【有馬記念】シュヴァルグランに継続騎乗のボウマン「思った以上にギアの入りがよかった」

ボウマン騎手

ジャパンCに続きシュヴァルグランの手綱を執るボウマン騎手

20日、有馬記念(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走のジャパンC(G1)で悲願のG1馬となったシュヴァルグラン(牡5、栗東・友道厩舎)は、助手を背に栗東坂路で古馬500万下の僚馬ハイドロフォイルとの併せ馬を行い、4F54.0-39.5-25.8-12.9秒をマーク。0.5秒追走からしっかりと先着し、万全の態勢であることをアピールした。

追い切り後、シュヴァルグランに騎乗するH.ボウマン騎手の一問一答は以下の通り。

●「(ジャパンCでは)グンと加速して長くいい脚を使えました」

-:シュヴァルグランと挑む有馬記念、今のお気持ちを聞かせてください。

ボ:ジャパンCのレース前にこの馬の状態がいいと思っていたので、非常にいい結果に終わったことで、今回も状態がいいと聞いているので、期待して臨みたいと思っています。

-:そのジャパンCは本当に強いレース内容でした。改めて振り返ってください。

ボ:馬の状態がいい中で、テン乗りだったんですけど、馬に乗ってみて、実際のレースで無駄にパワーを消耗することなく、道中で掛かることなく走れたというのが今回の有馬記念にも当てはまるだろうし、中山芝2500mの条件でもこなしてくれると思うし、ジャパンCの結果がそのまま有馬記念にも当てはまってくれればいいなと思います。

-:この馬のストロングポイントというのは折り合いの部分なのでしょうか?

ボ:過去のレース映像を見る限りでは、シュヴァルグランが4コーナーを回った後、トップスピードになるまでに時間がかかる馬だなと思っていましたが、ジャパンCでは思った以上にギアの入りがよくて、グンと加速して長くいい脚を使えました。レースを勝てた一番の要因と言ってもいいと思います。そこが過去よりも良くなった点だと思うので、トリッキーな中山コースでも生かすことができれば思います。そこが一番のストロングポイントだと思います。

-:ジャパンCの勝利でボウマン騎手自身もワールドベストジョッキーのタイトルを獲得しました。そういった意味でもこの勝利は大きかったのでしょうか?

ボ:ジャパンCを勝ったことで何ポイント入ったかという細かいことは分かりませんでしたが、チャンピオンになれたことは光栄なことですし、自分にとっても有意義な一年でした。ただ、今年はまだ残っていますので、最後の最後、有馬記念でもっといいパフォーマンスを見せられればと思っています。

シュヴァルグラン

有馬記念に向けて調整を行うシュヴァルグラン

●「キタサンブラックを非常にリスペクト」

-:いよいよ今週末が有馬記念です。ボウマン騎手にとっては2015年以来ということになりますが、有馬記念はどういう印象のレースですか?

ボ:有馬記念はファンの方が出走馬を投票で選ぶという部分から他のレースとは違うと思いますし、本当にお祭り的な、ファンの熱狂ぶりを一番感じます。とくに外国人ジョッキーにとっては日本のファンの熱狂度は他の国よりも強く感じるので、それがより強いのが有馬記念だと思いますし、2015年にトーセンレーヴに乗った時も現場で感じました。そういういつもと変わった部分もあるし、ファンにとっても重要なレースだと思うので、頑張りたいです。

-:トリッキーとお話されている中山芝2500mのポイントというのはありますか?

ボ:トリッキーだと思う一番の理由は、直線の部分が短いにもかかわらず小回りでコーナーがシャープなところで、難しいなと。ただ、シドニーで普段乗っているコースにもよく似たところがありますので、場慣れしていないわけではないので、自分としても力を発揮したいなと思います。

-:この舞台はシュヴァルグランに合うと思いますか?

ボ:そこはまだ乗っていないですし、分からないですけどね。

-:今回もキタサンブラックなど強力な馬がいますが、ライバル関係はどう見ていますか?

ボ:出走馬の中ではキタサンブラックが一番強い馬だなと思いますし、そのキタサンブラックのいい所はどこからでも競馬ができて、折り合いも上手く、問題点がないところ。問題点のない馬が一番だと思いますし、自分自身キタサンブラックを非常にリスペクトしています。結果としてジャパンCでは勝ちましたけど、言い方は悪いかもしれませんが負けていてもおかしくなかったところはあると思いますので、そこが自分としては心配点ですし、一番強い馬だなとも思っています。

-:ジャパンCではキタサンブラックを徹底マークしていましたが、今回も騎乗のイメージというのは湧いているのでしょうか?

ボ:まだ作戦を言えるような場面ではなくて、やはり枠順が出てからになります。前走はキタサンブラックとシュヴァルグランの枠が近かったというのもあるので、マークしやすかったですが、それも枠順によって変わってくると思うので、現段階ではまだ分からないですね。

-:G1連勝が懸かっているシュヴァルグラン、最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

ボ:もちろん馬の状態にもよるとは思いますが、厩舎の皆さんがベストに仕上げていると思いますし、前回と同じ、もしくは前回以上の状態でレースに臨んでくれると思いますので、自分としてはスムーズなレース、フェアなレースで皆さんの期待に応えたいと思います。