みない流れとなった。
馬群が一団となった勝負どころの最終コーナーから最後の直線、レースを引っぱっていたファイングレインの脚色はまだ衰えず。
広い東京コースの内外一杯に各馬が広がる、激しい追い比べとなった。
内ラチ沿いを伸びてくるトウショウカレッジ、真ん中を割ってくるエイシンデピュティ、外から脚を伸ばすサイレントプライド、そしてさらに大外を強襲してくるブライトトゥモロー。
ゴール前、エイシンデピュティが僅かに抜けていたのがやっと分かるほどの、ハンデ戦さながらの大混戦だった。
結果、1~3着馬までがタイム差なし、4~6着馬までがタイム差なしだった。
そんな大混戦のレースとなった今年のエプソムCだが、興味深い事実がある。
それは1~3着馬までを独占したのがフレンチデピュティ産駒だったということ。
クロフネに代表されるフレンチデピュティ産駒には、荒れた力のいる馬場を得意とする特徴がある。
大荒れ馬場でのレースとなった今年のNHKマイルCの優勝馬ピンクカメオもこの産駒である。
このあたりが今回のレース攻略の鍵となったことは想像するに容易い。
もう一つポイントを挙げるとすれば、やはり調教ということになる。
優勝したエイシンデピュティ、3着を死守したサイレントプライドは、坂路で抜群の調教を見せていた。
“血統・コース”、“調教”。
なかなか馴染み難いこれらの要素かもしれないが、このあたりを熟考することが、やはり馬券的中へのヒントとなるということを改めて考えさせられる、今回のレースだった。
同6/10日(日)、中京競馬場で行われたCBC賞(3歳上、G3・芝1200m)は、中団 からレースを進めた四位洋文騎手騎乗の10番人気ブラックバースピン(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)が、内目から馬場中央寄りに持ち出して直線で末脚を伸ばし、外目から強襲してくる差し・追い込みを振り切って快勝した。
1/2馬身差の2着には7番人気ナカヤマパラダイスが、さらにハナ差の3着には8番人気アグネスラズベリがそれぞれ入線した。
なお、上村洋行騎手騎乗の1番人気ペールギュントは6着に敗退、スピニングノアールは最後の直線でレースを中止している。
レースは序盤から、スピニングノアール、フサイチリシャール、ナカヤマパラダイス等、先団数頭がごった返す息の入らない流れとなった。
そんな中、最後の直線で内目から脚を伸ばしたのがブラックバースピンだった。
中京コースは今週から仮柵を内にずらして、インコースが有利だと思われていたが、実際には外からの追い込みが決まる馬場状態となっていた。
それを察知したのだろう、各ジョッキーは最後の直線では誰も内ラチ沿いの進路を取るものはいなかった。
これは至極当然の戦法だったのかもしれない。
しかし実際には内目から伸びたブラックバースピンが優勝し、2着3着もセンターや内目の進路を取ったナカヤマパラダイス、アグネスラズベリが入線していて、大外に進路を取った馬は敗れている。
勝負の明暗を分けた一番のポイントは突然の大雨による重の巧拙なのかもしれないが、“インは伸びない”という過剰意識がこの波乱の結末を導き出してしまったとも考えられる。
馬場状態とはまことに“生き物”のように常に変化している。
そんな刻々と変わり行く馬場状態を見極めることは、非常に困難なことかもしれない。
だが、だからこそ、もし見極めることができるなら、それは高配当馬券獲得へ確実に一歩近づけるのかもしれない。
7馬身差の2着には8番人気メジロベイシンガー、さらにアタマ差の3着には10番人気ベストグランチャが入線した。
スタートでダイワウインダムが二の脚を使って果敢にハナに立った。
序盤でワンダーシンゲキが落馬するアクシデントがあったが、その後はレースは淡々と流れて行った。
レースが動いたのは3コーナー手前。
ベストグランチャが仕掛けてハナを奪うも、後方2番手から徐々に押し上げて行ったメルシーエイタイムが最終コーナーで先頭に並びかけると、そこで勝負は決まった。
勝ち時計は3分35秒1(良)のレコード。
これは従来のレコードタイムを2秒1も更新する驚愕のタイムだ。
鞍上の西谷誠騎手とは今回初コンビだったが、馬がいくら好調だと言え、これは余程手が合うのだろう。
