キャリア5戦全て上がり最速カデナ 圧巻末脚でクラシックへ堂々名乗り!

弥生賞

●3月5日(日) 2回中山4日目11R 第54回 弥生賞(G2)(芝2000m)

4月16日(日)に行われる皐月賞(G1)の優先出走権をかけて行われた弥生賞(G2)は1番人気に支持されたカデナ(牡3、栗東・中竹厩舎)が差し切り。明け3歳初戦を制し、重賞連勝を決めた。

序盤はマイスタイルが引っ張るゆったりとした展開。レース後、福永祐一騎手が「今日は折り合いをつけつつ、しっかり脚が溜まることをテーマにした」と振り返ったようにカデナは後方待機。向こう正面では折り合いをつけるようにジックリと追走すると、3コーナー過ぎから徐々に進出。スローの団子状態だったため、4角は大外を回る形になったが、なんのその。直線では急坂にモタつくシーンも、坂上からグンとひと伸び。ゴール前で2着馬を交わし去った。

「先生(中竹調教師)とも『もう、ひと追い欲しい』と話していたけれど、結果的に正解でしたね。返し馬での感触も良く、調教の印象より動けるなと思いました。オーナーにも鞍上に指名していただき、理解のもと、調教から携わらせてもらって、厩舎とも一体感をここまでやってきました。以前よりも馬との関係性も良くなったと実感しましたよ」と福永騎手。約3ヶ月ぶりの実戦を制し、充実感をにじませた。

ここまでキャリア5戦をオール連対。そして、上がり最速の末脚を繰り出し、3勝目をマーク。クラシック第1冠目と同じ舞台をクリアし、一躍、牡馬路線の主役候補に躍り出たといっても過言ではないだろう。しかし、主戦は「まだ、食いの細いところがあるし、G1ともなれば、後方からの大雑把な競馬だけでは簡単に通用しないでしょうからね。持ち味を活かしつつ、もっとレベルアップさせたい」と課題を口に。求めるレベルが高いからこその裏返しともとれるジャッジは、クラシックを強く意識しているからこそだろう。

そして、鞍上もケガからの復帰週に早速重賞を制覇。かっこうの全快アピールとなったが、「痛みもないですし、ずっとトレーニングを続けていたほどで、ケガする前より調子が良かったくらいです」と刻一刻と迫る春シーズンへ腕をぶした。

未だ混戦ムードの今年の3歳牡馬路線。昨年の弥生賞の覇者・マカヒキと同じ父ディープインパクト、母父フレンチデピュティの血統馬は更なる飛躍を目指し、まずだ第一関門をこの上ない結果でクリアしてみせた。

【中竹和也調教師のコメント】
「ジョッキーは休み明けを心配していましたけど、身体は10kgくらい増えているのかと思ったら、同じ目方でしたね。それでも、休みの間に身体が成長して、メリハリがついてきましたよ。スローだったし、今日は折り合いをつけられればと思っていたのでレースぶりは十分ですね。終いは切れると思っていたので。トライアルを意識した仕上げでしたし、ひと叩きでもっと良くなってくるでしょう」

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2月5日のきさらぎ賞で落馬 左肘内側側副靱帯と診断され、休養していた
福永祐一騎手だが、復帰ウィークに早速重賞制覇となった

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ノースヒルズの前田幸治代表とガッチリ握手

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