【天皇賞(春)】キタサン&武豊連覇へ向け「昨年よりも強くたくましく」

キタサンブラック

26日、天皇賞(春)(G1)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。

今年緒戦となった大阪杯を制したキタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)は、1番人気に応える見事な走りで初代王者に輝いた。今回もこれまで同様黒岩騎手が騎乗し、CWでの最終追い切り。7F98.9-82.0-66.4-52.1-39.1-12.1秒と素軽い動きを見せ、併せ馬相手を0.5秒追走して、0.1秒先着する形でフィニッシュ。

中3週とは思えない、びっしりとした調教を消化して、絶好調ぶりを猛アピール。昨年暮れの大一番、有馬記念で、惜しくも敗れたサトノダイヤモンドとの再戦に注目があつまる。今回は前回とは違い同斤量での1戦だけに、本当の力と力のぶつかり合いだ。


追い切り後、キタサンブラックに騎乗する武豊騎手の一問一答は以下の通り。

●昨年より更にたくましく

-:前走の大阪杯は見事の勝利でした。

武豊騎手:いい走り出来ましたね。

-:今回はG1に格上げされてのレースでしたが、完勝という風に見えました。

武:状態も非常によかった事もありますし、結果も内容もよかったですね。

-:大阪杯では3番手からの競馬になりました。

武:先手を取る形なら取ってもいいし、他が行くようなら、という気持ちで乗りました。いい形でした。

-:逃げてよし、控えてよしという馬ですよね。

武:レースは乗っていて頼もしいというところがありますね。

-:キタサンブラックにとってこれで4つめのG1タイトル。名馬の域に入ってきました。

武:ずっとしっかり走ってくれる馬なので。私は1年乗せてもらいましたが、すごい馬だなと改めて思います。

キタサンブラック

-:去年の天皇賞春を振り返って頂きたいのです。

武:昨年大阪杯で初めてコンボを組ませてもらって、2着からの参戦だったのですが、1枠1番から先手を取る形で競馬をしました。直線で1度交わされたのですが、また差し返してくれて、非常に嬉しい勝利でした。

-:3200mを至難の業、逃げ切り勝ちという形になりました。

武:簡単にできる事ではないと思うので、底力がある馬だなと思いました。

-:先程武騎手からも差し返してという言葉が出ましたが、絡まれてからのこの馬の本領発揮というのですか。

武:ただ、1年経って馬自身も強さを増していると思いますし、全体的に強くなっていると思います。

-:普通逃げ馬というのは捕まってからモロいケースが非常に多いのですが、もちろん武騎手がその辺りを計算して余力を残してらっしゃるのでしょうが、この二の脚が使えるというのは強みじゃないでしょうか。

武:はい、そう思いました。

-:今年の天皇賞春に向けて最終調整が行われました。馬の状態についてはどういう風に聞いてらっしゃいますか。

武:前走後も変わらずで、前走もすごくいい状態でしたし、ずっと順調に来ていると。今日も最終追いきりいい形で出来ましたと報告がありました。

-:その報告を受けてどう思いました?

武:特に変わらず来ているという事が嬉しいですね。

キタサンブラック

▲これまで通り黒岩騎手を背に最終調整を行うキタサンブラック

-:今年の天皇賞春は、昨年以上に素晴らしいメンバーが揃いました。

武:そうですね。盛り上がると思います。

-:もちろん強い馬何頭もいますが、中でも菊花賞馬サトノダイヤモンドの存在はどういう風に映りますか?

武:当然みなさんが思うように、本当に強いですし、2強対決という図式だと思いますね。

-:サトノダイヤモンドの存在というのは気になるようですね。

武:気になるというか、すごく強い馬ですからね。

-:一度お手合わせした有馬記念。今回は斤量が同じになります。

武:そうですね。はい。

-:関係はありませんか?

武:どうでしょう。わからないですけど、有馬記念では悔しい思いをしました。負けたと言ってもわずかの差でしたし、競馬なのであれぐらいの差はなんとかならなかったかなとレース後は非常に悔しかったですね。

-:もちろん武騎手の事ですから、その辺りを踏まえてレースを迎える事になるのでしょうね。

武:ただ今年緒戦の大阪杯をいい形でレース出来ましたし、1年前のキタサンブラックと比較して、自分で思い返しても今の方が強さを感じますし、本当にたくましくなったなと思いますね。

-:もしよろしければ、どの辺りが具体的に強くなったのか教えて頂けますか。

武:体も少し大きくなりましたし、たくましさがありますね。レースも非常に安定しています。

-:平成の盾男と言われて久しい武騎手ですが、今回連覇という事になると、春は8勝目。通算で13勝目という事になるのですね。

武:そうなればいいですよね。

-:改めて、数多くのキタサンブラック、そして武騎手のファンが数多くいるかと思います。今回天皇賞春へ向けての抱負を今一度お願いします。

武:本当に大一番ですし、キタサンブラックらしい走りをとにかくさせたいという気持ちとまた勝って北島オーナーと表彰台に上がりたいですね。

キタサンブラック

▲黒岩騎手も仕上がりの良さに太鼓判を押す

キタサンブラック