【スプリンターズS】再び上昇メラグラーナ「状態の良さを肌で感じている」

メラグラーナ

27日、スプリンターズS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、セントウルS4着のメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)は、大下智騎手(レースでは戸崎圭太騎手が騎乗予定)を背にラストを伸ばす攻めで4F53.5-38.2-24.5-12.3秒でフィニッシュ。初重賞制覇となったオーシャンSのあと、高松宮記念、CBC賞とともに10着と敗れたが、セントウルSは上がり3F32.4秒の豪脚で差のない4着。中間の気配からも、これが本来の姿といっていいだろう。

池添学調教師も「前走後からここまで、レースを使ってシッカリと上積みもありますし、状態の良さを肌で感じている」と確かな手応えを掴んでおり、厩舎に初勝利、初重賞Vをもたらした孝行娘が3戦3勝の中山でG1初Vへ挑む。

追い切り後、管理する池添学調教師の一問一答は以下の通り。

●前哨戦を好内容でクリアして更に楽しみに

-:いよいよG1ですね。まずはG1を迎えるにあたって前哨戦のセントウルSから伺いたいのですが、どういうふうに受け止めていますか?

池添学調教師:その前2走で惨敗が続いていたので、メンタル面なのか、もしくは馬場の影響なのか、自分の中で半信半疑だったのですが、いい走りをしてくれたので、前2走の惨敗は馬場の影響があったのかと。

-:その前の馬場というのは、中京での2戦となります。ちょっと馬場が合いませんでしたか?

池:直前に結構雨が降りまして、精神的にキックバックを食らったりするとモロい面がでるので、それが影響したのではないかと思っています。

-:そして前走のセントウルS。勝ち馬からはコンマ2秒で2着馬とはほとんど差がありませんでした。

池:終いはシッカリと脚を使えましたし、直線で進路を迷った分もあったので2着には届きませんでしたが、ここを使ってもっと良くなるという手応えはあったので、恥ずかしい競馬をしないで良かったと思います。

メラグラーナ

-:「これならG1で戦える」そんな気持ちでしょうか?

池:状態面は決して完璧ではなく、1回叩いて良くなるという手応えはあったので、更に楽しみになりました。

-:先週、CWで追いました。

池:前走、ちょっとコーナーで内にササるところがあったので、その辺の確認をしたかったので3頭併せで。馬も元気一杯だったので、単走にしようかと思ったのですが、併せ馬で気合を付ける程度で。時計は終いだけだったですけど、動きは申し分なかったです。

-:それを受けて今週は坂路での調教。

池:オーバーワークだけを気を付けて、いつものパターンで。騎乗してくれた大下くんには何も支持を出さず、「いつもの感じで」という支持でした。

-:時計云々ではなく内容的にはどうですか?

池:弾むようなキャンターをしていましたし、時計も「やればいくらでも出る」と言っていたので、その辺の折り合いとオーバーワークに気を付けて、気分良く走らせてもらいました。

-:メラグラーナという馬はデビュー時から順調ではありましたが、特に去年の夏あたりから急成長してきた、そんなイメージがあるのですが。

池:千二に使い出したのと、終いを生かす競馬をしてから、メキメキと力を付けてきて、去年のセプテンバーSで勝った後に福永騎手が「来年のスプリンターズSが楽しみ」と言ってくれたので、ここを目標に調整して来れたと思います。

-:そのあたりから、やはりスプリンターの適性があると。

池:距離的には今の脚質ならマイルまではこなせると思いますが、本来はスプリンターなのかなと思います。

-:この馬はオーシャンSを勝っていますが、特に中山で相性がいいじゃないでしょうか?

池:中山は3戦3勝なので。大跳びで広いコースの方がいいかなと自分の中では思っていたのですが、道中でブレーキをかけると立て直すのに時間が掛かるので、その辺、中山コースだと早めに進路を確保して外を回してくれるので、そこが合っているのではないかと思います。

-:このG1の舞台というのは大きな目標だと思いますが?

池:そうですね。でも僕が気負っても仕方ないので(笑)。

●思い入れの深い馬で2度目のG1挑戦

-:メラグラーナは厩舎にとって開業初勝利の馬でもありますし、初重賞の馬でもありますよね?

池:自分の中では厩舎を開業する前から自分自身が世話をしたので、思い入れは本当に深い馬ですね。

-:改めてデビュー戦からここまでの過程で、着実に上がってきている?

池:もちろん南半球産馬ということで、体の成長はもちろんですが、精神面の成長もシッカリしてきました。デビュー当初は体が弱くて数を使えず、カイ食いもあまり良くないと。その辺が全て解消されて本格化したなという手応えはあります。

-:5歳秋ではありますが、南半球産の分、もうちょっと若い。そんなイメージでしょうか?

池:半年遅いので。

メラグラーナ

-:条件が付くとすれば、やはり良馬場でやりたい?

池:過去のレースぶりを見ても、良馬場ですね。良馬場を望みます。

-:その他に条件が付く部分は?

池:馬込みでゴチャつくのだけは避けたいですが、ペースも速くなると思うので、後ろからの競馬になると思いますが、ジョッキーも百戦錬磨ですし、うまく捌いてきてくれると思います。

-:G1スプリンターズを迎えるにあたって、楽しみと心配どちらの方が大きいですか?

池:両方大きいですね。でも無事にレースを終えて厩舎に戻ってきてくれれば、それで十分です。

-:スプリンターズSに向けて、今回の抱負をお願いします。

池:前走後からここまで、レースを使ってシッカリと上積みもありますし、状態の良さを肌で感じているので、当日天気が良くて、皆さんに競馬場に足を運んで応援していただければ幸いです。