【スプリンターズS】レッツゴードンキ急上昇「馬が上手に体を作ってくれた」

レッツゴードンキ

▲坂路を駆け上がるレッツゴードンキ

27日、スプリンターズS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

追い切り後、レッツゴードンキ(牝5、栗東・梅田智厩舎)を管理する梅田智之調教師の一問一答は以下の通り。

●夏場は疲労回復に専念

-:いよいよ秋のG1シリーズが始まりますね。

梅田智之調教師:はい、楽しみです。

-:レッツゴードンキにとっては、ヴィクトリアマイル以来の実戦となります。まずはこの間、馬がどうしていたかを教えてください。

梅:ヴィクトリアマイルのあとに夏場は休養させる予定だったんですけど、レース後のダメージが思ったよりもキツくて、夏場はかなりダメージを取るのに牧場の方で専念しました。

-:それだけヴィクトリアマイルは激しい競馬になったということでしょうか?

梅:そうですね、ヴィクトリアマイルというより、もうひとつ前の高松宮杯で疲れたままいったのかと。それでヴィクトリアマイルも思ったほど走らなかったので、よくよく考えたら、もうひとつ前のレースからのダメージを引きずったままの競馬だったのかなと思ってます。

-:先にうかがいますが、その高松宮記念は激しい競馬になりましたよね?

梅:そうですね、馬場も悪かったし、それでも一生懸命走ってくれたんで、その疲れがたぶん残っていたんだと思っています。

-:勝ち馬とは1馬身1/4足りませんでしたけれども、あらためてこの馬のパフォーマンスみたいなものを感じたんではないでしょうか?

梅:そうですね、ジョッキーもあそこしかないところを突いてくれたので、勝った馬とは着差はありましたけど、逆転できない差でもないなと思っています。

-:その春の激走を経て、牧場で休んで厩舎に帰ってきました。厩舎に帰ってきてからはどうでしょう?

梅:夏場は札幌競馬場に入れて、札幌から栗東に帰って来たんですけれども、札幌に入れた時点では、間に合うかなという感じでいたんですけどね。そこから順調に上昇してきてくれました。

●帰厩後は「良化が早かった」

-:そのあたりは、馬のほうも「さあ、これからレースをするぞ!」というような感じが出てきたんでしょうか?

梅:それはやっぱり古馬なんで、トレセンに入ってそういう関係になっていくと、自分で「レースは近いな」とかわかるんで、自分で体を作ってくれているんだなと思って。そこから、良化が早かったです。

-:それにしても、帰ってから先週ですか、CWでかなり強めに追われたようですが?

梅:それは、ちょっとスイッチを入れる意味もあったし、その時点で体もだいぶ余裕があったんで、まあ荒療治のような方法で、そこで馬が上昇するかダメージを食らうかやったんですけど、上手に馬が体を作ってきてくれたんで良かったと思ってます。

-:先週のCWの長めの追い切りを受けて、直前の今朝になりますけれども、坂路での調教になりました。

梅:そうですね、普段1週前はジョッキーに乗ってもらってビシッといって、その週はジョッキーを乗せるか乗せないかというところだったんですけど、今回は夏場の調整過程もあって、今日岩田騎手に乗ってもらうことになりました。坂路でやったのは、輸送もあるし、そのへんは予定どおりです。

-:今朝の坂路も、かなり最後にいい脚を使っていました。

梅:前半ある程度控えめに行けたし、終いあれくらいは動くんですけども、前と比べてジョッキーとコミュニケーションが取れるというか、前はもう下ろしがけからガムシャラに突っ走っていたところが、だいぶスムーズに折り合いながら来られたんで、レースにもそういうイメージで乗ってもらえると思います。

レッツゴードンキ

-:そのあたり、精神的にもレッツゴードンキは成長しているわけですね?

梅:そうですね、もう5歳の牝馬なので、そのへんはだいぶ若い時と違って、折り合いはつくようになりました。

-:この馬はもちろん2015年の桜花賞馬、そのタイトルを持っている馬ですが、桜花賞を勝った後、少し伸び悩んだ時期もあったように思えましたが?

梅:そうですね、あのへんはやっぱりクラシックを勝ったからオークスに行ったりとか、要は自分のあまり得意じゃないところへ行っていたのが、あのレースの結果と、チグハグな成績になってしまって、それを引きずっていたので、ちょっとそのあと一時スランプが長かったですけど、自分の得意なところへ持っていってからは、そんなにポカをしなくなりました。

●体重増えてスプリンター体型に

-:ただ我々はレッツゴードンキの適性なんですが、芝良し、ダート良し、マイル良し、1400mも1200mも良し。どの距離、どの条件が一番合うんでしょうか?

梅:そうですね、僕らは1600mくらいまでだったら折り合いさえつけば大丈夫だと思ってますし、まあ、一番1400mあたりぐらいが合っているのかなと思いますね。

-:とはいえ、春の高松宮記念で惜しい2着もありましたし、スプリンター(の可能性)というのは?

梅:そうですね、体つきはそういう感じに桜花賞を勝った時と比べると、だいぶそういう感じになってきているので、デビュー当初は450キロしかなかった馬が、前走でも500キロをちょっと切るくらいに50キロくらいは増えてるんで、そのへんはスプリンターの体型になってきていると思うし、デビュー当初からいずれそうなるだろうなと思っていました。

-:馬体重の話が出たところで、今回馬体重そのものは前走とくらべてどうなんでしょう?

梅:高松宮記念が500キロを超えていたんで、その後マイナス10キロくらいでしたかね、今日体重を量った時点で510キロ少しあるんで、前走より10キロぐらい増えてレースに出られると思います。

-:それは梅田調教師にとっても、いい事だという感触なんでしょうか?

梅:そうですね、これだけしっかり乗り込んで飼葉もしっかり食べているんで、いい事だと思います。

-:そうすると、今の時点で心配点というものはほとんどないでしょうか?

梅:輸送も何回もしていますし、ジョッキーも何回も乗っているので、あとはレースをスムーズに走ってくれたら。それだけですね。

-:この秋最初のG1競走となります。スプリンターズSに向けて抱負をお願いします。

梅:桜花賞の後、大きなタイトルを欲しくてずっと厩舎一丸となってやってますので、このへんで本当に何とか、桜花賞馬の名に恥じないように、活躍してもらいたいと思っています。