【天皇賞(秋)】最後の秋を迎えるキタサンブラック武豊「3戦全て勝つ気持ち」

キタサンブラックに騎乗する武豊騎手

キタサンブラックに騎乗する武豊騎手

25日、天皇賞(秋)(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、宝塚記念9着のキタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)は、黒岩悠騎手(レースでは武豊騎手が騎乗予定)を背にCWコースで2歳新馬のヒシコスマーを0.5秒追走し、6F83.7-68.1-53.6-39.5-12.7秒で同入フィニッシュ。鞍上、陣営ともに「順調」と声を揃えるように、軽快なフットワークを見せている。

このレースとジャパンC、有馬記念の3戦で引退、種牡馬入りする事が既に発表され、この秋がラストシーズンとなる。天皇賞は春秋連覇、ジャパンCは2連覇がかかり、有馬記念は2年連続惜敗を喫していて、陣営とすればどのレースも負けられない一戦。その勇姿をしっかりと目に焼き付けたい。


追い切り後、武豊騎手の一問一答は以下の通り。

宝塚記念9着も「競馬はこういうこともある」

-:先日、引退を発表されまして、集大成のシーズンが始まりますが、今のお気持ちはいかがでしょうか?

武豊騎手:楽しみにしていた秋シーズンなので、いよいよだなという感じです。

-:引退するということで感慨深さなどはありますか?

武:今、引退するわけではないので(笑)。まずはレースへ向けて、全力で挑みたいという気持ちです。

-:春、新しく新設された古馬王道路線の3冠ですが、大阪杯を勝たれて、天皇賞(春)と連勝されましたが、改めて振り返っていただけますか。

武:大阪杯、天皇賞と本当に強い勝ち方をしてくれて、改めてこの馬の強さを再認識したのですが、宝塚記念は、期待はしていたのですが、残念な結果になってしまって…。全部勝つのは難しいなと改めて思いました。

-:清水調教師は宝塚記念に関して「これといった敗因というのが見つからなかった」と話していたのですが、武さんご自身はいかがでしょうか?

武:馬の状態も良かったと思いますし、特に何かあったわけではないので、競馬はこういうこともあるなと思いましたね。

-:その後、あまり悲観はしていないというコメントもあったのですが、そういうお気持ちだったいうことでしょうか?

武:そうですね。

宝塚記念の雪辱に燃えるキタサンブラック

宝塚記念の雪辱に燃えるキタサンブラック

-:その後は休養に入って、秋は天皇賞(秋)からということになりますが、今の具合などは伝え聞いていらっしゃるのですか?

武:僕は乗っていないのですが、入厩してからも順調にここまで来たと聞いています。

-:これから天皇賞(秋)に挑まれるわけですが、東京2000mという舞台になります。東京は去年のジャパンCで強かった舞台です。

武:各馬にいえることですが、凄く馬の力を発揮しやすいコースというか、逆に言えば、実力がないと勝てないコース、距離だと思いますし、そういう意味ではキタサンブラックにとってはいい舞台だと思います。

-:ジャパンCでの強さというのは非常に際立っていました。

武:そうですね。強かったですね。

-:そんな中で、台風も近づいております。馬場状態を懸念するようなところはありますか?

武:出来ればいい天気でやりたいですが、こればかりはどうしようもないので、その時の状況に合った騎乗をしたいと思います。

名手にとっても大きい存在、中心になっている馬

-:これだけの馬なので、注文を付けることはないと思いますけども、1枠1番を引くことが多い印象を受けますが、希望が叶うなら枠というのはいかがでしょう?

武:もし希望が叶うなら内枠がいいですね。東京の2000mは内枠の方がレースを組み立てやすいです。

-:春のマイル王者など、メンバーも豪華ですが、相手関係に関してはいかがでしょう?

武:もちろん、天皇賞ですから凄い馬が集まったなと思います。

-:その中でも、現役最強馬として負けられないという、そんなお気持ちでしょうか?

武:他の馬も強いですが、昨年の年度代表馬ですし、この秋は海外遠征をせずに国内で全力投球ということもありますから。当然これだけの馬なので、結果を求められる立場と思っていますから、そう思って乗りたいです。

キタサンブラック

-:清水調教師も2000mもG1を勝ちますし、3200mでも勝っていますから、自分自身もベストの距離は分からないとおっしゃっていたのですが、武さんもそんなお気持ちですか?

武:本当にいろんな距離で勝たせてくれて、どの距離でも強いレースをしている馬ですから。でも2000mは凄くいいとは思いますけどね。

-:まだ3戦ありますから、振り返るのは早いという話もありましたが、改めてどんな存在でしょう?

武:昨年からコンビを組ませてもらっていますが、昨年、今年と僕自身にとっても大きい存在というか、中心になっている馬なので、その馬のラストシーズンということですから、結果を出したいですね。勝たなければならない馬だなと思っています。

-:実績、人気を見ると、名馬の定義が分かりませんが、そういう馬なのかと思います。そういったものは感じますか?

武:もちろんそうですね。人気も凄くありますし、ファンの多い馬ですから、そのファンに喜んでもらえるレースをしたいですね。

-:そのファンが秋初戦を楽しみにしています。最後にメッセージをお願いします。

武:いよいよキタサンブラックの秋の始動ということで、これから3戦全て勝つ気持ちで乗りたいと思います。