【天皇賞(秋)】シャケトラ宝塚記念時とは別馬「メチャクチャ柔らかくて良い」

シャケトラ(牡4、栗東・角居厩舎)が、10月22日の天皇賞(秋)(G1)で悲願の初タイトルを狙う。宝塚記念(4着)以来の実戦だが、天皇賞(春)から続いた激戦の疲労を取って臨む今回は状態面に不安はない。上村調教助手を独占取材し、レースに向けた手応えを聞いた。

●天皇賞(春)の後が「一番ダメージが酷かった」

-:天皇賞(秋)に出走するシャケトラについてお聞きします。状態はいかがですか?

上村調教助手:良くなっていますよ。ずっと休み休みで、半年掛けて3回とかしか使ったことがない馬が、春はG1を2戦してけっこう堪えたんですよね。馬が硬くなったし、天皇賞(春)の後が一番ダメージが酷くて、(疲労が)残っていました。

-:それは出ていた全馬に言えることですか?

上:ノーザンファームに返したんですけど「天皇賞(春)を使った馬でシャケトラはまだマシな方」と言われたぐらいでした。やっぱり宝塚記念の前も硬くて、その時は全然そんなことは言わなかったですけど、正直別馬でしたね。だから、キタサンブラックと真っ向勝負をして、阪神も合っているんでしょうけど、多分かなり力は付けていると思いますね。

-:休養を挟んで、馬体重はどれぐらい増えていますか?

上:多少は成長分もあると思うんですけど、春よりも数字だけで見たら30キロは増えていると思います。

-:輸送をしてどうでしょうか?

上:たぶん輸送をして10キロぐらい減るんですけど、プラス10キロぐらいで出られるんじゃないかなと思います。

-:元々、成長的には遅かった馬ですからね。

上:まだまだ馬体も完成されていないですよね。ちょっとキ甲が抜けているかなと思いましたけど、まだまだですね。

-:まだ全体的に緩めの所はありますか?

上:緩いのはだいぶ解消されてきて、春先に厳しい競馬をして、今は緩さはほとんどないですね。100%かと言われればまだそうではないけどね。

-:体型的にもう少し奥がある感じですか?

上:まだ背丈が伸びても良いぐらいかなという感じですけどね。

-:これからまだ伸びますか?

上:まだまだ伸びそうな感じですね。

-:完成されてくれば、3200mでも全然大丈夫そうですが?

上:そうですね。天皇賞(春)はイレ込み過ぎました。枠(1枠1番)も逆に悪かったですよね。そう考えると、かえって外枠の方が良かったかもしれないですね。ジョッキーも「前に行きます」と言っていましたから。それで出遅れてしまったから、焦って引っ掛かって。

-:そこからのリカバリーもちょっとぎこちない感じになってしまいましたね。宝塚記念がそんなに悪い状態だとは思いませんでした。

上:宝塚記念は右肩が全然出ていなかったので。

-:精神的にも不安はないですか?

上:賢くて、悪いことはしないので、オン、オフの切り替えはシッカリしているのでね。精神状態は何の不安もないです。

-:使い詰めると変わったりしないですか?

上:そこは今回の課題ですね。G1に3戦行くのが、まだまだ未知の所なので、今までは条件戦を休み休み使っていた馬が、春先にやっとG1を2回連続で使って、それでちょっとガタッと来たので。

-:まずは秋初戦の天皇賞(秋)ですね。

上:今までは楽な競馬しかしたことがなかったので、天皇賞(春)と宝塚記念を使って、58キロ背負ってだいぶ厳しい競馬をやって、今回はリフレッシュして馬はメチャクチャ柔らかいですし良いですよ。乗っている人も「今までで一番良い」「何の不安もない」と言っています。