【NHKマイルC】アエロリットでGI初制覇の菊沢師「ノリさんとの夢叶った」

アエロリット

●5月7日(日) 第22回NHKマイルカップ(G1)(芝1600m)

3歳世代マイラーの頂点に輝いたのは、重賞初制覇がG1となったアエロリット(牝3、美浦・菊沢厩舎)。終わってみれば牝馬のワンツー決着で、下馬評通りに牝馬戦線のレベルの高さを強調する結果となった。

抜群のスタートを切ったアエロリットは馬なりのままポジションを取りに行くと、内から前を主張するボンセルヴィーソ、トラストを見る形で折り合いに専念。 騎乗した横山典弘騎手も「元々スタートは速いタイプだから驚かないですけど、速すぎましたね」と愛馬の競馬センスの高さを再確認。

続けて、「内が開幕からあまり経っていないけどボコボコしていたので、外の伸びるところを選びました」と話すように、終始外々を回りながらの競馬。それでも手が動く気配もなく、抜群の折り合いから4角で先頭に並びかけた。それに対し、菊沢隆徳調教師は「3角から4角まで行きっぷりが良く、ノリさんには珍しく早く仕掛けたなと思いました」と振り返るが、スムーズな競馬で直線を迎える。

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直線で先頭に立つとフラフラするところがあるとの事だが、「エネルギーを余したくなかった」との横山典騎手の思いに応えるかのようにアエロリットは直線で更にひと伸び。先行しながらも上がり3位の脚を繰り出し後続の追撃を退けた。

3番人気に支持された事に対し、菊沢調教師は「多くの方に支持して頂いて、これで負けたらどうしようと不安もありましたが、結果を出す事が出来てよかったです。これからも応援して下さい」とファンへ向けてコメント。

鞍上の横山典騎手も「返し馬から厩舎スタッフがしっかり仕上げてくれたのを感じました」と抜群のデキを評価した。

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この春は休養予定と話すが、今後の話になると横山典騎手は「僕にしかわからない事と思いますが、まだまだ良くなると思います。秋はもっと良くなりますよ」と力強く語る。菊沢調教師も距離が伸びても可能性はあると話し、秋華賞へと更に期待が膨らむ。「何よりも無事に、馬の成長を遂げてくれればと思います」とG1トレーナーへと導いてくれた愛馬に対し噛みしめるように語った。

そして、横山典騎手に対し、「騎手時代からお世話になっている方で、ジョッキーとしては敵わないなと思って調教師になりました。いつか大舞台で乗って頂けるようになりたいと思っていたので、ひとつ夢が叶って嬉しいです」と胸中を明かした。

横山典騎手にとっては、これで3度目のNHKマイルC制覇。前回同様クロフネの仔を勝利に導いた。今年は次男の横山武史騎手がデビュー。父の存在をまたひとつ大きくする勝利となった。

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