メルシーエイタイムはこのところメキメキ力をつけていて、いつ重賞を勝ってもおかしくなかったが、この鞍上との巡り会いをキッカケに一気にブレイクしたと言えよう。
人も馬も突然才能を開花させることがままあるが、それはほんのちょっとしたキッカケから始まるのかもしれない。
6/10日(日)、東京競馬場で行われたエプソムC(3歳上、G3・芝1800m)は、道中好位6番手からレースを進めた田中勝春騎手騎乗の5番人気エイシンデピュティ(牡5、栗東・野元昭厩舎)が、最後の直線でコースの真ん中から早めに仕掛けると、最後までよく伸びて大接戦を制し、3連勝で重賞初勝利に輝いた。
クビ差の2着には2番人気ブライトトゥモローが、さらにハナ差の3着には1番人気サイレントプライドが入線した。
レースはファイングレインが引っぱる淀みない流れとなった。
馬群が一団となった勝負どころの最終コーナーから最後の直線、レースを引っぱっていたファイングレインの脚色はまだ衰えず。
広い東京コースの内外一杯に各馬が広がる、激しい追い比べとなった。
内ラチ沿いを伸びてくるトウショウカレッジ、真ん中を割ってくるエイシンデピュティ、外から脚を伸ばすサイレントプライド、そしてさらに大外を強襲してくるブライトトゥモロー。
ゴール前、エイシンデピュティが僅かに抜けていたのがやっと分かるほどの、ハンデ戦さながらの大混戦だった。
結果、1~3着馬までがタイム差なし、4~6着馬までがタイム差なしだった。
そんな大混戦のレースとなった今年のエプソムCだが、興味深い事実がある。
それは1~3着馬までを独占したのがフレンチデピュティ産駒だったということ。
クロフネに代表されるフレンチデピュティ産駒には、荒れた力のいる馬場を得意とする特徴がある。
大荒れ馬場でのレースとなった今年のNHKマイルCの優勝馬ピンクカメオもこの産駒である。
このあたりが今回のレース攻略の鍵となったことは想像するに容易い。
もう一つポイントを挙げるとすれば、やはり調教ということになる。
優勝したエイシンデピュティ、3着を死守したサイレントプライドは、坂路で抜群の調教を見せていた。
“血統・コース”、“調教”。
なかなか馴染み難いこれらの要素かもしれないが、このあたりを熟考することが、やはり馬券的中へのヒントとなるということを改めて考えさせられる、今回のレースだった。
同6/10日(日)、中京競馬場で行われたCBC賞(3歳上、G3・芝1200m)は、中団 からレースを進めた四位洋文騎手騎乗の10番人気ブラックバースピン(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)が、内目から馬場中央寄りに持ち出して直線で末脚を伸ばし、外目から強襲してくる差し・追い込みを振り切って快勝した。
1/2馬身差の2着には7番人気ナカヤマパラダイスが、さらにハナ差の3着には8番人気アグネスラズベリがそれぞれ入線した。
なお、上村洋行騎手騎乗の1番人気ペールギュントは6着に敗退、スピニングノアールは最後の直線でレースを中止している。
レースは序盤から、スピニングノアール、フサイチリシャール、ナカヤマパラダイス等、先団数頭がごった返す息の入らない流れとなった。
そんな中、最後の直線で内目から脚を伸ばしたのがブラックバースピンだった。
中京コースは今週から仮柵を内にずらして、インコースが有利だと思われていたが、実際には外からの追い込みが決まる馬場状態となっていた。
それを察知したのだろう、各ジョッキーは最後の直線では誰も内ラチ沿いの進路を取るものはいなかった。
これは至極当然の戦法だったのかもしれない。
しかし実際には内目から伸びたブラックバースピンが優勝し、2着3着もセンターや内目の進路を取ったナカヤマパラダイス、アグネスラズベリが入線していて、大外に進路を取った馬は敗れている。
勝負の明暗を分けた一番のポイントは突然の大雨による重の巧拙なのかもしれないが、“インは伸びない”という過剰意識がこの波乱の結末を導き出してしまったとも考えられる。
馬場状態とはまことに“生き物”のように常に変化している。
そんな刻々と変わり行く馬場状態を見極めることは、非常に困難なことかもしれない。
だが、だからこそ、もし見極めることができるなら、それは高配当馬券獲得へ確実に一歩近づけるのかもしれない。
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