トレセンレポート【皐月賞】ハンソデバンド(尾形充弘調教師)

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-:ハンソデバンド尾形調教師に伺います。皐月賞へ向けての追いきり、坂路2本でしたが、主眼はどんなところに?

尾:朝、蛯名騎手には、だいたい8分から上に来ていると伝えました。特にどこから行って欲しいという指示はしませんが、手綱を通した背中の感覚が多少余裕があるかな、という感じがするので、確かめて欲しい、と。時計についてはこだわらないという指示を出しました。終い1ハロンくらいからグッと気合いをつけていきましたからね、思ったより時計が速かったですけどね。3ハロンのところは計時エラーが出ましたけど、併せた馬の感じからすると、35秒半ばから後半くらいの時計だと思います。

-:中間は馬の後ろにつけて調整をされて来られたようですが、その効果についてはどうご覧になられますか?

尾:今日の1本目も他の馬が後ろから結構来ていましたけれども、以前はガツーンとかかって一緒にくっついて行ってしまったのが、今日は横を通られても落ち着いていましたので、いくらか成果があるのかなと思います。

-:水曜日の調教の動きはいかがでしたか?

尾:この馬の状態としては、共同通信杯から2ヶ月半あいていますが、相当数の調教をこなしていますから、これで臨戦態勢は整ったと思います。追い切りのあとからレースの日まで、テンションが上がることなくゲートイン出来れば、と思います。

-:現時点では満足のいく仕上がり、と。

尾:そうですね。先週あたりで仕上がりは手の内に入っていましたからね、今日の坂路であれだけ体を上手に使って上がってこられれば、まずまずだと思います。

-:共同通信杯まで見事な3連勝でした。

尾:デビューから2戦は勝ち損なった感があったので、よく3連勝で権利を取ってくれたなと思っています。

-:共同通信杯、レースを振り返っていただけますか?

尾:ある程度前めで競馬をするように言っておきましたが、あまりにも飛び出しが良くて掛かり気味に行ってしまいました。でも道中に来てくれた馬がいて2番手で折り合えたのは収穫です。東京の長い直線を、よく凌いでくれたと思います。

-:追ってきた2頭は、後に重賞を勝つ2頭でした。

尾:それぞれ重賞ウィナーですからね。ただ、競馬ですから展開だとかいろいろありますので、三段論法的に「あの馬に勝ったからこうだ」ということはないと思っています。

-:皐月賞は2000mで行われます。また距離が延びますが、その点に関してはいかがですか?

尾:距離についてはそれほど心配はしていません。4つのコーナーがありますし、乗り役も「折り合う自信はある」ということで、オーナーと相談して皐月賞、ダービーと決めたわけですから。この皐月賞に関しては折り合いだけがポイントだな、と思っていますので、距離に関しては普通に走れればそんなに苦労はないと思います。

-:皐月賞ではどのような競馬をイメージされていらっしゃいますか?

尾:比較的スタートは上手な馬ですから、スタートして最初のコーナーに入るまでにリラックスして走れれば、何番手でも構いません。リラックスして走れれば、4コーナーでそこそこ良い位置に取り付いているだろうな、という気はしています。

-:クラシックへ重賞ウィナーを送り出すということで、お気持ちも高まっていらっしゃるのではないかと思いますが。

尾:年のせいか、それほど高まりませんが(笑)、クラシックの華やかな舞台に馬を送り出せるのは調教師としてこの上ない喜びです。それほど世界的な血を引いている馬ではないかもしれませんけど、善戦健闘してくれるように作ってきたつもりです。

-:最後にファンの皆さんへ向けて、意気込みのほどをお願いいたします。

尾:サッカーの播戸選手からオーナーが名前をお取りになった馬なので、あのファイトに負けずにいきたいなと思っています。


ハンソデバンド
(牡3、美浦・尾形厩舎)
父:マンハッタンカフェ
母:クラウンアスリート
母父:アフリート
通算成績:5戦3勝
重賞勝利:10年共同通信杯(G3)

尾形 充弘
(おがた みつひろ)
1947年9月27日生まれ
[免許交付年] 1982年
[厩舎開業年] 1985年
[所属] 美浦
[今年度成績] 83戦11勝
[生涯成績] 6010戦649勝(うち障害224戦42勝)